僕らの先生はだれのもの?【月曜更新】

菓子屋トモアオ

文字の大きさ
1 / 3

1.赴任0日目

しおりを挟む
「いやぁ助かりました。担任の先生が入院してしまいましてね…」
「いえ、こちらこそ拾って頂いてありがとうございます。」

私立櫻咲学園高等部。8月の噎せるような暑さも空調設備の整ったこの、所謂お金持ち学校には無縁で、着古した安物のスーツを来た彼、陶島すえじま 桃也とうやもまた少し浮いて見えた。
 体調を崩し入院したという教師の変わりに代理として呼ばれた陶島は教頭から校内の説明を受けながらふと疑問を口にした。

「でも…担任なんて大事な役割、何故外部の僕が?それこそ副担任の先生とかは…」
「副担任の先生も体を悪くされていましてね…他の先生も荷が重い、と」

同時に教師が二人も体調不良になる等と珍しい事もある物だ、まさか余程労働環境が悪いのか?と安易に話を受けた事を陶島が少し後悔していると、「生徒会室」とプレートの付いた扉から生徒が一人顔を出した。

「教頭先生、こんにちは。もしかして二学期からお世話になる先生ですか?」

陽の光に透ける様な薄い色の髪が染色でないことは同じ色の長いまつ毛で解った。
声を出さなければ性別に迷っていたかもしれないと思う様な美しい中性的な容姿のその生徒に、教頭は何故か広い額に汗を浮かべた。

「え、えぇ…こちら陶島桃也先生、9月から2-Fの担任をして貰います。」
「やっぱり。よろしくお願いします先生。では。」

教頭に紹介され挨拶を返そうとするも生徒は柔らかく微笑んですぐに引っ込み、生徒会室のドアは再び閉ざされた。

「さ、さ、こちらは後にしましょう、先に理事長に挨拶を…」

突然踵を返し元来た道を引き返す教頭に違和感を覚えながらついて行く。
背後に遠のく生徒会室から何やら物音がしていた。…会議か何かでもしているのだろう。






「ねぇ、次の先生どう思う?」
「なんだか冴えない感じー、おっさんっぽく無いからまぁマシかなぁ」
「父さんがくれた玩具かな?まぁなんでもいいや、楽しめたら。ね、センセ?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

バスケ部のイケメン先輩に誘惑されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 他にも書きたいのがいっぱいある。

氷の檻に閉じ込められた月~兄上のすべては、私のもの~

春野ふぶき
BL
『兄上は私のものだ。魂も、肉体も。永遠に―—』 アーヴェント侯爵家の長男ライカは、妾腹として正妻に虐げられ続けてきた。 唯一の救いは、次期当主を目される異母弟カイエンの存在。 美しく聡明で、氷の騎士と呼ばれる彼だけは、常にライカの味方だった。 だが、その愛情は兄を守るものではなく、深く歪んだ執着だった。 母を排除し、兄を囲い込み、逃げれば鎖で捕らえる。 そしてついに、ライカの心身は限界に追い詰められていく。 ——カイエンが下す「最後の選択」とは。 ふたりが辿る結末は、幸福か、それとも狂気の果てか。

大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)

子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ 喰われるなんて聞いてないんだが(?) 俺はただ、 いちご狩りに誘われただけだが。 なのに── 誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に なぜか俺が捕まって食われる展開に? ちょっと待てい。 意味がわからないんだが! いちご狩りから始まる ケンカップルいちゃらぶBL ※大人描写のある話はタイトルに『※』あり

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

「大人扱いしていい?」〜純情当主、執務室で策士な従兄の『相性確認』にハメられる〜

中山(ほ)
BL
「ルイン、少し口開けてみて」 仕事終わりの静かな執務室。 差し入れの食事と、ポーションの瓶。 信頼していた従兄のトロンに誘われるまま、 ルインは「大人の相性確認」を始めることになる。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

処理中です...