21 / 59
21話 疑われるエーヴァ、否定するバーツ
しおりを挟む
「ループト公爵令嬢から手紙が着た」
諸島に着いてすぐ魔法大国ネカルタスへ向かったディーナ様から体調不良者の件ですぐに指示がきた。
「瓶に入った香料は使わないこと。瓶の中身は魔法薬で、摂取すると体調不良となる、か」
「急いで町へ」
「ああ」
以前から大量に輸入されていた紅茶用の香料は体調不良になる原因で使用禁止になる。町では幸い私が話をしたことと、バーツ様が本土からの連絡が来るまで保留という連絡が行き届いたことから、使者ルーレが持ち込んだ予防薬は使用せずにいる店ばかりだった。体調不良者も急激に増えていない。
広場に集まりひりついた空気の中、今後について話し合う。そもそも最初に持ち込まれたのはいつ誰だったのかを疑問に持つ者も多かった。
「悪いけどエーヴァ嬢が来てから始まった気がすんだが」
「その前からあっただろう?」
「これってソッケ国から始まったんだろ? エーヴァ嬢ソッケから来たらしいじゃんか」
矛先が私に向けられる。この島の人たちからすれば、私は部外者で怪しまれても仕方がない。
「ソッケにはすんげえ悪どい王子妃がいたんだろ? ソッケの連中には良い印象がねえよ」
「シャーリー様は悪事を働いていません」
事実と異なります、と言いきった。
「私はバーツ様から銀細工を学ぶ為に伺いました。島の方々を貶めるようなことはいたしません」
けどなあと渋られる。確たる証拠もなく身元もはっきりしない私の言うことが信じられるとは思えない。少し牢に入って時間が経ってから折を見て出るとかしないとかしら。
「エーヴァ嬢は大丈夫だ」
「領主様?」
バーツ様が領民を真っ直ぐ見据えて言った。
「体調不良者とエーヴァ嬢は無関係だ」
「何を根拠に」
「人柄」
それだけかと言われ、バーツ様は頷く。
身元についてはあまり確認をとっていないことも伝えた。
「誰でも知られたくない部分はあるだろうし」
「それじゃますます怪しいじゃねえか」
「待ってくれ!」
途中急ぎ足で合流してきたのは茶葉を売っている店主だった。
私がバーツ様の指示の元、使者が持ち込んだ予防薬をどうするか決めるべきだと伝えた人。
「予防薬の使用を保留にするよう言ったのはエーヴァ嬢だぞ!」
「え?」
「話は大体聞かせてもらった。エーヴァ嬢が犯人だとしたら使わないよう言わないだろ。むしろ領主様が許可したって広めるだろうし」
劇的に体調不良者が広まれば島は機能不全になる。自分が怪しまれる前に混乱に乗じて逃げれば勝ちだ。
つまり、今もここにとどまる私が暗躍する必要がない。
「それじゃあ……」
一気に形勢が変わった。
今まで私を疑っていた領民も「疑ってすまなかった」と謝ってくれ、その後は本土の使者を名乗る者に注意すること、見知らぬものは全て領主であるバーツ様対面で確認することになった。
ディーナ様が「香料が原因」と特定した以上、同じことはしないだろう。
新しい方法で攻め込んでくるかどうかだ。
「では一度私は屋敷に戻ります。小さなことでも変化があったら呼んでください」
そうして私たちは屋敷に戻る。
「すまなかった」
「バーツ様?」
「君に疑いがかかってすぐに否定したかったし、その、うまく守ることもできなかったから」
バツが悪そうに言う姿が可愛らしい。
「バーツ様、素敵でした」
「え?」
「私を信じてくださっての言葉でしょう? 理詰めで皆さんを説得する姿よりも、ただの私を信じて無実を訴えてくれる姿は格好良かったです」
「あ、えっと……」
「そんな優しいバーツ様が好きですよ!」
「っ……」
嬉しかった。
ただのエーヴァでも信じてくれるって。
時間もあまり過ごしていないし、私は素性をバーツ様に伝えていない。
なのに、ただのエーヴァを信じてくれた。
「……その」
「はい」
「こんな時だけど……こんな時だからこそ銀細工を作ろうか?」
「素敵です!」
気晴らしだよ、とバーツ様は視線を銀細工に移す。領主との仕事に行き詰った時は銀細工を作って気分転換を図っていたらしい。
「私と同じですね」
「同じ?」
「仕事で辛い時はいつも銀細工が助けてくれました。辛い時こそ黙々と作ってたので」
「ああ……そうだね、同じだ」
「はい! 嬉しいです!」
より細い銀糸が作れるという新しい銀を早く取りに行きたい。
けど海賊の件がもう少し落ち着かないと難しいとバーツ様は言う。
楽しみだとはしゃぐ私にバーツ様はほんの少し口角を上げた。普段クールな姿と違って柔らかく、珍しい姿に心が跳ねる。
「まだこのバーツ様の銀細工より細い銀糸で仕上げたことがないので早く追いつきたいです!」
「ああ。それいつも持ってるの?」
「はい!」
「そう……」
私にとってのお守りだ。
ソッケ王国にいた頃は、王城に持ち込み禁止もあって肌身離さずはできなかったけど、今はいつも持っている。私自身は銀細工と同義だもの。
「……それだけ大事にされていると、その銀細工は本望だろうね」
「そうなのですか?」
「それだけ愛されていたら銀細工も幸せだよ」
「まあ!」
素敵な表現!
さすがバーツ様だわ!
「ご安心を! 私は銀細工も好きですがバーツ様も好きです!」
「もう充分聞いてる」
「そうでしたか」
呆れ気味の中に親しみが見えた気がした。
「さあ銀細工を作ろう。次は模様と模様を繋げる技を見せる日だ」
「はい!」
諸島に着いてすぐ魔法大国ネカルタスへ向かったディーナ様から体調不良者の件ですぐに指示がきた。
「瓶に入った香料は使わないこと。瓶の中身は魔法薬で、摂取すると体調不良となる、か」
「急いで町へ」
「ああ」
以前から大量に輸入されていた紅茶用の香料は体調不良になる原因で使用禁止になる。町では幸い私が話をしたことと、バーツ様が本土からの連絡が来るまで保留という連絡が行き届いたことから、使者ルーレが持ち込んだ予防薬は使用せずにいる店ばかりだった。体調不良者も急激に増えていない。
広場に集まりひりついた空気の中、今後について話し合う。そもそも最初に持ち込まれたのはいつ誰だったのかを疑問に持つ者も多かった。
「悪いけどエーヴァ嬢が来てから始まった気がすんだが」
「その前からあっただろう?」
「これってソッケ国から始まったんだろ? エーヴァ嬢ソッケから来たらしいじゃんか」
矛先が私に向けられる。この島の人たちからすれば、私は部外者で怪しまれても仕方がない。
「ソッケにはすんげえ悪どい王子妃がいたんだろ? ソッケの連中には良い印象がねえよ」
「シャーリー様は悪事を働いていません」
事実と異なります、と言いきった。
「私はバーツ様から銀細工を学ぶ為に伺いました。島の方々を貶めるようなことはいたしません」
けどなあと渋られる。確たる証拠もなく身元もはっきりしない私の言うことが信じられるとは思えない。少し牢に入って時間が経ってから折を見て出るとかしないとかしら。
「エーヴァ嬢は大丈夫だ」
「領主様?」
バーツ様が領民を真っ直ぐ見据えて言った。
「体調不良者とエーヴァ嬢は無関係だ」
「何を根拠に」
「人柄」
それだけかと言われ、バーツ様は頷く。
身元についてはあまり確認をとっていないことも伝えた。
「誰でも知られたくない部分はあるだろうし」
「それじゃますます怪しいじゃねえか」
「待ってくれ!」
途中急ぎ足で合流してきたのは茶葉を売っている店主だった。
私がバーツ様の指示の元、使者が持ち込んだ予防薬をどうするか決めるべきだと伝えた人。
「予防薬の使用を保留にするよう言ったのはエーヴァ嬢だぞ!」
「え?」
「話は大体聞かせてもらった。エーヴァ嬢が犯人だとしたら使わないよう言わないだろ。むしろ領主様が許可したって広めるだろうし」
劇的に体調不良者が広まれば島は機能不全になる。自分が怪しまれる前に混乱に乗じて逃げれば勝ちだ。
つまり、今もここにとどまる私が暗躍する必要がない。
「それじゃあ……」
一気に形勢が変わった。
今まで私を疑っていた領民も「疑ってすまなかった」と謝ってくれ、その後は本土の使者を名乗る者に注意すること、見知らぬものは全て領主であるバーツ様対面で確認することになった。
ディーナ様が「香料が原因」と特定した以上、同じことはしないだろう。
新しい方法で攻め込んでくるかどうかだ。
「では一度私は屋敷に戻ります。小さなことでも変化があったら呼んでください」
そうして私たちは屋敷に戻る。
「すまなかった」
「バーツ様?」
「君に疑いがかかってすぐに否定したかったし、その、うまく守ることもできなかったから」
バツが悪そうに言う姿が可愛らしい。
「バーツ様、素敵でした」
「え?」
「私を信じてくださっての言葉でしょう? 理詰めで皆さんを説得する姿よりも、ただの私を信じて無実を訴えてくれる姿は格好良かったです」
「あ、えっと……」
「そんな優しいバーツ様が好きですよ!」
「っ……」
嬉しかった。
ただのエーヴァでも信じてくれるって。
時間もあまり過ごしていないし、私は素性をバーツ様に伝えていない。
なのに、ただのエーヴァを信じてくれた。
「……その」
「はい」
「こんな時だけど……こんな時だからこそ銀細工を作ろうか?」
「素敵です!」
気晴らしだよ、とバーツ様は視線を銀細工に移す。領主との仕事に行き詰った時は銀細工を作って気分転換を図っていたらしい。
「私と同じですね」
「同じ?」
「仕事で辛い時はいつも銀細工が助けてくれました。辛い時こそ黙々と作ってたので」
「ああ……そうだね、同じだ」
「はい! 嬉しいです!」
より細い銀糸が作れるという新しい銀を早く取りに行きたい。
けど海賊の件がもう少し落ち着かないと難しいとバーツ様は言う。
楽しみだとはしゃぐ私にバーツ様はほんの少し口角を上げた。普段クールな姿と違って柔らかく、珍しい姿に心が跳ねる。
「まだこのバーツ様の銀細工より細い銀糸で仕上げたことがないので早く追いつきたいです!」
「ああ。それいつも持ってるの?」
「はい!」
「そう……」
私にとってのお守りだ。
ソッケ王国にいた頃は、王城に持ち込み禁止もあって肌身離さずはできなかったけど、今はいつも持っている。私自身は銀細工と同義だもの。
「……それだけ大事にされていると、その銀細工は本望だろうね」
「そうなのですか?」
「それだけ愛されていたら銀細工も幸せだよ」
「まあ!」
素敵な表現!
さすがバーツ様だわ!
「ご安心を! 私は銀細工も好きですがバーツ様も好きです!」
「もう充分聞いてる」
「そうでしたか」
呆れ気味の中に親しみが見えた気がした。
「さあ銀細工を作ろう。次は模様と模様を繋げる技を見せる日だ」
「はい!」
22
あなたにおすすめの小説
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
断罪の準備は完璧です!国外追放が楽しみすぎてボロが出る
黒猫かの
恋愛
「ミモリ・フォン・ラングレイ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」
パルマ王国の卒業パーティー。第一王子アリオスから突きつけられた非情な断罪に、公爵令嬢ミモリは……内心でガッツポーズを決めていた。
(ついにきたわ! これで堅苦しい王妃教育も、無能な婚約者の世話も、全部おさらばですわ!)
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活
しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。
新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。
二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。
ところが。
◆市場に行けばついてくる
◆荷物は全部持ちたがる
◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる
◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる
……どう見ても、干渉しまくり。
「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」
「……君のことを、放っておけない」
距離はゆっくり縮まり、
優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。
そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。
“冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え――
「二度と妻を侮辱するな」
守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、
いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子
ねむたん
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。
(その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!)
期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる