九十九神の世界線

時雨悟はち

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記憶迴

本気

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2日後…。

「礼人、あれ」

刀華さんが指を指す方向には、自分たちより2~3歳年下の男の子がいた。

「あ」

怪夢だ。
いつか、僕の前に現れた怪夢がいた。

「行くよ」

と、返事も待たずに手を引かれた。

「えっ、ちょ!」
「?」

怪夢がこちらをむく。隣に、巨大な裏神をつれながら。
裏神…滅亡…。

「刀華さん、行くよ」

返事を待たずに覇眼を発動させ、刀華さんを宿す。
覇眼の力で、刀華さんの力を最大限に引き出せる。その影響で袴がでてくる。右目は赤に、左目は金に光る。

「結界・滅亡空間」

当たりには黒い術力が広がっていく。そして、荒れ果てたビル群が広がる。

「僕は容赦しない。君を全力で殺す」

いつもの僕ならあり得ない言葉。でも、それがしっくりくるような気がした。

「礼人…」

心の底でそう聞こえたけど、それを無視した。


礼人…。
運命をともにする礼人の九十九神として、これは由々しき事態だった。

「まさか…こんな事になるとは…」

妙な胸騒ぎがして、礼人をよんでみた。当然、聞こえない。

「きっと、このままじゃ礼人は…」

胸騒ぎは止まることを知らなかった。


圧勝だった。
ヘドロのような物を吐き出すも、すべて避け、あっという間に懐に飛び込み、核をズタズタに切り裂く。気づいたときには、裏神の姿はなかった。

「君は…僕をどれだけ怒らすんだい?」

声色は、中々にイライラしていた。

「どうやら、本当に消さなきゃ行けないみたいだね」

そう言うと、術力を最大限高めてきた。

「来るよ…」


その日、全世界で大規模な脳波の改変が起こった。それが小さな子供と高校生のせいだと誰も知るよしがなかった。
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