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4 ヴァルグラ
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「_______________……………ぁぁぁあああああああああ!!!」
耳元で風が唸る。
物凄いスピードで地面が近くなる。
………………死ぬ。
「あぁあああああああっ!」
結果として、レインの作り出した風のカプセルは非常に優秀だった。
落下の衝撃もほとんどなく、無傷だ。
ただ1つ、ここはどこだ?
「どうしよう………レインとはぐれちゃった……どうしよう」
頭の中を恐怖がぐるぐる駆け巡る。
こういう時に限ってやけに周りが静かで、耳がピンと尖ったようになんでも聞こえる。
パシっ
「え………なに…………!?」
ぴしっ
……………パキっ!
「あん?なんだこのムスメは。おいワンダー、ここはどこだ?」
「はい。A級危険区域のヴァルグラの森です」
「だよなぁ。じゃあなんでこの丸腰のムスメはこんなとこにいるんだ?」
「はい。わかりません」
「だよなぁ」
草むらから現れたのは、6人のパーティだった。
これといった武器も持たずに危険区域のど真ん中でヘタリ込むユーリは相当に異質なものだったろう。
「おい、ムスメ。なにしてんだ?武器も持たずによぉ。死にてぇのか?お母ちゃんから貰った命、大切にしとけよ」
「おぉ、さすがシャビィ。いいこと言う」
「だよなぁ。だって俺だぜ?」
「それは意味わからん」
悪い人たちではなさそうだ。
「あ、あの……っ!」
「あん?」
「これからどこか行くんですか?」
「おぉよ。この洞窟に入ろうかと思う」
たしかに、見れば鬱蒼とした森の中に長く続いているであろう横穴が見える。
「おいワンダー、たしかこの後雨だよな?」
「はい。雷もなるそうです」
「なにぃ?そいつはいかん。雷は体に悪いからな」
「それは意味わからん」
爆笑が巻き起こる。
「あの……私も着いていっていいですか?」
「好きにしな。お前らもいいよな?」
別に気にしないと言う顔が2つうなづき、渋々顔が4つうなづいた。
「よし、じゃあ入るぞー」
薄暗く、ジメジメとした洞窟だ。
ところどころに光る石が生えて?いてあかりには困らない。
「あれはなんですか?」
「あれか?おい、あれはなんだ?」
「はい。魔光石だと思われます」
「だよなぁ。だとよ」
「それは意味わからん」
「あはは…………わたしも」
洞窟は深い。
ときおり飛び出すコウモリにも怯える。
2時間ほど歩いたか。
途中、2体のモンスターと出会った。
いずれも屈強で、ユーリの目の情報によるとA級とB級が一体ずつ。
苦心しながらも倒した彼らの強さは本物のようだ。
「なぁ、まだか?」
「はい。もうすぐのはずなんですが………」
「ねぇ、もうすぐなにがあるの?」
「あぁ………この先に」
フォっ。
耳元で風が凪いだ。
「……………………………え?」
こんなにも、こんなにも爽やかな風なのに冒険者パーティは残らず吹き飛ばされた。
一瞬で見えなくなる。
「え、え………なんで…………………え?」
次の瞬間、暖かい風が。
『貴様…………なぜ我の力が通用せぬ?』
「え?」
背後から野太い声。
首が軋む。うごけ、うごけわたしの首。
やっとのことで振り向くと、そこにはドラゴンが__________
「う、う………………」
声も出ないほどの恐怖。
A級、B級のモンスターを倒した彼らがあっさりと見えないほどに吹き飛ばされてしまった。
『ここは我の祠………ここでニンゲンを見たのはこれで2度目だ…………』
「あ、あぁあ…………」
瞬間、恐怖を上回る感情が芽生えた。
それは_____悲しみ。
眼を見張るほどの巨大な赤龍の瞳に、なぜかユーリは悲しみを見た。
「悲しそうな目………」
『なに?我の目がか?ふっ、笑わせてくれる………ニンゲン如きが我をなぁ』
「でも、とっても悲しそう………」
『それは違うな。我の瞳に感情が映るとしたら、それは憎しみ。貴様らニンゲンへの憎しみだ!』
グオオォォォオオォォォォオ!
なんという凄み。なんという圧。
だがそれ以上に虚勢。
「あぁ…………そうか。あなたも悲しいのね……そう……………とっても悲しい」
なぜ、いま自分の口からそんな言葉が出てきたのかは分からない。
だが竜は目に見えて怯んだ。
『ニンゲン…………貴様、名をなんという』
「私はエレ………………え?ううん、なんでもない。私はユーリ。ユーリ・マルム」
なんだ?私はいまなんと名乗ろうとした?
怖い。私が私で無くなる感覚。
『………………貴様らを憎く思う我は変わらぬ。だが、貴様なら……闇より出る者を倒す手助けとなるかもしれぬな。その瞳、「灼眼のエレナ」…………あぁ、思い出した。我は………』
意味不明な言葉を口走るドラゴン。
『我はヴァルグラ。火竜ヴァルグラ。貴様は世界を知らねばならぬ。いずれ、我を呼ぶがいい……力になれるであろう。エルフの街を訪ねよ、さすれば火の巫女は現れん』
そういうとヴァルグラは消えた。
残った場所にひとしずくの光。
よってみれば、それは指輪であった。
燃え盛る火炎の如き輝きを放つ指輪。
不思議とユーリは穏やかだった。
私は知らねばならない。
全部。
「うわああああああああん!怖かったよーッ!」
レインは万が一のために、ユーリにポインターをつけて追跡してきてくれたらしい。
ヴァルグラのことはひとまず黙っておくことにした。
女は秘密を作ってナンボ。
なんちゃって。
耳元で風が唸る。
物凄いスピードで地面が近くなる。
………………死ぬ。
「あぁあああああああっ!」
結果として、レインの作り出した風のカプセルは非常に優秀だった。
落下の衝撃もほとんどなく、無傷だ。
ただ1つ、ここはどこだ?
「どうしよう………レインとはぐれちゃった……どうしよう」
頭の中を恐怖がぐるぐる駆け巡る。
こういう時に限ってやけに周りが静かで、耳がピンと尖ったようになんでも聞こえる。
パシっ
「え………なに…………!?」
ぴしっ
……………パキっ!
「あん?なんだこのムスメは。おいワンダー、ここはどこだ?」
「はい。A級危険区域のヴァルグラの森です」
「だよなぁ。じゃあなんでこの丸腰のムスメはこんなとこにいるんだ?」
「はい。わかりません」
「だよなぁ」
草むらから現れたのは、6人のパーティだった。
これといった武器も持たずに危険区域のど真ん中でヘタリ込むユーリは相当に異質なものだったろう。
「おい、ムスメ。なにしてんだ?武器も持たずによぉ。死にてぇのか?お母ちゃんから貰った命、大切にしとけよ」
「おぉ、さすがシャビィ。いいこと言う」
「だよなぁ。だって俺だぜ?」
「それは意味わからん」
悪い人たちではなさそうだ。
「あ、あの……っ!」
「あん?」
「これからどこか行くんですか?」
「おぉよ。この洞窟に入ろうかと思う」
たしかに、見れば鬱蒼とした森の中に長く続いているであろう横穴が見える。
「おいワンダー、たしかこの後雨だよな?」
「はい。雷もなるそうです」
「なにぃ?そいつはいかん。雷は体に悪いからな」
「それは意味わからん」
爆笑が巻き起こる。
「あの……私も着いていっていいですか?」
「好きにしな。お前らもいいよな?」
別に気にしないと言う顔が2つうなづき、渋々顔が4つうなづいた。
「よし、じゃあ入るぞー」
薄暗く、ジメジメとした洞窟だ。
ところどころに光る石が生えて?いてあかりには困らない。
「あれはなんですか?」
「あれか?おい、あれはなんだ?」
「はい。魔光石だと思われます」
「だよなぁ。だとよ」
「それは意味わからん」
「あはは…………わたしも」
洞窟は深い。
ときおり飛び出すコウモリにも怯える。
2時間ほど歩いたか。
途中、2体のモンスターと出会った。
いずれも屈強で、ユーリの目の情報によるとA級とB級が一体ずつ。
苦心しながらも倒した彼らの強さは本物のようだ。
「なぁ、まだか?」
「はい。もうすぐのはずなんですが………」
「ねぇ、もうすぐなにがあるの?」
「あぁ………この先に」
フォっ。
耳元で風が凪いだ。
「……………………………え?」
こんなにも、こんなにも爽やかな風なのに冒険者パーティは残らず吹き飛ばされた。
一瞬で見えなくなる。
「え、え………なんで…………………え?」
次の瞬間、暖かい風が。
『貴様…………なぜ我の力が通用せぬ?』
「え?」
背後から野太い声。
首が軋む。うごけ、うごけわたしの首。
やっとのことで振り向くと、そこにはドラゴンが__________
「う、う………………」
声も出ないほどの恐怖。
A級、B級のモンスターを倒した彼らがあっさりと見えないほどに吹き飛ばされてしまった。
『ここは我の祠………ここでニンゲンを見たのはこれで2度目だ…………』
「あ、あぁあ…………」
瞬間、恐怖を上回る感情が芽生えた。
それは_____悲しみ。
眼を見張るほどの巨大な赤龍の瞳に、なぜかユーリは悲しみを見た。
「悲しそうな目………」
『なに?我の目がか?ふっ、笑わせてくれる………ニンゲン如きが我をなぁ』
「でも、とっても悲しそう………」
『それは違うな。我の瞳に感情が映るとしたら、それは憎しみ。貴様らニンゲンへの憎しみだ!』
グオオォォォオオォォォォオ!
なんという凄み。なんという圧。
だがそれ以上に虚勢。
「あぁ…………そうか。あなたも悲しいのね……そう……………とっても悲しい」
なぜ、いま自分の口からそんな言葉が出てきたのかは分からない。
だが竜は目に見えて怯んだ。
『ニンゲン…………貴様、名をなんという』
「私はエレ………………え?ううん、なんでもない。私はユーリ。ユーリ・マルム」
なんだ?私はいまなんと名乗ろうとした?
怖い。私が私で無くなる感覚。
『………………貴様らを憎く思う我は変わらぬ。だが、貴様なら……闇より出る者を倒す手助けとなるかもしれぬな。その瞳、「灼眼のエレナ」…………あぁ、思い出した。我は………』
意味不明な言葉を口走るドラゴン。
『我はヴァルグラ。火竜ヴァルグラ。貴様は世界を知らねばならぬ。いずれ、我を呼ぶがいい……力になれるであろう。エルフの街を訪ねよ、さすれば火の巫女は現れん』
そういうとヴァルグラは消えた。
残った場所にひとしずくの光。
よってみれば、それは指輪であった。
燃え盛る火炎の如き輝きを放つ指輪。
不思議とユーリは穏やかだった。
私は知らねばならない。
全部。
「うわああああああああん!怖かったよーッ!」
レインは万が一のために、ユーリにポインターをつけて追跡してきてくれたらしい。
ヴァルグラのことはひとまず黙っておくことにした。
女は秘密を作ってナンボ。
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