ブラッディ・ラヴリネスの逆襲

黒猫と招き猫

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第1章 〜奴隷編〜

28.安堵

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 「ねぇ、なんでそんなことするのっ…!」少女は震えた声で自分の服の端を固く握った。
 「なんで、か。そうか、なんでなんだろうな。考えたこともなかったわ。でも、そういうものなんだよ。」
 男は冷徹に淡々と言い放つ。

 視界にちらつく赤にだんだんと目がぼやけていく。
 
 第三者の視点から見えるこの光景は、確か… ブツン


 「ッ、ヨルカッ!」

 考えを遮るかのように鈍く切れた思考から、目覚めるとともに名前が呼ばれているのが聞こえた。

 「ヨルカッ!」

 また呼ばれた。
 何度も、何度も呼ばれるその名が私がいるのはここなのだと、私は夜華なのだと知らしめる。

 ぼんやりと薄く開けた目の先には雪凪と清夜がこちらを心配そうに覗き込んでいた。
 二人の目の奥には起きたことによる安堵、急に倒れたことによる心配など私を慮ることしか伺えなくて、こわばった身体を気づかれないように解した。
 
 「うっ」

 身体を起こして、周りを見渡すとここが宿だということが分かった。心配そうに私を支える雪凪に大丈夫だと言って、離してもらいながら現状を把握した。

 私はベットにあおむけに倒れこんでいて、雪凪がたどたどしくゆすっていたようだ。
 
 私が急に倒れたのだと、大丈夫なのかと聞かれ、私は迷いなく頷いた。聞くと、時間はあまり経っていないようで、声をかけると割とすぐに気づいたらしい。

 ただ、まだここに来たばかりで疲れているわけでなので心配する必要はないと、二人に声をかける。
 それでも、二人は心配そうに見ていて、それが無性に嬉しくて顔がにやけないようにこらえる。まるで、あの人みたいだと思ってしまった。

 二人の様子をぼーっと眺めていると、雪凪に「失礼します」と声をかけられると、急に体を持ち上げられた。声を返す暇もなく、清夜がめくった布団に体を優しくそっと横たわられされた。そして、清夜に布団を優しくかけられて、やっと声を出すことができた。
 「えっ?」という、なんとも頼りない声だったわけだが。

 それでも私の言いたいことは分かるのか、雪凪は疑問に答えてくれた。
 「もう、今日はお休みください。私たちは大丈夫ですから。ゆっくり、お休みください」
 そう言って、やさしく頬をなでた。
 あんなに奴隷がどうとかいっていたのに急にどうした、とか、なんで私は抵抗出来なかったのか、とか、疑問は尽きないのに、雪凪がなでた頬に妙に安心感を感じて、段々と瞼が落ちていく。

 「おやすみなさい」

 そう、遠くで言っているのを確かに聞いた瞬間、私は眠りに落ちていった。
 
 
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感想 1

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みんなの感想(1件)

hiyo
2019.12.05 hiyo

まだまだ導入部ですね。
これから彼女がどのように成長していくのか楽しみに
続きを書いて頂けるのを、お待ちしています~!

2019.12.06 黒猫と招き猫

読んでくれてありがとうございます😊
夜華が奴隷たちにがどんどん溺愛されていく様子も楽しみにしていてくださいね!

解除

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