パークラ認定されてパーティーから追放されたから田舎でスローライフを送ろうと思う

ユースケ

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ギルド移転処理

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 全てのギルドにおいて暗黙の常識というものがある。
 それはどんな僻地であっても、職員はエルフであるという事。
 王都以外でティオ村のギルドしか知らないが、エルフ以外見た記憶が無いから恐らくは事実なのだろう。
 そこに疑いは持っていない。
 だがまさかこんな、こんな……。

「いらっしゃいませ、お客様! 本日はどのようなご用で……やや! これは初めて見るお顔! もしやご新規様では!? ではちょいとそこでお待ちになられてくださいまし! 今お茶菓子とお飲み物をお持ちしますので! あっ、ちなみに嫌いな食べ物あります? わたしはこう見えて果物嫌いなんですよ! ついでに歌も苦手だったりするんだなぁ、これが! 森の民エルフなのにね! え? エルフっぽくない? あいや待たれい、お客様! どっからどう見ても麗しのエルフじゃあーりませんか! 果実が嫌いなエルフが居ても良いじゃない! テンション高いエルフが居ても良いじゃない! だって時代は多種多様! だったらエルフ族にもわたしみたいな特殊変異ちゃんが居てもおかしくないってねぇ! あはは、自分で言うなって? 確かに確かに! お客様なかなかよいツッコミをお持ちで! わたしもう感服の極みでございます! してないって? ふふっ、わたしぐらいになるとお客様の心のツッコミさえ聞こえ────」

 こんなテンションが高いエルフがこの世に存在するだなんて思ってもみなかった。
 エルフは皆ローテンションなのかとばかり。
 頼むから喋らせてくれ。

「……すまん。 話を遮って悪いんだが、移転の手続きをしてくれないか。 これから新居探しやらなんやらで色々忙しくてな」

「おっと、ごめんねー。 話しだすとついつい止まんなくてさぁ、ついこの間も……ん? お客様、今移転って言った? じゃあもしかして君が王都から来るって通達のあった冒険者だったり?」

「ソーマ=イグベルトだ。 これから世話になる」

 挨拶を交わし手を差し出すと、エルフも迷う事なく手を重ね。

「わたしはグランシャリオ=ブレイクカノン! 皆からはリオちゃんって呼ばれてるよ!」

 ……そういえばエルフ族のネーミングセンスって独特だったな。
 確か王都で担当してくれていたエルフのお姉さんもフルネームが、ライトニング=フォーエバーとかだった気がする。

「ソーマちゃんも気軽にリオちゃんって呼んでね! よろしくソーマちゃん!」

「呼ばない。 あとソーマちゃんはやめてくれ。 ソーマで良い」

「ぶーぶー、つれないなーソーマちゃんはー。 まっ、いいや。 じゃあソーマちゃん、移転処理するからギルドから預かってる移転手続き書類貰えるかな」

「ああ、ちょっと待ってくれ。 ここに……」

  …………?
 
「あれ、おかしいな。 確かここにポーチ代わりにしていた銅貨袋をつけてた筈……あれ?」

 …………は?

「な、ない! 袋がどこにもない! 嘘だろ、あそこに金も書類も全て入れてたのに!」

「袋ぉ……? そんなのどこにも…………あ、もしかしてあれの事?」

「どれ?」

「ほら、あれよあれ。 あの落ちてた袋の事じゃない? こいつが言ってる袋って」

「ああー、あのなんの袋かわかんないから置きっぱなしにしちゃった薄茶色のやつ?」

 それだ。

「おいお前ら、あの袋を見たのか? というか置きっぱなしってなんだ。 まさかとは思うが……」

 恐る恐る尋ねると、二人は────

 こくり。

 いかん、目眩がしてきた。
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