転生者は悪役令嬢に尽くしたい

1. 私、有坂結子26歳 プロローグのようです。

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目の下に大きな隈を作り大好きなゲームを今日も出来ないのかと、無駄に積まれていくゲームを思い出しながら重い足を引きずる。
もうずっといい事無さすぎて辛いと涙が瞳に膜を張った。
のろのろと青信号に変わった歩道を渡ろうとした瞬間、タイヤの擦れる音とクラクションが響いた。

 ♢

「ここ…は…？」
目が覚めるとそこは白一面の何も無い部屋だった。
いや、何も無いという訳では無い。
無いのだが…

「すみませんでしたぁあ！！！」

只管に土下座する白頭を混乱する頭で認識するのは余りにも酷だと思う。

「なんなの、何がどうなの…」

理解が追い付かず遠くなりかける意識に、
「ねぇ？！ちょっと！！」という掛け声がぐわんぐわんと反響し、船酔いのような不快感が襲う。


…まぁ、暫くすれば治まったのだが


ごほん！と目の前の白頭が咳払いをし顔を上げれば、白磁の肌と恐ろしいほどに整った顔、白い双眸が現れサラサラとした髪が揺れた。

ー白っ！？しかし、美少年…美少年だー

「お褒めの言葉ありがとう…いや嬉しいけど、ごめんね時間が無いんだ…」

あらぬ方へ意識を飛ばしはじめた私を美少年が引き戻す。
ただ、眉尻が情けなく下がった姿は
しゅーん…という言葉がピッタリな表情だ。

ーというか今、私口に出してた？ー

「君の心の声なら聞こえてるよ…」

目の前の美少年が溜息を付き項垂れながら答えてくれた。

「まじですか…？」
「まじです」

  ……

信じ難い状況に
「夢落ちなんてサイテー！！」
と口走った私は悪くない…と思う。

そして、美少年の
「夢じゃないです！いいからっ話をっ話を進めさせてください！時間がないっ！」
という絶叫が響いた。



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スタート時点は恋愛要素薄めですが、そのうち...そのうち生えてくる予定です！
ゆっくりのんびり更新していけたらと思います。よろしくおねがいします！