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「緋色の薔薇姫」改め「血塗れのいばら姫」
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ローズ・ウィルソンという少女がおりました。
紅色の艶やかな髪、エメラルドグリーンの宝石の様な瞳、スグリの実のごとく瑞々しく赤い唇。その美貌はエイブリー帝国の『緋色の薔薇姫』と呼ばれていました。
ローズはウィルソン侯爵家の娘で、頭脳明晰に加えて武術にも魔術にも長けた素晴らしい才能の持ち主でした。
しかし、欠点がただ一つ。
それは致命的に性格が悪かったのです。
傲慢で、我がままで、嘘つきで、高飛車で、狡猾でした。
他人に辛辣で、悪辣な企みを考えている時が一番溌剌としていました。
魔術上級学校では気に入らない生徒あるいは教師をその知略と執念で陥れ、片っ端から追放しました。そのような勝手な行動を取ろうとも、校長から教師までローズに弱みを握られて何も言うことができません。
その上、ローズはエイブリー帝国の第三王子の婚約者でした。
本来ならば止めることができる人間もいたのですが、その人物もローズがやりたい放題していることを傍観していました。
ローズは幼馴染の従者を引き連れて、まさに女王様のように振舞っていました。
そのため、ローズは決して触れてはいけない『血塗れのいばら姫』と陰で囁かれていました。
そんなローズはずっと不満に思っていました。
ジェラルド・ベルナール王子と婚約させられたものの、王室に輿入れして王宮の奥で暮らすのなんて退屈極まりないに違いありません。
ローズは自分自身の悪評もきっちり調べ上げてあり、(ついでに言った人間も把握しており)、それを理由に王子との婚約を破談させようと計画しました。
「ちょっといいかしら?あなたを見込んで頼みたいことがあるの」
自分にやたらくっついてくる可憐な女子生徒にいかに自分が悪逆非道な人間かを王子も参加する冬の舞踏会で告発するように言いつけました。
もし言う通りにしなければ学園から追放するとしっかり脅しました。
「わかりましたわ、ローズ様」
女子生徒は微笑んで頷きました。
そして、いよいよやってきた冬の舞踏会で女子生徒は王子の前に進み出ると、紙を読み上げました。
「ローズ・ウィルソン様は大変美しく、才能に溢れた方ですが、今まで様々な悪行に手を染めてきました。一方的に同級生をいたぶる男子学生のマザコンぶりを学園中に広めて立場を失わせたり、女子生徒に卑猥な言葉を言っては楽しむ変態教師の声を学校の放送室を占拠して生放送したり、成績の悪い生徒の両親から無理矢理金をせびって高級車に乗っていた教師の車に学校から着服した金額の総額を落書きしたりしました。ここにローズ・ウィルソン様を告発いたします」
実に白々しく見事な棒読みで紙を読み上げると、女子生徒はさっさと人混みの中に戻っていきました。
会場がざわつく中、王子は笑って言いました。
「ローズ、君は君の好きにしていいんだよ。ただ、気が済んだら僕の元に戻っておいでね。あとその美しい顔に傷を付けてはいけないよ」
ジェラルド王子は大変な面食いで、ローズの美貌をそれはそれは深く愛しておりました。
ローズは、まさか自分の計画が破綻するとは思っていませんでしたので、大変ショックを受けました。
これはローズにとってとても珍しい失敗でした。
紅色の艶やかな髪、エメラルドグリーンの宝石の様な瞳、スグリの実のごとく瑞々しく赤い唇。その美貌はエイブリー帝国の『緋色の薔薇姫』と呼ばれていました。
ローズはウィルソン侯爵家の娘で、頭脳明晰に加えて武術にも魔術にも長けた素晴らしい才能の持ち主でした。
しかし、欠点がただ一つ。
それは致命的に性格が悪かったのです。
傲慢で、我がままで、嘘つきで、高飛車で、狡猾でした。
他人に辛辣で、悪辣な企みを考えている時が一番溌剌としていました。
魔術上級学校では気に入らない生徒あるいは教師をその知略と執念で陥れ、片っ端から追放しました。そのような勝手な行動を取ろうとも、校長から教師までローズに弱みを握られて何も言うことができません。
その上、ローズはエイブリー帝国の第三王子の婚約者でした。
本来ならば止めることができる人間もいたのですが、その人物もローズがやりたい放題していることを傍観していました。
ローズは幼馴染の従者を引き連れて、まさに女王様のように振舞っていました。
そのため、ローズは決して触れてはいけない『血塗れのいばら姫』と陰で囁かれていました。
そんなローズはずっと不満に思っていました。
ジェラルド・ベルナール王子と婚約させられたものの、王室に輿入れして王宮の奥で暮らすのなんて退屈極まりないに違いありません。
ローズは自分自身の悪評もきっちり調べ上げてあり、(ついでに言った人間も把握しており)、それを理由に王子との婚約を破談させようと計画しました。
「ちょっといいかしら?あなたを見込んで頼みたいことがあるの」
自分にやたらくっついてくる可憐な女子生徒にいかに自分が悪逆非道な人間かを王子も参加する冬の舞踏会で告発するように言いつけました。
もし言う通りにしなければ学園から追放するとしっかり脅しました。
「わかりましたわ、ローズ様」
女子生徒は微笑んで頷きました。
そして、いよいよやってきた冬の舞踏会で女子生徒は王子の前に進み出ると、紙を読み上げました。
「ローズ・ウィルソン様は大変美しく、才能に溢れた方ですが、今まで様々な悪行に手を染めてきました。一方的に同級生をいたぶる男子学生のマザコンぶりを学園中に広めて立場を失わせたり、女子生徒に卑猥な言葉を言っては楽しむ変態教師の声を学校の放送室を占拠して生放送したり、成績の悪い生徒の両親から無理矢理金をせびって高級車に乗っていた教師の車に学校から着服した金額の総額を落書きしたりしました。ここにローズ・ウィルソン様を告発いたします」
実に白々しく見事な棒読みで紙を読み上げると、女子生徒はさっさと人混みの中に戻っていきました。
会場がざわつく中、王子は笑って言いました。
「ローズ、君は君の好きにしていいんだよ。ただ、気が済んだら僕の元に戻っておいでね。あとその美しい顔に傷を付けてはいけないよ」
ジェラルド王子は大変な面食いで、ローズの美貌をそれはそれは深く愛しておりました。
ローズは、まさか自分の計画が破綻するとは思っていませんでしたので、大変ショックを受けました。
これはローズにとってとても珍しい失敗でした。
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