悪役令嬢に恋した黒狼

正海広竜

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第1話 プロローグ

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 プロルシア王国の王都ベルモスリングラード。
 
 その王都の一画にある闘技場コロシアムの地下にある部屋。
 鉄格子で囲まれた部屋で、明かりを入れる窓は無い部屋であった。
 その牢獄のような部屋に動く者が居た。

 よく見ると、その者はまだ子供と言える年齢であった。
 腰まで伸びた濡羽色の髪。蝋人形の様に白い肌。頬から顎まで線が細いので女性のような容貌を持っていた。
 そして、驚く事に見た目からして一桁の子供であった。何故、鉄格子の中に居るのかと言うと、それには理由があった。両手に手枷を嵌められた上に、足にも鉄球が付いた足枷を嵌められていた。
 
 その者は奴隷であった。
 この国では、奴隷制度がある。
 なので、老若男女問わず様々な奴隷がいる。
 此処は闘技場なので、闘奴であろう。
 その子供は、汚い床で横になり時折寝返りをしていた。

 そうして子供が寝ている部屋に、近づく足音が聞こえてきた。
「っつ」
 子供はその音を聞くなり目を覚まし、身体を起こした。
 刃の様に鋭い目を開け、黒曜石の様な瞳を見せる。

 子供が身体を起こして、少しすると男性がやってきた。
 手に鍵を持っている所を見ると、どうやら子供が寝ている部屋の鍵のようだ。
 男は鍵穴に鍵を差し込み、施錠を解いた。
「おい。起きてるか? ザガード」
「……ああ」
「そろそろ、お前の試合だ。準備しろ」
「分かった」
 ザガードと呼ばれた子供は立ち上がり、鉄球を引き摺りながら歩く。
 そして部屋を出た。
「じゃあ、まずは装備を取りに行くぞ」
 そう言って、男は歩き出した。
 ザガードは何も言わず、男の後を追う。
 鉄球があるのと、まだ子供なので、少し男に離されながらザガードは付いて行く。

 ザガードが歩いている途中、自分と同じような部屋に入っている者達が視界に入った。
 ある者は怯え、ある者は涙を流し、ある者は狂ったように笑っていた。
 皆、闘技場に出て行き残った者だ。
 ザガードはその者達を見ても、特に何とも思っていない。
 
 そんなザガードに見る事無く、男は話し出す。
「しかし、お前も今日勝てば、晴れて百勝か。自由の身になるが。何処か行く当てはあるのか?」
「……ない」
「そうか。まぁ、今日勝てば、金もそれなりに手に入るから、その金で好きにすればいいか」
「……今日の対戦相手は?」
「ああ、今日のお前の相手は聞いて驚け、何と翼獅子フェザーレオンだ」
「つばさしし?」
 ザガードは初めて聞くのか、首を傾げた。

「ああ、このあたりだと見かけない魔物だ。何でも南方に生息する魔物らしいぜ」
「そうか」
「翼もある上に、火も吐くそうだ。注意しろよ」
「分かった」
 男とザガードが話している内に、ある部屋に着いた。
 男はその部屋の鍵穴に鍵を差し込み、鍵を開ける。
 最初に、男が入り、次にザガードが入った。
 その部屋は、剣、槍、棍棒、盾、鎧などが置かれていた。
 更に上へと迫り上げる装置もあった。

 どうやら、ここは闘技場の闘奴の武具が置かれている場所ようだ。
 準備を終えたら、その上へと迫り上げる装置で、そのまま試合会場に向かわされるようだ。
「さて、お前さんの装備は、これとこれだな」
 男はザガードの装備を選んでいた。
 ザガードは黙って待っていた。

「おう、待たせたな。ほれ、ちゃちゃと着替えるぞ」
 男は自分が用意した装備をザガードに渡し、着替えを手伝う。
 手伝うと言っても、剣帯を腰に巻き、其処にザガードが振るうのに問題ない程度の大きさの剣を差し、更に上半身に革をなめして出来た胸当てをつける。
「後は、こいつを被って、こいつを持てば終わりだな」
 そう言って、男は狼の毛皮で出来た被り物を被せ、更に大の大人でも持つのが難しいグレイブを持せた。

 刃の長さが一メルト(1メートル)で柄の方は九十セルト(90センチ)ほどある。
 どちらかと言うと、長巻の部類に入るが、この国ではグレイブで通っている。
 ザガードはそのグレイブを軽く素振りして調子を確認する。
 そして、何処も異常が無い事を確認した。

「どうだ。調子は?」
「問題ない」
「そうかそうか。お前の世話役になって二年ぐらいだが、まさか九九勝するまで生き残るとはな」
 男は感慨深げに頷く。
 ザガードは何も言わず、舞台上に迫り上がる装置に乗った。
「おいおい。何か言う事はないのか?」
「……ラファール」
 ザガードは男ことラファールに声を掛けた。
「おう」
「今迄、ありがとう」
「お、おお、何か、今言われると、大丈夫なのか心配になってきたな」
「ここに戻る事が出来なくなって感謝を言えなくなるかもしれないから、今、言っておく」
「おい。縁起でもない事を言うなよ」
「そうか?」
「そうだよ。今日、お前の試合に大金掛けてるんだ。ちゃんと勝って来い」
「分かった」
 ザガードがそう言うと、部屋に唱えつけられたベルがなった。

「時間だな」
「ああ」
 ザガードは舞台へと迫り上げる装置に乗った。
「生きて戻って来いよ。そうしたら、今日の儲けで、お前を良い店に連れて行ってやる」
「俺は奴隷だぞ?」
「今日勝ったら、解放されるだろう? だったら、連れて行っても大丈夫だ」
「分かった」
 ザガードが頷くと、ラファールが装置を動かすレバーを下ろした。
 すると、装置が動き、ザガードが上へと上がって行く。

 ザガードが装置により上に上がると、そこは今迄居た薄暗い所ではなく眩しい太陽が差し込み、青い空が見える部隊であった。
 眩しい太陽の光に、一瞬目をつぶるザガード。慣れるまで目を細める。
『御集りの紳士並びに淑女の皆様方、これより本日の最終試合を開始いたしますっ』
 どういう方法かは分からないが、司会の声が闘技場全体に響く。
『人狼と人間との間に出来たビースト・クォーターにして、当闘技場で弱冠七歳でありながら九九勝し、本日勝利すれば、百勝となり晴れて奴隷から解放される歴戦の剣闘士グラディエーターにしてその姿から『黒狼こくろう』の異名を持つ。ザガード!」
 司会がそう口上を述べると、観客の喚声があがる。
 時折「死ね」とか「お前の所為で大損したんだ。無様な死に様をさらせっ」とかいう声も混じっていた。
『対するは、本日の試合の為にわざわざ王国の南方の大草原から取り寄せ、その際たった一匹で騎士の小隊を壊滅させた魔物。翼獅子です!」
 司会がそう言うと、ザガードが舞台上に上がって来たように、地面から檻が上がって来た。
 その檻の中には翼まで白い毛並みの獅子が居た。

「Gyaaaaaaaaaa…………」
 檻の中で咆哮する翼獅子。
 観客も含め、皆その咆哮に驚く中、ザガードだけは平然としていた。
 まだ試合開始の合図は出されていないが、一人と一匹は臨戦態勢を取った。
 ザガードは得物を構えあがら、今か今かと試合開始の合図を待った。
 そうして、待っていると。
『試合開始!』
 司会がそう言うと同時に、開始の合図である鐘の音が響いた。
 と同時に、ザガードは深く息を吸った。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォ⁈‼」
 ザガードは開始早々咆哮した。
 これは、前に先輩の剣闘士に魔物相手に戦うコツとして教えてくれた。
『良いか。この闘技場で連れて来られるのは、殆ど獣の姿をしている奴だ。だから、睨み返すか叫んで威嚇しろ。そうして相手をビビらせろ。そうしたら、後はビビっている内に畳み掛けろ』
 ザガードはその教えに忠実に守った。
 咆哮した後、翼獅子を睨んだ。
 その眼力に怯えたのか、翼獅子が後退りした。
 それを見たザガードは駆けだした。
「ウォオオオおオオオッ‼」
 ザガードはグレイブを振りかぶり、袈裟切りを翼獅子にお見舞いする。
 狙ったのか、その攻撃は翼獅子の右前足に当たった。
「Gaaaaaaaaaa‼」
 ザガードの得物が当たった所は、皮も肉を裂き骨を露出させ。脚も何とか繋がっている状態だった。

「ふっ」
 痛みで悲鳴をあげる翼獅子にザガードは追撃の横薙ぎの攻撃をする。
「ッ!」
 だが、その攻撃はギリギリで見切られ、後ろに跳んで躱した翼獅子。
 しかし、攻撃じたいは掠った。
 目の下の所から鼻の頭まで横一文字に切り裂かれた。
 切り裂かれた所から赤い血が流れる。
「U、Uuuuuuuu」
 翼獅子は怯えだし、後退りしだす。その分ザガードは距離を詰めた。
『今までの攻防により、翼獅子はしり込みしたしのか、徐々に後退りし、反対にザガードは前へと進みます。これはまるで獲物を追い詰める狩人のようだっ』
 今迄黙っていた司会がここで声をあげだした。
 その声と共に、観客も騒ぎ出す。

 歓声を聞こえたのか、翼獅子は観客の方を見る。
 そして、何を思ったのか、翼獅子は翼をはためかせて飛び上がる。
 どうやら逃げようとしたようだ。
 翼獅子が観客の所まで、後少しで届く所まで上がると、試合を見ていた観客は悲鳴をあげだし、中には逃げ出す者達も居た。。だが、見えない壁にぶつかる翼獅子。
『観客の皆様。ご安心ください。観客席には魔法により結界が張られております。皆様の安全に問題はありません。どうぞ、試合を楽しんでご覧ください!』
 司会のその声を聞いて、観客達は安堵し、逃げていた者達も席に着き野次や歓声を飛ばす。
 しかし、翼獅子は諦める事はしなかった。
 その見えない壁に向かって体当たりを始めた。
 しまいには、口を開けて火も吐いた。
 だが、それでも魔法の壁は壊れる様子はなかった。
 その無様な翼獅子の姿を見て、観客達は嗤っていた。
 
 しかし。何処からか、ピシッという音が聞こえた。
 観客達は首を傾げ、何の音なのか気になり周囲を見る。
 そして、その音の下が分かった。
 自分達を守っている魔法の壁にヒビが入ったのだ。
「お、おい」
「これって、不味くないか?」
 そのヒビが丁度見える所に居る観客達がそう言う。
『皆さま、ご安心ください。この魔法の壁は一層ではなく多重に展開された物です。例え、一層破れても、次の壁が皆様を守り、……なに、今日は魔石の調子が悪くて一層しか展開してないっ⁈』
 司会が観客達を安堵させよう声をあげるが、直ぐに授業員が司会の耳に囁く。
 その声を聞いて会場に居る観客達はギョッとした。
 

 更に、恐れていた事が起こった。
 バリーン‼
 魔法の壁が破られる音がした。
 翼獅子は体当たりした勢いのまま、そのまま観客の所にぶつかる。
 その所に居た観客達は、翼獅子の身体に押しつぶされる。
 ぶつかった事で、砂煙が上がった。
 そして、その砂煙が晴れると、そこには翼獅子が居た。
「「「…………………」」」
 観客達は呆然としていた。
 だが。
「う、うわあああああああああああっ! 逃げろっっ。食われるぞっ」
 観客の一人が大きな声をあげて背を向けて逃げ出した。
 その声を聞いて、正気に戻った観客達が悲鳴をあげて逃げ出した。
 観客は全員パニック状態となり、皆右往左往していた。
『ひ、ひいいいいいいいいっ」
 司会も実況を止めて逃げ出した。
 観客達の悲鳴を聞き、翼獅子もまたパニックになった。

「Guooooooooo」
 翼獅子はパニックした観客達の声により、自分もパニックになったのか、近くにいる観客達に体当たりしたり爪で切り裂いたり、火を吐いたりしていた。
 それにより、混乱に拍車が掛かり、余計に混乱する観客。
 そんな中、観客の一人のようで、まだ幼い少女が居た。
 翼獅子の暴れっぷりに腰を抜かしたようで、地面にぺたりと腰を落としていた。
 その少女が目に入ったのか、翼獅子は少女に近付く。

「い、いや、こないで……」
 そう言っても、翼獅子は口元から涎を垂らしながら近づく。
 少女は恐怖により動く事がデ出来ないでいる。
「Huuuuuu」
 翼獅子は深く息を吐き、口を大きく開けた。
 その牙が少女に今にも襲い掛かりそうであった。
「い、いやああああああっ⁈」
 少女は目をつぶり、恐怖から逃れようと顔を背ける。
 その瞬間。
 ドスッという鈍く肉が突き刺さる音が響いた。
「Goaaaaaaaaaaa」
 翼獅子が悲鳴をあげる。
 
 その悲鳴を聞いて、少女は恐る恐る目を開けてみた。
 すると、翼獅子の身体に剣が突き刺さっていた。
 何処からか剣が飛んで来たのか、少女は周囲を見る。
 そして、少女がザガードを見つけた。
「っち、少し狙いが外れたか」
 舌打ちするザガード。
 その言葉から、どうやら剣を投げたのザガードのようだ。
 その証拠に腰の剣帯に差してある筈の剣が無かった。
「Gyaaaaaaa」
 混乱しているからか、それとも剣が自分の身体に突き刺さったからか、吼えながらザガードに向かって駈け出す翼獅子。
「ふっ」
 ザガードは口角をあげて笑い、その突進を難なく躱し、翼獅子の背に飛び乗った。
「GOOO,Guoooo!」
 自分の背に乗ったザガードを振り下ろそうと、身体を激しく揺する翼獅子。
 だが、ザガードは落ちる様子はなかった。

「これで、終わりだっ」
 ザガードは翼獅子に突き刺さっている剣を抜き、その剣を翼獅子の首に突き刺した。
「GOOOOOaaaaaaaa…………‼」
 翼獅子の首元に剣が突き刺さり、刺さった所から噴水の様に血が噴き出し辺りに飛び散らせた。
 無論、ザガードにも掛かる。
 翼獅子は剣を抜こうと吼えながら身体を激し暴れるが、まったく抜ける様子はない。
 そうして暴れていたら、段々と動きが遅くなり、やがて、完全に動かくなり、地面に横になって倒れた。
 ザガードは翼獅子が完全に動かなくなったのを確認してから、剣を引き抜く。
 そして、その剣を振りあげて、翼獅子の首を斬り落とす。
 その際にも、血が飛び散りザガードに掛かった。
 先程、翼獅子の首にも突き刺した際にも血が掛かったのも合わせて、全身を赤く染めるザガード。
 
 
 ザガードはその切り取った首を持って、舞台上に戻る。
「あ、あの」
 そんな声が聞こえたので、ザガードは振り返る。
 そこには先程、偶然にも助けた少女が居た。
「……何か?」
「た、たすけてくれて、ありがとうございます」
 少女は頭を下げて、お礼を述べた。
「……別に大した事はしていない」
 そう言って、ザガードは振り返る事なく、そのまま舞台に戻った。
 少女はその背を見えなくなるまで見送った。
 少しして。
「居たぞっ」
「お嬢様、御無事でしたか⁉」
 腰に剣を差した者達が現れた。

 その者達と共に、身なりが立派な男女二人がも現れた。
「エリナ。無事だったか‼」
「わたくしもお父様も心配したんですよ」
 その言葉から、この身なりが立派な者達は少女の両親だろう。
 二人は少女ことエリナを抱き締めた。
「ごめんなさい」
「何処も怪我はないかい? お前が無事なら良いんだ」
「うん。だいじょうぶ」
「それじゃあ、家に帰りましょう」
 女性の方がエリナの手を取る。
「まって」
「何、どうかしたの?」
「とうさま。おねがいがあるの」
「お願い?」
 男性は首を傾げた。

 数日後。
 ザガードは闘技場の出口に居た。
 手や足にはには枷も無く、その上、旅に使う大きめな袋を持っていた。
 その姿を見るに、どうやらザガードは奴隷から解放されたようだ。
「良かったな。あの試合が無効にならなくて」
「ああ、そうだな」
 自分の世話役のラファールと話しながら、ザガードは奴隷から解放された際に貰った金を見る。
 贋金かどうか確認しているのだろう。結果、本物の金であった。
「ところで、何処か行く当てがあるのか?」
「いや、無い。だから、暫くこの国をフラフラする」
「そうか。じゃあ、戻って来たら連絡くれよ。その時は俺の奢りで御馳走してやる」
「分かった」
 ザガードはそう言って、ラファールに背を向けた。
「土産話楽しみにしてるからなっ」
 ラファールはザガードが見えなくなるまで、その背を見送った。

 ザガードが少し歩くと、何故か鎧を着た者達に囲まれた。
 いきなり、何だと思うザガード。
 今は剣を持っていないので、戦う事となったら素手で戦うしかないザガード。
 身構えていると、ザガードを囲んだ者達の一人が前に出た。
「我らの主人がお前に話しがあるそうだ。御同行してもらいたいのだが?」
 そう言われて、ザガードは意味が分からず困惑した。
 今迄、闘奴であった自分に話しがある者など心覚えなどないのだから。
 少し考えて、とりあえずこの者達に着いて行く事にするザガード。
「分かった」
「では、こちらに」
 そう言って、先程話した者の案内に付いて行くと、馬車があった。
 ザガードはその馬車に乗る様に指示され乗り込む。
 少しすると、進みだした。
「何処に向かう?」
 ザガードは御者に訊ねた。
「ローレンベルト公爵家の私邸でございます」
「公爵っ⁉」
 向かう先を聞いて驚くザガード。
 何かしたかなと思いつつ、ザガードは馬車に揺られた。
 

















 

































 
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