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第7話 初仕事だね
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「あー、美味しかった! それじゃあ、お仕事に行ってくるね!」
食事を済ませたアイシスは食器を返却してから、ウキウキと軽い足取りで冒険者ギルドに向かった。
美味しいご飯を食べたおかげで元気溌剌。気分は高揚。絶好調である。
やる気も満々。今ならドラゴンとだって戦える気分だった。
「さーて、初仕事だよ。良い依頼はないかなー?」
アイシスがギルドに置かれた依頼ボードから仕事を探す。
上から下まで順番に目を通していき……やがて、「うーん」と細い首をひねった。
「めぼしいものはないかな? どうしよっか?」
一通り依頼書に目を通すが……残念ながら、コレといった依頼は見当たらない。
登録したばかりのアイシスは知らなかったが……依頼書は毎朝、張り替えられる。
条件の良い依頼は午前中に持っていかれるため、昼過ぎに来ても残っていないのだ。
「ドブさらい、ペット探し、煙突の掃除……変なのしかないなあ」
アイシスが表情を曇らせる。
残っている依頼書は報酬が安い汚れ仕事ばかり。
モンスター退治の依頼もなくはないが、一人では受けられないパーティー限定のものだけだった。
「……しょうがないなあ。猫ちゃんでも探そっかな」
アイシスは比較的マシな仕事であるペット探しの依頼を受けようとする。
しかし……依頼書に手を伸ばしたとき、アイシスに声をかけてくる者がいた。
「そこの君。依頼を探しているのなら、私達のパーティーを手伝ってくれないか?」
「え?」
振り返ると、そこにいたのは背の高い女性冒険者だった。
青銀色の鎧に身を包んでおり、亜麻色の長い髪を頭の後ろで結っている。
年齢は二十代半ばほど。顔立ちは整っているが、『綺麗』『可愛い』というよりも『凛々しい』という印象を見る者に与える中性的な女性だった。
「私の名前はエベリア。冒険者パーティー『戦乙女の歌』のリーダーをしている」
「エベリアさんだね。私はアイシスだよ」
「そうか、アイシスさんというんだな。向こうにいるのが私のパーティーメンバーだ」
エベリアが後ろに視線をやる。
少し離れた場所にある丸テーブルに二人の女性が座っていた。
アイシスと目が合うと軽く頭を下げて会釈をしてくる。
「私達も受けたい依頼があるのだけど、『四人以上』という条件があって困っていたんだ。良ければ、貴女もご一緒してくれないかな?」
「あ、いいの? やるやるー!」
エベリアの提案にアイシスが笑顔で即答した。
ちょうど仕事を探していたところなので渡りに船である。断る理由がなかった。
「だけど……本当に私で良かったのかな? 私、昨日登録したばっかりの新人なんだけど?」
「いいんだよ、それほど難しい仕事ではないから。人数制限が無ければ私達三人で受けるつもりだったし……それに貴女は女性だからね」
「女の人だから? それって何か大事なことなの?」
「私達、『戦乙女の歌』は御覧の通り、女だけのパーティーなんだ。男だったら最初から誘っていないさ」
「ふーん? そうなんだね?」
アイシスはわかっていない様子だが、女性だけの冒険者パーティーはそれほど珍しくない。
冒険者にはならず者が多く、メンバーに引き入れた女性冒険者に狼藉を働く男がいるのだ。
性犯罪の被害を避けるため、男とパーティーを組むのを拒む女冒険者は多かった。
男女でパーティーを組むのは元々の知り合いか、十分な経験と信用を積んでいるベテランだけである。
「依頼の内容は北にある森にいるコボルトの討伐だ。今から行けば、夕方には戻ってこられる距離だよ。一緒に受けてくれるかな?」
「うん、もちろん。よろしくね!」
アイシスは笑顔で答えて、エベリアが差し出した手をギュッと握りしめて握手をする。
これがアイシスにとっての初仕事。
冒険者パーティー『戦乙女の歌』に同行して、コボルトという魔物を退治するために王都北方にある森に向かったのであった。
食事を済ませたアイシスは食器を返却してから、ウキウキと軽い足取りで冒険者ギルドに向かった。
美味しいご飯を食べたおかげで元気溌剌。気分は高揚。絶好調である。
やる気も満々。今ならドラゴンとだって戦える気分だった。
「さーて、初仕事だよ。良い依頼はないかなー?」
アイシスがギルドに置かれた依頼ボードから仕事を探す。
上から下まで順番に目を通していき……やがて、「うーん」と細い首をひねった。
「めぼしいものはないかな? どうしよっか?」
一通り依頼書に目を通すが……残念ながら、コレといった依頼は見当たらない。
登録したばかりのアイシスは知らなかったが……依頼書は毎朝、張り替えられる。
条件の良い依頼は午前中に持っていかれるため、昼過ぎに来ても残っていないのだ。
「ドブさらい、ペット探し、煙突の掃除……変なのしかないなあ」
アイシスが表情を曇らせる。
残っている依頼書は報酬が安い汚れ仕事ばかり。
モンスター退治の依頼もなくはないが、一人では受けられないパーティー限定のものだけだった。
「……しょうがないなあ。猫ちゃんでも探そっかな」
アイシスは比較的マシな仕事であるペット探しの依頼を受けようとする。
しかし……依頼書に手を伸ばしたとき、アイシスに声をかけてくる者がいた。
「そこの君。依頼を探しているのなら、私達のパーティーを手伝ってくれないか?」
「え?」
振り返ると、そこにいたのは背の高い女性冒険者だった。
青銀色の鎧に身を包んでおり、亜麻色の長い髪を頭の後ろで結っている。
年齢は二十代半ばほど。顔立ちは整っているが、『綺麗』『可愛い』というよりも『凛々しい』という印象を見る者に与える中性的な女性だった。
「私の名前はエベリア。冒険者パーティー『戦乙女の歌』のリーダーをしている」
「エベリアさんだね。私はアイシスだよ」
「そうか、アイシスさんというんだな。向こうにいるのが私のパーティーメンバーだ」
エベリアが後ろに視線をやる。
少し離れた場所にある丸テーブルに二人の女性が座っていた。
アイシスと目が合うと軽く頭を下げて会釈をしてくる。
「私達も受けたい依頼があるのだけど、『四人以上』という条件があって困っていたんだ。良ければ、貴女もご一緒してくれないかな?」
「あ、いいの? やるやるー!」
エベリアの提案にアイシスが笑顔で即答した。
ちょうど仕事を探していたところなので渡りに船である。断る理由がなかった。
「だけど……本当に私で良かったのかな? 私、昨日登録したばっかりの新人なんだけど?」
「いいんだよ、それほど難しい仕事ではないから。人数制限が無ければ私達三人で受けるつもりだったし……それに貴女は女性だからね」
「女の人だから? それって何か大事なことなの?」
「私達、『戦乙女の歌』は御覧の通り、女だけのパーティーなんだ。男だったら最初から誘っていないさ」
「ふーん? そうなんだね?」
アイシスはわかっていない様子だが、女性だけの冒険者パーティーはそれほど珍しくない。
冒険者にはならず者が多く、メンバーに引き入れた女性冒険者に狼藉を働く男がいるのだ。
性犯罪の被害を避けるため、男とパーティーを組むのを拒む女冒険者は多かった。
男女でパーティーを組むのは元々の知り合いか、十分な経験と信用を積んでいるベテランだけである。
「依頼の内容は北にある森にいるコボルトの討伐だ。今から行けば、夕方には戻ってこられる距離だよ。一緒に受けてくれるかな?」
「うん、もちろん。よろしくね!」
アイシスは笑顔で答えて、エベリアが差し出した手をギュッと握りしめて握手をする。
これがアイシスにとっての初仕事。
冒険者パーティー『戦乙女の歌』に同行して、コボルトという魔物を退治するために王都北方にある森に向かったのであった。
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