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大陸放浪編
美しい島国~制圧~
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三人で沿岸部にやってくると警備隊であるイスラ騎士団が既に隊列を組んでいた。デヴィンが騎士団の一人から弓を奪った。
「すみません、これお借りします」
「え!?」
「あ、あとこれちょっと預かっていてください」
私が荷物を押し付けると、ルークも薄汚れた荷袋を警備兵に投げた。
「これも頼むぜ。あと、一番偉いやつはどいつだ?」
「団長だったら前線で指揮をとっておられるが……何者だ、貴様は?!」
「はっはっは、後でわかるさ。荷物しっかり守れよ!」
ルークが笑いながら、前線へと駆け抜けていった。海岸線には三隻の黒い帆船が近づいてきていた。
「おお、三隻も来てやがる。こりゃ、そこそこやる気だな」
「これは海賊船に見せてますが、おそらくは南側にあるアルガード首長国の私掠船でしょう」
「なるほどな。まぁ、今の西大陸の情勢を考えれば当然か。さてと、どこから攻めようか」
ルークが軽い調子で三隻の船を眺めた後、ぴたりと真ん中の一際大きな船に狙いを定めた。
「でけぇ船には大体偉い奴が乗ってるってのが道理ってもんだ。乗り込む」
「え?!一人で?いくら何でもそれは……しょうがない。私も行ってくる。デヴィン、援護をお願い」
既に走り出しているルークを私は追いかけると、デヴィンが後ろから動揺する声が聞こえた。
「ちょっと、マヤさん。危険ですよ!ああ、もう、あの人、昔から向こう見ずなんだから!」
デヴィンも混戦状態になった海岸線へと駈けだした。ルークは海賊と騎士団との闘いを軽くいなしながら、船に近づいた。それから数メートル助走をして飛び上がると、その身体はまるで羽根が生えたように軽々と浮かび上がり、船に乗りこんでしまった。それを見ていた私は思わず目を見張った。しかし、もっと驚いていたのは船に乗っていた海賊たちだった。
「お、お前、どうやって乗って来たんだ?!」
「ちょっと、跳んできた。それより、どいつが首領だ。おれは忙しいんだ。さっさと捕まってもらおうか」
私は必死にルークを追ったが、この乱戦の中船まで到達するのは至難の業だった。仕方ないと私は召喚用の魔法陣を取り出した。ここにはいざとなったら逃げられるように、飛行用の魔獣の名が記載されていた。
(ルークが信用できなかったら使おうと思ってたけど、仕方ない)
「何処より参ぜよ、来訪者。我が血を代償に我が呼び声に応えたまえ。我が名はマヤ・クラキ。いざ現れん」
現れたのは金色の体毛をもつ獅子型の魔獣で背中には飛膜に覆われた翼がついている。
「ルネスタ。あそこまで行きたいの。連れて行って」
「待ってください、マヤさん。僕も行きます!」
追いかけてきたデヴィンが私を引き留めた。私とデヴィンはルネスタに飛び乗ると一直線に船に向かった。上空から船を見ると、ルークは海賊たちに囲まれていた。デヴィンが上空から弓で海賊を射る。しかし、その剣裁きは見事で全く苦戦している様子は無かった。だからと言って放置するわけにもいかない。
「降りるよ、デヴィン」
「はい、マヤさん」
二人はルネスタから飛び降りて乗船した。海賊たちは再び混乱した。
「な、なんだ、お前ら!?」
「貴方達の敵です」
そう言って私はメイスを振るった。こめかみ、額、顎、鳩尾、金的と私は容赦なく急所にメイスを叩きこんでいった。しかし、致命傷になるような怪我をさせないように細心の注意を払っている。デヴィンも弓を用いつつ、接近戦になると持っていたナイフで鮮やかな戦いぶりを見せた。
「あんたら、何で来たんだよ。おれ一人で十分だったのに」
そう言いながらルークは海賊を二人船から叩き落した。
「放っておけませんよ」
「ふーん、まあ、いいや。おい、それより首領をいい加減出せよ・・・・・・でないと、わかるな?」
ルークに首根っこを掴まれた海賊がひぃっと声を上げ、ちらりと首領に視線を向けた。
「ほぉ、あんたが首領か。このくだらん戦いも終わりにしようや」
手に持っていた海賊を放り投げ、ルークは一目散に首領に駆け寄った。すると、その前に身長二メートルは越す大男がルークの前に立ちはだかった。身体の幅はルークの二倍はある。男は戦斧を振り上げ、ルークはバックステップでそれを交わした。
「ひゅー。結構出来そうなやつもいるじゃん。でも所詮、賊は賊だな」
まるでダンスでもするように大男の戦斧を避けていく。そしてとうとう舳先まで追い詰められた。
「ルークさん!」
「心配すんなって。おれはルーク様なんだからよ!」
大男が最後の一撃とばかりに大きく振りかぶった瞬間するりと脇を抜けた。それからまるで野球のバッティングでもするかのように剣の峰で思いっきり大男の背中を殴りつけた。戦斧を振り下ろそうとして空ぶったところに背中に大きな衝撃を受けて、大男は海へと転落していった。それから、おもむろに首領の前に行くと剣の柄で鳩尾を一突きし腹を抱えた首領に左手で延髄に手刀を食らわせた。首領が昏倒するとルークは足蹴にしながら、叫んだ。
「お前らの首領はこのルークが討ち取った。大人しく投降しろ。さもなくばおれが相手だ。命を捨てる覚悟がある奴からかかってこい!」
周囲の海賊たちがざわめきだす。
「おい、ルークって青嵐の騎士のルークか?!」
「噂通りの青髪青目だぞ……」
「首領が人質に取られちまったけど、どうする?」
「馬鹿、青嵐の騎士とじゃ相手になるはずないだろうが」
戦意を失った海賊たちは次々と武器を放った。それからルークは手近なロープで首領を捕縛し、舳先に立って更に声を張り上げた。
「全員、聞け! おれの名はルーク! たった今この船団の首領を捕え、この船は既に鎮圧した。賊は全員武装を解除し、投降しろ。不服がある奴と腕に覚えがある奴はおれの元に来い。叩きのめしてやる」
その声は潮風に乗って不思議なことに島中に届いた。
(これは高度な風魔法だ)
自分の喉に魔法をかけて、声を増幅させた。一見単純そうだが、規模があまりに広い。この口上を聞いた騎士団の士気は一気に燃え上がり、海賊たちを圧倒した。決着は夕刻にはついた。
「すみません、これお借りします」
「え!?」
「あ、あとこれちょっと預かっていてください」
私が荷物を押し付けると、ルークも薄汚れた荷袋を警備兵に投げた。
「これも頼むぜ。あと、一番偉いやつはどいつだ?」
「団長だったら前線で指揮をとっておられるが……何者だ、貴様は?!」
「はっはっは、後でわかるさ。荷物しっかり守れよ!」
ルークが笑いながら、前線へと駆け抜けていった。海岸線には三隻の黒い帆船が近づいてきていた。
「おお、三隻も来てやがる。こりゃ、そこそこやる気だな」
「これは海賊船に見せてますが、おそらくは南側にあるアルガード首長国の私掠船でしょう」
「なるほどな。まぁ、今の西大陸の情勢を考えれば当然か。さてと、どこから攻めようか」
ルークが軽い調子で三隻の船を眺めた後、ぴたりと真ん中の一際大きな船に狙いを定めた。
「でけぇ船には大体偉い奴が乗ってるってのが道理ってもんだ。乗り込む」
「え?!一人で?いくら何でもそれは……しょうがない。私も行ってくる。デヴィン、援護をお願い」
既に走り出しているルークを私は追いかけると、デヴィンが後ろから動揺する声が聞こえた。
「ちょっと、マヤさん。危険ですよ!ああ、もう、あの人、昔から向こう見ずなんだから!」
デヴィンも混戦状態になった海岸線へと駈けだした。ルークは海賊と騎士団との闘いを軽くいなしながら、船に近づいた。それから数メートル助走をして飛び上がると、その身体はまるで羽根が生えたように軽々と浮かび上がり、船に乗りこんでしまった。それを見ていた私は思わず目を見張った。しかし、もっと驚いていたのは船に乗っていた海賊たちだった。
「お、お前、どうやって乗って来たんだ?!」
「ちょっと、跳んできた。それより、どいつが首領だ。おれは忙しいんだ。さっさと捕まってもらおうか」
私は必死にルークを追ったが、この乱戦の中船まで到達するのは至難の業だった。仕方ないと私は召喚用の魔法陣を取り出した。ここにはいざとなったら逃げられるように、飛行用の魔獣の名が記載されていた。
(ルークが信用できなかったら使おうと思ってたけど、仕方ない)
「何処より参ぜよ、来訪者。我が血を代償に我が呼び声に応えたまえ。我が名はマヤ・クラキ。いざ現れん」
現れたのは金色の体毛をもつ獅子型の魔獣で背中には飛膜に覆われた翼がついている。
「ルネスタ。あそこまで行きたいの。連れて行って」
「待ってください、マヤさん。僕も行きます!」
追いかけてきたデヴィンが私を引き留めた。私とデヴィンはルネスタに飛び乗ると一直線に船に向かった。上空から船を見ると、ルークは海賊たちに囲まれていた。デヴィンが上空から弓で海賊を射る。しかし、その剣裁きは見事で全く苦戦している様子は無かった。だからと言って放置するわけにもいかない。
「降りるよ、デヴィン」
「はい、マヤさん」
二人はルネスタから飛び降りて乗船した。海賊たちは再び混乱した。
「な、なんだ、お前ら!?」
「貴方達の敵です」
そう言って私はメイスを振るった。こめかみ、額、顎、鳩尾、金的と私は容赦なく急所にメイスを叩きこんでいった。しかし、致命傷になるような怪我をさせないように細心の注意を払っている。デヴィンも弓を用いつつ、接近戦になると持っていたナイフで鮮やかな戦いぶりを見せた。
「あんたら、何で来たんだよ。おれ一人で十分だったのに」
そう言いながらルークは海賊を二人船から叩き落した。
「放っておけませんよ」
「ふーん、まあ、いいや。おい、それより首領をいい加減出せよ・・・・・・でないと、わかるな?」
ルークに首根っこを掴まれた海賊がひぃっと声を上げ、ちらりと首領に視線を向けた。
「ほぉ、あんたが首領か。このくだらん戦いも終わりにしようや」
手に持っていた海賊を放り投げ、ルークは一目散に首領に駆け寄った。すると、その前に身長二メートルは越す大男がルークの前に立ちはだかった。身体の幅はルークの二倍はある。男は戦斧を振り上げ、ルークはバックステップでそれを交わした。
「ひゅー。結構出来そうなやつもいるじゃん。でも所詮、賊は賊だな」
まるでダンスでもするように大男の戦斧を避けていく。そしてとうとう舳先まで追い詰められた。
「ルークさん!」
「心配すんなって。おれはルーク様なんだからよ!」
大男が最後の一撃とばかりに大きく振りかぶった瞬間するりと脇を抜けた。それからまるで野球のバッティングでもするかのように剣の峰で思いっきり大男の背中を殴りつけた。戦斧を振り下ろそうとして空ぶったところに背中に大きな衝撃を受けて、大男は海へと転落していった。それから、おもむろに首領の前に行くと剣の柄で鳩尾を一突きし腹を抱えた首領に左手で延髄に手刀を食らわせた。首領が昏倒するとルークは足蹴にしながら、叫んだ。
「お前らの首領はこのルークが討ち取った。大人しく投降しろ。さもなくばおれが相手だ。命を捨てる覚悟がある奴からかかってこい!」
周囲の海賊たちがざわめきだす。
「おい、ルークって青嵐の騎士のルークか?!」
「噂通りの青髪青目だぞ……」
「首領が人質に取られちまったけど、どうする?」
「馬鹿、青嵐の騎士とじゃ相手になるはずないだろうが」
戦意を失った海賊たちは次々と武器を放った。それからルークは手近なロープで首領を捕縛し、舳先に立って更に声を張り上げた。
「全員、聞け! おれの名はルーク! たった今この船団の首領を捕え、この船は既に鎮圧した。賊は全員武装を解除し、投降しろ。不服がある奴と腕に覚えがある奴はおれの元に来い。叩きのめしてやる」
その声は潮風に乗って不思議なことに島中に届いた。
(これは高度な風魔法だ)
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