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王国陰謀編
国際博覧会と恋の行方~異世界の魔女~
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私は自分に『元の世界に強制帰還させられる呪い』をかけられたこととその解除条件、そしてリアンを含め四人にも魔法がかけられていたことを説明した。
「道理で最近妙な頭痛に悩まされたり、マヤ君に関して思い出そうとすると意識が遠のいたりしていた訳だ」
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
私が深々とお辞儀をするとリアンが肩に手を当てて頭を上げさせた。
「君が謝ることじゃないよ。それで私たちの様子が変わったのはあのニューイヤーパーティー以降の話なんだね」
「そうです。翌日リアン先輩にお会いした時にはもう……」
「オーベロンが言うには異世界の魔法で、しかも魔法をかけるには接触する必要があるんだね」
「そうみたいですね。実は言いにくいんですけれど偶然、エヴァンの着替えを覗いてしまったことがあって、彼の右肩に紫色の蝶の刺青がありました。それが相手の魔法使いのシンボルだってオーベロンが言っていました。デヴィンには鎖骨の下、リアン先輩は後ろの首の元にありました。二人に関してはどうやら魔法が解けたようで、何かが飛び立っていく気配がした後その刺青は消えていました」
私の説明を聞くとリアンは頷いた。その瞳には理性が灯り、現状を論理的に組み立てていく。
「そうだね。もう昼間の様な頭にもやがかかったような感覚もないし、君に対する理由のわからない嫌悪感というか苛立ちもない……話を戻そう。魔法がかけられたのがあの舞踏会だったとしたら心当たりがある」
「心当たり?」
「私はあまりダンスを好まないので、最低限の相手としか踊っていない。だから、踊った相手も覚えている……犯人はレイラ・ジラールだ」
レイラの名前を聞いて私は驚いた。その可能性は私も考えたが、しかし彼女には……
「レイラ嬢が?でも、オーベロンが彼女からは魔力の気配がしないって……」
「いや、ほぼ間違いないだろう。私は彼女がその後エヴァン君と踊っていたのも覚えている。彼はほとんどダンスをすることは無いから珍しいと思って見ていたんだ。それにあの薔薇色の髪の色。西大陸では生まれることがない髪色だ。異世界の人間だと考えて間違いないだろう」
私も確かにタイミングが良すぎたので、レイラを疑った。しかし、少し話しただけだが彼女は純粋で愛らしく、とてもこんな呪いをかけるような人間には見えなかった。
「マヤ君、君は昔から思っていたことだが甘過ぎる。イーサン元先生の件もあっただろう」
それを指摘されると私は返事に困った。三年間ずっと間近で指導を受けていたのに、イーサンの目論見を最後まで見抜けなかった。
「ただレイラ・ジラールが異世界の魔女だったとしてどんな条件で誰と契約したかわからない。召喚したのは君の推理通りイーサン元先生だろうね」
そう言って私の手をリアンが握りしめた。
その手は少しひんやりとしていて夏の夜に心地よかった。
「マヤ君、君には辛い思いをさせたね。今までの無礼の数々を許してほしい」
「そんな……むしろ私のせいでリアン先輩を巻き込んでごめんなさい」
二人が話し込んでいる間に夜が明けてきた。リアンの心を取り戻したことで、私の心も明るくなっていた。
「あの舞踏会で『次は一晩中離さない』って言ったけど本当になってしまったね」
「本当に。でも私にとって忘れられない夜になりました」
「私もだよ。もう二度と君のことを忘れたりしないから」
二人は手を繋いで植物園を出た。
ほぼ徹夜をした二人はひとまず帰宅し、仮眠をとることにした。
「マヤ様! お帰りにならなくて心配しましたよ。どちらにいらっしゃったのです?」
「国際博覧会の会場に誤って閉じ込められてしまって……悪いけれど、少し寝かせてもらうわ。お昼になったら起こしてもらえる?」
「かしこまりました……って閉じ込められたって大丈夫ですか?」
慌てるエミリーに荷物を預けるとマヤはドレスを脱ぎ、ベッドに横たわった。
束の間の休息であった。
少し遅めの昼食を食べている時、手紙が届いた。
「どなたから? エミリー」
「デヴィン様からですよ」
私は受け取ると召喚用のナイフを取り出して封を開けた。
「例のレストランに十八時に……そうだわ。デヴィンに結果を報告しなきゃ。リアン先輩にも来てもらわないと」
私は急いで昼食を食べるとデヴィンとリアンに手紙を書いた。
それから王城に向かい、猛烈な勢いで今日の分の雑務を終わらせた。王宮の中を走り回っていると、レイラが薔薇の手入れをしている姿を見かけた。
ピンク色の髪を結いあげた彼女が花の中にいるとそれだけで別世界の様だった。
私の視線に気付いたのか、レイラが微笑んで手を振って来た。
それは柔らかく、優しい自然な仕草だった。
私も手を振り返したが、上手く微笑むことができたか自信が無かった。
「道理で最近妙な頭痛に悩まされたり、マヤ君に関して思い出そうとすると意識が遠のいたりしていた訳だ」
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
私が深々とお辞儀をするとリアンが肩に手を当てて頭を上げさせた。
「君が謝ることじゃないよ。それで私たちの様子が変わったのはあのニューイヤーパーティー以降の話なんだね」
「そうです。翌日リアン先輩にお会いした時にはもう……」
「オーベロンが言うには異世界の魔法で、しかも魔法をかけるには接触する必要があるんだね」
「そうみたいですね。実は言いにくいんですけれど偶然、エヴァンの着替えを覗いてしまったことがあって、彼の右肩に紫色の蝶の刺青がありました。それが相手の魔法使いのシンボルだってオーベロンが言っていました。デヴィンには鎖骨の下、リアン先輩は後ろの首の元にありました。二人に関してはどうやら魔法が解けたようで、何かが飛び立っていく気配がした後その刺青は消えていました」
私の説明を聞くとリアンは頷いた。その瞳には理性が灯り、現状を論理的に組み立てていく。
「そうだね。もう昼間の様な頭にもやがかかったような感覚もないし、君に対する理由のわからない嫌悪感というか苛立ちもない……話を戻そう。魔法がかけられたのがあの舞踏会だったとしたら心当たりがある」
「心当たり?」
「私はあまりダンスを好まないので、最低限の相手としか踊っていない。だから、踊った相手も覚えている……犯人はレイラ・ジラールだ」
レイラの名前を聞いて私は驚いた。その可能性は私も考えたが、しかし彼女には……
「レイラ嬢が?でも、オーベロンが彼女からは魔力の気配がしないって……」
「いや、ほぼ間違いないだろう。私は彼女がその後エヴァン君と踊っていたのも覚えている。彼はほとんどダンスをすることは無いから珍しいと思って見ていたんだ。それにあの薔薇色の髪の色。西大陸では生まれることがない髪色だ。異世界の人間だと考えて間違いないだろう」
私も確かにタイミングが良すぎたので、レイラを疑った。しかし、少し話しただけだが彼女は純粋で愛らしく、とてもこんな呪いをかけるような人間には見えなかった。
「マヤ君、君は昔から思っていたことだが甘過ぎる。イーサン元先生の件もあっただろう」
それを指摘されると私は返事に困った。三年間ずっと間近で指導を受けていたのに、イーサンの目論見を最後まで見抜けなかった。
「ただレイラ・ジラールが異世界の魔女だったとしてどんな条件で誰と契約したかわからない。召喚したのは君の推理通りイーサン元先生だろうね」
そう言って私の手をリアンが握りしめた。
その手は少しひんやりとしていて夏の夜に心地よかった。
「マヤ君、君には辛い思いをさせたね。今までの無礼の数々を許してほしい」
「そんな……むしろ私のせいでリアン先輩を巻き込んでごめんなさい」
二人が話し込んでいる間に夜が明けてきた。リアンの心を取り戻したことで、私の心も明るくなっていた。
「あの舞踏会で『次は一晩中離さない』って言ったけど本当になってしまったね」
「本当に。でも私にとって忘れられない夜になりました」
「私もだよ。もう二度と君のことを忘れたりしないから」
二人は手を繋いで植物園を出た。
ほぼ徹夜をした二人はひとまず帰宅し、仮眠をとることにした。
「マヤ様! お帰りにならなくて心配しましたよ。どちらにいらっしゃったのです?」
「国際博覧会の会場に誤って閉じ込められてしまって……悪いけれど、少し寝かせてもらうわ。お昼になったら起こしてもらえる?」
「かしこまりました……って閉じ込められたって大丈夫ですか?」
慌てるエミリーに荷物を預けるとマヤはドレスを脱ぎ、ベッドに横たわった。
束の間の休息であった。
少し遅めの昼食を食べている時、手紙が届いた。
「どなたから? エミリー」
「デヴィン様からですよ」
私は受け取ると召喚用のナイフを取り出して封を開けた。
「例のレストランに十八時に……そうだわ。デヴィンに結果を報告しなきゃ。リアン先輩にも来てもらわないと」
私は急いで昼食を食べるとデヴィンとリアンに手紙を書いた。
それから王城に向かい、猛烈な勢いで今日の分の雑務を終わらせた。王宮の中を走り回っていると、レイラが薔薇の手入れをしている姿を見かけた。
ピンク色の髪を結いあげた彼女が花の中にいるとそれだけで別世界の様だった。
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