異世界もの小説(仮)

外谷狭現

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第八話

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門のところで、昨日入ってくるときに働いていた門番さんがいた。
 
「君は昨日シルバーさんと一緒にいた子か。身分を証明できる何かを出してもらえるかい?」
 
ついさっき手に入れたばかりのギルドカードを見せる。
 
「ああ、ギルドに登録したのか。この辺にはあまり危険な魔物はいないけれど、気を付けるんだよ。」
 
門番の人に見送られながら街を出る。
昨日来るときに通った道を、戻っていくように進んでいく。
シルバーさんと出会った小屋を超え、街から1時間ほど歩いたところに森があった。
 
(えーと、この本によると薬草は・・・「浅いところにもよく生えているので、木の根元などを注意してみていればすぐに見つかる。」か。)
 
本に書いてあるとおり、薬草はすぐに見つかった。
 
(「薬草は種類によって使用部分が違う。」この薬草の場合は上の葉の部分が使われるから、根元から切りとればいいのか。)
 
薬草を根元で切り、五本ごとに一束にまとめていく。
 
(「薬草は根が残っていればまた生えてくるため、一度に多くとっても問題ない。」じゃあこの辺に生えている薬草は全部摘んでしまうか。)
 
どんどんと薬草を摘んでいく。
最終的に十束分の薬草を集めることができた。
 
(これだけ集めれば大丈夫だろう。)
 
そう思い街に戻ろうとしたとき、
 
「ギャオ!」
 
後ろから鳴き声がした。
 
「えっ?」
 
振り返ると木の棒を持ち、緑色の肌をした生き物が、こちらに走りこんできている。
 
(ヤバい!とりあえず逃げないと!)
 
薬草を詰めた袋を持ち走り出す。
 
「ギャオ!」
 
相手の足がそれほど速くなかったため、何とか逃げ出すことができた。
 
(たぶんさっきの奴がゴブリンだろう。足は速くないから逃げられたけど、もしあのゴブリンが鳴かずに襲い掛かってきていたら、今頃僕は死んでいただろう。)
 
背筋に冷たい汗が流れる。
さきほどのことを教訓に、しっかりと周りを見ながら森を出る。
 
(日がかなり落ちてきているし、早く帰ろう。)
 
採取した薬草を手に、街へと戻っていった。
 
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