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1.赴任0日目
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「いやぁ助かりました。担任の先生が入院してしまいましてね…」
「いえ、こちらこそ拾って頂いてありがとうございます。」
私立櫻咲学園高等部。8月の噎せるような暑さも空調設備の整ったこの、所謂お金持ち学校には無縁で、着古した安物のスーツを来た彼、陶島 桃也もまた少し浮いて見えた。
体調を崩し入院したという教師の変わりに代理として呼ばれた陶島は教頭から校内の説明を受けながらふと疑問を口にした。
「でも…担任なんて大事な役割、何故外部の僕が?それこそ副担任の先生とかは…」
「副担任の先生も体を悪くされていましてね…他の先生も荷が重い、と」
同時に教師が二人も体調不良になる等と珍しい事もある物だ、まさか余程労働環境が悪いのか?と安易に話を受けた事を陶島が少し後悔していると、「生徒会室」とプレートの付いた扉から生徒が一人顔を出した。
「教頭先生、こんにちは。もしかして二学期からお世話になる先生ですか?」
陽の光に透ける様な薄い色の髪が染色でないことは同じ色の長いまつ毛で解った。
声を出さなければ性別に迷っていたかもしれないと思う様な美しい中性的な容姿のその生徒に、教頭は何故か広い額に汗を浮かべた。
「え、えぇ…こちら陶島桃也先生、9月から2-Fの担任をして貰います。」
「やっぱり。よろしくお願いします先生。では。」
教頭に紹介され挨拶を返そうとするも生徒は柔らかく微笑んですぐに引っ込み、生徒会室のドアは再び閉ざされた。
「さ、さ、こちらは後にしましょう、先に理事長に挨拶を…」
突然踵を返し元来た道を引き返す教頭に違和感を覚えながらついて行く。
背後に遠のく生徒会室から何やら物音がしていた。…会議か何かでもしているのだろう。
「ねぇ、次の先生どう思う?」
「なんだか冴えない感じー、おっさんっぽく無いからまぁマシかなぁ」
「父さんがくれた玩具かな?まぁなんでもいいや、楽しめたら。ね、センセ?」
「いえ、こちらこそ拾って頂いてありがとうございます。」
私立櫻咲学園高等部。8月の噎せるような暑さも空調設備の整ったこの、所謂お金持ち学校には無縁で、着古した安物のスーツを来た彼、陶島 桃也もまた少し浮いて見えた。
体調を崩し入院したという教師の変わりに代理として呼ばれた陶島は教頭から校内の説明を受けながらふと疑問を口にした。
「でも…担任なんて大事な役割、何故外部の僕が?それこそ副担任の先生とかは…」
「副担任の先生も体を悪くされていましてね…他の先生も荷が重い、と」
同時に教師が二人も体調不良になる等と珍しい事もある物だ、まさか余程労働環境が悪いのか?と安易に話を受けた事を陶島が少し後悔していると、「生徒会室」とプレートの付いた扉から生徒が一人顔を出した。
「教頭先生、こんにちは。もしかして二学期からお世話になる先生ですか?」
陽の光に透ける様な薄い色の髪が染色でないことは同じ色の長いまつ毛で解った。
声を出さなければ性別に迷っていたかもしれないと思う様な美しい中性的な容姿のその生徒に、教頭は何故か広い額に汗を浮かべた。
「え、えぇ…こちら陶島桃也先生、9月から2-Fの担任をして貰います。」
「やっぱり。よろしくお願いします先生。では。」
教頭に紹介され挨拶を返そうとするも生徒は柔らかく微笑んですぐに引っ込み、生徒会室のドアは再び閉ざされた。
「さ、さ、こちらは後にしましょう、先に理事長に挨拶を…」
突然踵を返し元来た道を引き返す教頭に違和感を覚えながらついて行く。
背後に遠のく生徒会室から何やら物音がしていた。…会議か何かでもしているのだろう。
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「父さんがくれた玩具かな?まぁなんでもいいや、楽しめたら。ね、センセ?」
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