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魔法学園編
ようこそ魔法学園へ~召喚の儀~
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遡ること二年前、私は地方検察庁の検察事務官、つまりはしがない公務員だった。
その日は雨が降っていて、その挙句、寝坊をした私は歩道橋の階段を急いで降りていた。
ヤバい、このままだと遅刻する!
だが悪いことは重なるもの。
その濡れたコンクリートの上を、ずるりとパンプスが滑る。
私は死を覚悟しながら、階段から真っ逆さまに落っこちた。
そして気が付くと私は大理石に描かれた魔法陣の中心で呆然としていた。
「お初にお目にかかります。私は神官長です。救世主様、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「えっと、倉木真弥です……いや、ちょっと待ってください。私は救世主とかではありませんよ!?」
え、このおじいさん一体何言ってるの?
国の危機?
そもそもここはどこ?
私は私だよね?
しかし、神官長はやんわりとわたしの言葉を打ち消した。
「いえ、マヤ様には潜在的に強い魔力が見受けられますし、召喚能力をお持ちです。それに既に妖精の加護を得ております」
「私に魔力と召喚能力?妖精って?」
「ここだよー!」
私の左肩のあたりに金色に輝く小さな存在に気付いた。
緑の髪に、赤い瞳。ガラスの様な透明な羽根で燐光をまき散らしながら辺りを飛び回っている。
「僕は妖精パック! これから君を導いてあげるからね。頼りにしてくれていいよ」
「何これ? 綺麗だけど本物の妖精? ねぇ、どうしたら元の世界に戻れるの?」
「この世界の神官たちが『王国の危機を救う』って決めたからそれまでかな」
「嘘でしょ!?」
王国の危機を救わないとこの夢は覚めないの?
本当にこれって夢だよね?
夢であってほしい。
驚く私を後目に神官たちが小声で話し合っている。
「妖精と語らっていらっしゃる!」
「間違いない、本物だ!」
こ れは夢かもしれないが、一応現状を把握しておこうと思った。
黒いスーツは濡れている上に、泥で汚れていたが怪我はどこにもなかった。
そのリアルな感触に、逆に夢じゃなかったらどうしようと私はどんどん不安になって来た。
「あの、この国の危機って……一体ここはどこなんですか?」
「おお、説明が遅れました。ここは聖フローレンス王国王城の召喚の間。予言により四度の春、この国に恐ろしい危機が訪れることがわかりました。そのためにはるばる異世界より、マヤ・クラキ様を召喚されたのです」
「え、私、何もできないんですけど!?」
一般人である私に国家の危機を救えと言われても、どうしようもない。
あまりに唐突な展開に私の頭はついていけなくなってきた。
「マヤ・クラキ様はお若くいらっしゃいますので、ウィロウ王立魔法学園にご入学されてはいかがでしょうか? 魔法だけでなく、武術、剣術、学問様々なことを学ばれるのが良いのではないかと」
「私もう学生って言う歳じゃないんですけど」
そこで鏡を渡された。
三十半ばだった私が覗き込むと、そこには……二十年前の十五歳の私が映っていた。
私は私ですらなかった!
「嘘でしょ!?」
「ウィロウ王立魔法学園に行こうよ。ボクもそこに運命の導きがあると思うよ、マヤ!」
こうして、私はこのウィロウ王立魔法学園へと入学することになったのだった。
その日は雨が降っていて、その挙句、寝坊をした私は歩道橋の階段を急いで降りていた。
ヤバい、このままだと遅刻する!
だが悪いことは重なるもの。
その濡れたコンクリートの上を、ずるりとパンプスが滑る。
私は死を覚悟しながら、階段から真っ逆さまに落っこちた。
そして気が付くと私は大理石に描かれた魔法陣の中心で呆然としていた。
「お初にお目にかかります。私は神官長です。救世主様、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「えっと、倉木真弥です……いや、ちょっと待ってください。私は救世主とかではありませんよ!?」
え、このおじいさん一体何言ってるの?
国の危機?
そもそもここはどこ?
私は私だよね?
しかし、神官長はやんわりとわたしの言葉を打ち消した。
「いえ、マヤ様には潜在的に強い魔力が見受けられますし、召喚能力をお持ちです。それに既に妖精の加護を得ております」
「私に魔力と召喚能力?妖精って?」
「ここだよー!」
私の左肩のあたりに金色に輝く小さな存在に気付いた。
緑の髪に、赤い瞳。ガラスの様な透明な羽根で燐光をまき散らしながら辺りを飛び回っている。
「僕は妖精パック! これから君を導いてあげるからね。頼りにしてくれていいよ」
「何これ? 綺麗だけど本物の妖精? ねぇ、どうしたら元の世界に戻れるの?」
「この世界の神官たちが『王国の危機を救う』って決めたからそれまでかな」
「嘘でしょ!?」
王国の危機を救わないとこの夢は覚めないの?
本当にこれって夢だよね?
夢であってほしい。
驚く私を後目に神官たちが小声で話し合っている。
「妖精と語らっていらっしゃる!」
「間違いない、本物だ!」
こ れは夢かもしれないが、一応現状を把握しておこうと思った。
黒いスーツは濡れている上に、泥で汚れていたが怪我はどこにもなかった。
そのリアルな感触に、逆に夢じゃなかったらどうしようと私はどんどん不安になって来た。
「あの、この国の危機って……一体ここはどこなんですか?」
「おお、説明が遅れました。ここは聖フローレンス王国王城の召喚の間。予言により四度の春、この国に恐ろしい危機が訪れることがわかりました。そのためにはるばる異世界より、マヤ・クラキ様を召喚されたのです」
「え、私、何もできないんですけど!?」
一般人である私に国家の危機を救えと言われても、どうしようもない。
あまりに唐突な展開に私の頭はついていけなくなってきた。
「マヤ・クラキ様はお若くいらっしゃいますので、ウィロウ王立魔法学園にご入学されてはいかがでしょうか? 魔法だけでなく、武術、剣術、学問様々なことを学ばれるのが良いのではないかと」
「私もう学生って言う歳じゃないんですけど」
そこで鏡を渡された。
三十半ばだった私が覗き込むと、そこには……二十年前の十五歳の私が映っていた。
私は私ですらなかった!
「嘘でしょ!?」
「ウィロウ王立魔法学園に行こうよ。ボクもそこに運命の導きがあると思うよ、マヤ!」
こうして、私はこのウィロウ王立魔法学園へと入学することになったのだった。
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