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第7話 最後の挨拶
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同日、夕暮れ。北の平原にて。
カゲヒコは黒いフードをかぶった小柄な影と向き合っていた。
神策鬼謀の策士と呼ばれる魔族は、小細工を正面から決闘に応じてきたのだ。
「本当に来やがった。策略家のくせにずいぶんとチョロいことだ」
「・・・魔王様の心臓。返して」
思いのほか高い声がフードの奥から聞こえてきた。カゲヒコは眉をひそめた。
「お前・・・ひょっとして女か?」
「・・・・・・」
「困るなあ・・・やりづらい」
黒フードの魔族、クリョウカンは無言で手をかざした。
青っぽい色素で染まった手の平に黒い闇が凝縮して、弾丸となって放たれた。
「ん・・・?」
当然のように無詠唱で放たれた闇属性の魔法であったが、カゲヒコから大きく外れて見当違いの方向へと飛んで行った。
何もない空間へと吸い込まれていった弾丸は、突然、真っ二つに切り裂かれて左右に分かれて飛んで行った。
「バレていましたか。さすがですね」
虚空から白い着物をまとった剣士・ペロペロキャンティが剣を振り下ろした体勢のまま姿を現す。
カゲヒコの魔法によって姿を消していた彼女であったが、魔族きっての実力者の一人であるクリョウカンには通用しなかったようだ。
「裏切り者。人間に味方するのね」
「魔王様の命令です。魔王軍をやめた貴方に口出しされる筋合いはありません」
かつては魔軍四覇天として同胞であった二人が真っ向からにらみ合う。
「我々、魔族は魔王チョコレータパフィ様の名の下で人間と和平を結びました。貴方が人間界で好き勝手にするのは魔族にとってマイナスにしかなりません。どうか考え直してください」
「好き勝手なのはそっち。勝手に人間と和平を結んで、人間に恨みを持っている魔族の気持ちを無視した」
諭すようなキャンティの言葉に、怒りを含んだ声でクリョウカンが返す。
「人間と魔族は理解しあうことができない。和平なんて馬鹿げている」
「平行線ですね。でしたら・・・存分に死合うとしましょうか!」
キャンティがぶん、と剣を振るった。
剣圧によって風が巻き起こり、平原に生える草木を大きく揺らす。
一方でクリョウカンもまた両手を広げる。
空中に数えきれない数の黒い魔弾が出現して、キャンティへと狙いを定める。
殺意をぶつけあって向き合う二人の女性(?)を見つつ、カゲヒコはぼんやりとつぶやいた。
「・・・これって、俺いらなくね? 完全に蚊帳の外なんだけど」
「うむうむ、女の喧嘩というのには男は割って入れぬものだ」
「そうだなー・・・って、お前は止めないとだめじゃね?」
カゲヒコは自分の肩に乗っている第三者へと呆れた声をかける。
「ちょ、ま・・・け、賢者クロノ。お前は何を肩に乗せているのですか?」
「・・・・・・嘘」
「誰って・・・」
カゲヒコの肩の上に身長10センチ程の小人が乗っていた。
日本の一部の電気街でよく見る人形のような姿をした小人は、カゲヒコの肩の上で仁王立ちを決めてビシリとキャンティに指を突きつける。
「何、とはご挨拶ではないか! 余を見まごうとは情けないぞ! それでも魔軍四覇天の一人か!?」
「うるさい、人の肩で大声出すな」
「ぶふっ! こ、コラ! 余にデコピンをするでない!」
カゲヒコの指先で顔を弾かれ、小人が大きく身体をのけぞらせた。
「ええと・・・その、何をしているのでしょうか。まお・・・」
「魔王様! 会いたかったの!」
キャンティの声を遮って、クリョウカンが喜びの声を上げた。
カゲヒコの肩の上に乗った小人。
その正体は、死んだはずの先代魔王ニクジャガンであった。
カゲヒコは黒いフードをかぶった小柄な影と向き合っていた。
神策鬼謀の策士と呼ばれる魔族は、小細工を正面から決闘に応じてきたのだ。
「本当に来やがった。策略家のくせにずいぶんとチョロいことだ」
「・・・魔王様の心臓。返して」
思いのほか高い声がフードの奥から聞こえてきた。カゲヒコは眉をひそめた。
「お前・・・ひょっとして女か?」
「・・・・・・」
「困るなあ・・・やりづらい」
黒フードの魔族、クリョウカンは無言で手をかざした。
青っぽい色素で染まった手の平に黒い闇が凝縮して、弾丸となって放たれた。
「ん・・・?」
当然のように無詠唱で放たれた闇属性の魔法であったが、カゲヒコから大きく外れて見当違いの方向へと飛んで行った。
何もない空間へと吸い込まれていった弾丸は、突然、真っ二つに切り裂かれて左右に分かれて飛んで行った。
「バレていましたか。さすがですね」
虚空から白い着物をまとった剣士・ペロペロキャンティが剣を振り下ろした体勢のまま姿を現す。
カゲヒコの魔法によって姿を消していた彼女であったが、魔族きっての実力者の一人であるクリョウカンには通用しなかったようだ。
「裏切り者。人間に味方するのね」
「魔王様の命令です。魔王軍をやめた貴方に口出しされる筋合いはありません」
かつては魔軍四覇天として同胞であった二人が真っ向からにらみ合う。
「我々、魔族は魔王チョコレータパフィ様の名の下で人間と和平を結びました。貴方が人間界で好き勝手にするのは魔族にとってマイナスにしかなりません。どうか考え直してください」
「好き勝手なのはそっち。勝手に人間と和平を結んで、人間に恨みを持っている魔族の気持ちを無視した」
諭すようなキャンティの言葉に、怒りを含んだ声でクリョウカンが返す。
「人間と魔族は理解しあうことができない。和平なんて馬鹿げている」
「平行線ですね。でしたら・・・存分に死合うとしましょうか!」
キャンティがぶん、と剣を振るった。
剣圧によって風が巻き起こり、平原に生える草木を大きく揺らす。
一方でクリョウカンもまた両手を広げる。
空中に数えきれない数の黒い魔弾が出現して、キャンティへと狙いを定める。
殺意をぶつけあって向き合う二人の女性(?)を見つつ、カゲヒコはぼんやりとつぶやいた。
「・・・これって、俺いらなくね? 完全に蚊帳の外なんだけど」
「うむうむ、女の喧嘩というのには男は割って入れぬものだ」
「そうだなー・・・って、お前は止めないとだめじゃね?」
カゲヒコは自分の肩に乗っている第三者へと呆れた声をかける。
「ちょ、ま・・・け、賢者クロノ。お前は何を肩に乗せているのですか?」
「・・・・・・嘘」
「誰って・・・」
カゲヒコの肩の上に身長10センチ程の小人が乗っていた。
日本の一部の電気街でよく見る人形のような姿をした小人は、カゲヒコの肩の上で仁王立ちを決めてビシリとキャンティに指を突きつける。
「何、とはご挨拶ではないか! 余を見まごうとは情けないぞ! それでも魔軍四覇天の一人か!?」
「うるさい、人の肩で大声出すな」
「ぶふっ! こ、コラ! 余にデコピンをするでない!」
カゲヒコの指先で顔を弾かれ、小人が大きく身体をのけぞらせた。
「ええと・・・その、何をしているのでしょうか。まお・・・」
「魔王様! 会いたかったの!」
キャンティの声を遮って、クリョウカンが喜びの声を上げた。
カゲヒコの肩の上に乗った小人。
その正体は、死んだはずの先代魔王ニクジャガンであった。
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