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共通話2
東雲家緊急家族会議!
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東雲家の居間では緊急家族会議が開かれていた。
というのも、連れ帰った雪野をどうするかという話しで、…つまり目下誰の嫁にするかで揉めていた。
「普通に考えて、東雲家の当主が嫁に貰うのが打倒なのだろうけど…誰でも良いという事なら、私も参戦して良いかな?」
「なんでお前が入ってくるんだよ」
「おや可也斗、不服そうだね。今のご時世、中々ただで嫁に来る女性はいないのだよ?」
「そんなことは分かってる。いたなら貴理也以外、俺たちに嫁がいるだろうよ」
「兄上…その、兄上達は分かるのですが、何ゆえ私まで参加しているのでしょう?」
バチバチと火花を飛ばす中、貴理也が居心地悪そうに錦に訪ねた。
「恭之助も言っていただろう?お前が成人してから探しても、来てくれる女がいるとは限らないだろう。居たら、今頃私や可也斗には子が二、三人居ただろうよ?」
「それは分かりますが…」
兄達を差し置いて自分が嫁を貰うのは納得いくはずもなく、増して貴理也は雪野が苦手だった。
「乗り気じゃないのなら貴理也は参加しなくていい。好敵手は少ない方が良いからね」
「勝手にお前が決めるな!」
「はぁ、まさかこうなるとは思わなかった。取り合えずここにいる皆、雪野殿を嫁にするのは賛成ということでいいな?」
錦がそう言うと、全員が真面目な顔で頷いた。
「でしたら兄上、雪野殿に決めて貰うのが一番なのでは?」
どうせこのまま話していても埒が明かない。
「確かに、こんな侘しい家に嫁に来るんだ、雪野殿に決めて貰うのが一番か…」
「まあ、全員が振られてここを出ていく可能性もあるわけですがね?」
「それはそれで構わないだろう」
「それは良いのですが…兄上、その雪野殿の身元は確かなのでしょうか?いくら嫁を貰うことが出来ないとはいえ、東雲家の嫁となるのです。人となりにしっかりした人物でないと、後々面倒な事になりませんか?」
東雲家はこう見えて家柄はとても高い位にある。
どういうわけか、落ちぶれてはいるが平静の世なら食べるのに困ったりはしていないはずだ。
今は良いが、後に雪野の存在が仇となることもあるだろう。
「それなのだけれどね。雪野殿はそれなりの家に産まれているのではないかと思うよ?話す言葉は少ないが、言動や振る舞いそれに…皆も知っているだろう?男に大して頓着していないというか、無防備過ぎるというか」
その場に居た全員が「ああ…」と何とも言えない表情で雪野の姿を思い出していた。
「後、異様に人の感情を読んでしまうみたいだな」
「冷たい目、ですか?」
「他の誰にも気付かれた…というか言われた事がないのだけど。知らず知らずそういう目をしていたのだろう」
「我々に敵は多いからねぇ」
「それはお前だけだろ…こっちはいいとばっちりだ」
「それでも見捨てないところが、お前達を好いているのだけれどねぇ」
「気色悪いこと言うな!!」
「まあ、話が反れたが雪野殿が祖父殿を爺様と呼んでいる事、周りの女達が身を底にして守り育てたであろう事、雪野殿が世の中の事に疎いのも教えられていないからだろう。」
「普通は嫌でも知るんだけどな」
「後、迷子。外に出たことがないような女性なら、迷子になっても仕方がないかな?」
「今どきそういう姫がいるとは…」
「まあ、身分はともかく大事にされていた事は確かだろうね」
「という事で貴理也が心配するような事にはならないだろう。だがまあ、雪野殿の家は調べておくよ。あの調子じゃ雪野殿がいなくなって大騒ぎになっているんじゃないかな?」
それには皆納得して、今日はもうお開きということとなった。
「ところで、彼女は料理できると思うかい?」
去り際に恭之助がポツリと言った。
「………」
(出来ると思えない…)
四人は全く同じ事を心に思うのであった…。
翌日、私がこれを聞いて絶句するのは数刻後の話。
というのも、連れ帰った雪野をどうするかという話しで、…つまり目下誰の嫁にするかで揉めていた。
「普通に考えて、東雲家の当主が嫁に貰うのが打倒なのだろうけど…誰でも良いという事なら、私も参戦して良いかな?」
「なんでお前が入ってくるんだよ」
「おや可也斗、不服そうだね。今のご時世、中々ただで嫁に来る女性はいないのだよ?」
「そんなことは分かってる。いたなら貴理也以外、俺たちに嫁がいるだろうよ」
「兄上…その、兄上達は分かるのですが、何ゆえ私まで参加しているのでしょう?」
バチバチと火花を飛ばす中、貴理也が居心地悪そうに錦に訪ねた。
「恭之助も言っていただろう?お前が成人してから探しても、来てくれる女がいるとは限らないだろう。居たら、今頃私や可也斗には子が二、三人居ただろうよ?」
「それは分かりますが…」
兄達を差し置いて自分が嫁を貰うのは納得いくはずもなく、増して貴理也は雪野が苦手だった。
「乗り気じゃないのなら貴理也は参加しなくていい。好敵手は少ない方が良いからね」
「勝手にお前が決めるな!」
「はぁ、まさかこうなるとは思わなかった。取り合えずここにいる皆、雪野殿を嫁にするのは賛成ということでいいな?」
錦がそう言うと、全員が真面目な顔で頷いた。
「でしたら兄上、雪野殿に決めて貰うのが一番なのでは?」
どうせこのまま話していても埒が明かない。
「確かに、こんな侘しい家に嫁に来るんだ、雪野殿に決めて貰うのが一番か…」
「まあ、全員が振られてここを出ていく可能性もあるわけですがね?」
「それはそれで構わないだろう」
「それは良いのですが…兄上、その雪野殿の身元は確かなのでしょうか?いくら嫁を貰うことが出来ないとはいえ、東雲家の嫁となるのです。人となりにしっかりした人物でないと、後々面倒な事になりませんか?」
東雲家はこう見えて家柄はとても高い位にある。
どういうわけか、落ちぶれてはいるが平静の世なら食べるのに困ったりはしていないはずだ。
今は良いが、後に雪野の存在が仇となることもあるだろう。
「それなのだけれどね。雪野殿はそれなりの家に産まれているのではないかと思うよ?話す言葉は少ないが、言動や振る舞いそれに…皆も知っているだろう?男に大して頓着していないというか、無防備過ぎるというか」
その場に居た全員が「ああ…」と何とも言えない表情で雪野の姿を思い出していた。
「後、異様に人の感情を読んでしまうみたいだな」
「冷たい目、ですか?」
「他の誰にも気付かれた…というか言われた事がないのだけど。知らず知らずそういう目をしていたのだろう」
「我々に敵は多いからねぇ」
「それはお前だけだろ…こっちはいいとばっちりだ」
「それでも見捨てないところが、お前達を好いているのだけれどねぇ」
「気色悪いこと言うな!!」
「まあ、話が反れたが雪野殿が祖父殿を爺様と呼んでいる事、周りの女達が身を底にして守り育てたであろう事、雪野殿が世の中の事に疎いのも教えられていないからだろう。」
「普通は嫌でも知るんだけどな」
「後、迷子。外に出たことがないような女性なら、迷子になっても仕方がないかな?」
「今どきそういう姫がいるとは…」
「まあ、身分はともかく大事にされていた事は確かだろうね」
「という事で貴理也が心配するような事にはならないだろう。だがまあ、雪野殿の家は調べておくよ。あの調子じゃ雪野殿がいなくなって大騒ぎになっているんじゃないかな?」
それには皆納得して、今日はもうお開きということとなった。
「ところで、彼女は料理できると思うかい?」
去り際に恭之助がポツリと言った。
「………」
(出来ると思えない…)
四人は全く同じ事を心に思うのであった…。
翌日、私がこれを聞いて絶句するのは数刻後の話。
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