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蒼穹学園の王子様……?
いざ、地味子に変身!
しおりを挟むいざ、地味子に変身!
───────────────
「優羽、ちょっと話があるんだけど……」
おばさんにそう言われて、私とおばさんとおじさんの3人で食卓を囲んだのは、中学校を卒業した後の春休み中のある夜のこと。
「なあに?」
「まず、高校受験のこと、本当におめでとう!」
「優羽、よく頑張ったな」
おばさんとおじさんが、温かい言葉をかけてくれる。
でも……
「もうっ、それ何回目?10回は聞いた気がするんだけど……」
2人は元々過保護な性格だということもあり、実の子でない私の事を凄く可愛がってくれる。
でもだからこそ、めでたい事があったりすると、すごく大袈裟になっちゃうんだよね……。
でも2人には本当に感謝しているから、お礼の言葉は欠かせない。
「合格出来たのはおばさんとおじさんのおかげだよ、ありがとうっ」
そう言って微笑む私。
すると、おばさんとおじさんもニコッといつもと変わりない笑顔を返してくれる。
こんなに幸せなことが他にあるのかな?
「何言ってるの、優羽が努力した結果でしょう?まさか“あの”蒼穹学園に合格できるなんて!」
───蒼穹学園。
日本国内に住んでいる人なら、3度はその名を聞いたことがあると言われるほど有名な学校。
蒼穹学園は、今までに多くの優秀な人材を輩出してきた。
学校の敷地は驚く程に広く、大きなグラウンドには、野球やサッカーやテニス……他にも色々なスポーツのコートが十分に設備してある。
生活面では、全寮制だから生徒が困らないようにと、大型のショッピングモールがある。
要するに、受かった学生を最高の環境で育成する、お金持ちエリート校なのだ。
でも学費は高くなく、入学試験を首席合格した者は学費免除になるほど。
聞く話によると、生徒たちの将来に期待して、政府が学費を支援しているのだそう。
でも、その分志望者は多く、入学試験も難しい。
毎年3000人以上が受験する中、受かるのはたった300人。
だけど合格した300人は、将来に困ることは絶対にない。
会社に就職する場合、面接無しで採用されることもあるそうだ。
そんな学校に、私は入学することができる。
それも、支えてくれる人がいたからこそ成し遂げられたのだと思う。
「ふふ、ありがとう。私、2人に恩返し出来るように精一杯頑張るよ!」
そう言うと、何やら困った表情で顔を見合わせる2人。
「どうしたの?」
その声に反応し、机の上に置かれていた私の手を、おばさんはぎゅっと握った。
「優羽、落ち着いて聞いて欲しいんだけど……」
2人の深刻な表情から、いい知らせで無いことは明白だったから、これから何を言われるのかと息を呑む。
「お願い、学園では変装をして過ごして欲しいの!」
「………へ?」
変装。
聞きなれないその言葉に驚きが隠せなくて目を丸くする。
「変装って……どうして?」
「そんなの………
優羽が可愛すぎるからに決まってるじゃない!」
「え?」
ワタシガカワイスギル?
蒼穹学園に受かった私でも、その言葉を理解するには時間がかかりそう。
「2人とも、どういう……?」
「親バカ過ぎるかもしれないけど、学園に行ったら男はみんな優羽の可愛さに惚れてしまうわ!」
~説明しよう!byおばさん~
優羽は顔が可愛いのはもちろんのこと、性格よし、学力よし、運動神経……はともかく、完璧美女なの!
だから、優羽に惚れる蒼穹学園の生徒たちは1人や2人じゃないと思うの。
優羽は純粋だから、よからぬ生徒がいたら、すぐに騙されてしまうわ。
実の親では無いとはいえ、優羽を大切に育ててきた私たちは、優羽のことが心配でたまらない。
そこで私は気づいたの。
優羽の可愛さを無くせばいいと!
~以上、優羽のおばさんより~
「っていうことだから、さっそく入学式からよろしくね!」
よろしくって言われても、困っちゃうよ……っ
突然すぎる展開に呆然としてしまう。
すると、おばさんとおじさんはリビングから出ていこうとしている。
「えっ、ちょっと、おばさん!?おじさんも!」
あっ、これ、逃げられるやつじゃ……!?
その声に気がついたおばさんはウインクと手でグッドをして出ていってしまった。
おじさんは1度足を止めて振り返る。
「優羽、いくら蒼穹学園の生徒とはいえ、男は男なんだ」
おじさん………
心配しくれていることが伝わってきて、瞳の奥の方がじんわりと熱くなってくる……
「だからね、優羽………よろしく!」
と思えば、おじさんもそう言って部屋を出ていってしまった。
「え、う、うそでしょ~!?」
~入学式当日~
ボサボサで肩より少し下まである後ろ髪に、目が隠れるほど長く毛量の多い前髪。
ホワイトミルクティーだった髪はどこへやら。
不自然に大きい伊達メガネ。
それに茶色のカラーコンタクトで、ペイルブルーの瞳は隠して。
長いスカートに、きっちり整った制服。
「よしっ、準備完了!」
おばさんとおじさんによって準備された変装道具を使い、絵に描くような地味子へと変身した私。
まぁ、変身する前から地味子だったかもしれないけど……あはは。
服装はさておき、今日は待ちに待った蒼穹学園の入学式。
これから将来に向けてたくさん勉強するぞ!と意気込む私。
でも、全寮制な上、外出する場合は申請が必要だから、おばさんとおじさんに気軽に会えなくなるのが悲しい部分もある。
だけど、応援してくれてる2人の気持ちを無下にするわけにはいかないから、寂しさを我慢して頑張ろう!
「優羽、気をつけてね」
「寂しくなったらいつでも帰ってきていいからな。ここはもう、とっくに優羽の家でもあるんだ」
泣かないようにしようと思っていたのに、やっぱり2人を前にすると涙が溢れてくる。
離れたくないなぁ……。
でも、おばさんたちに恩返しをするために、私は蒼穹学園に行くことを決めたんだから、弱音吐いてちゃだめ……!
「うん、2人ともありがとうっ。行ってきますっ!」
うまく笑えてるよね……?
「ええ、行ってらっしゃい」
右手で涙を拭って、玄関から一歩踏み出した。
これから、新しい生活が始まる───。
─────
入学試験の時も来たけど………
「やっぱり大きいなぁ、蒼穹学園」
ただ大きいだけでなく、校舎は綺麗だし、寮も1人1部屋あるそう。
こんなに贅沢な学校、他にあるかな?
そんなすごい設備があるのも、「蒼穹学園だから」という理由だけで説明がつく。
それほどまでに、蒼穹学園が世界へ及ぼす影響はとても大きい。
「えーっと、まずは自分の教室に行くんだよね」
この学園では、300人の生徒を入学試験の点が高い順に1クラス30人ずつに分け、AクラスからJクラスまでの計10クラスがあるそう。
私はJクラスかな………あはは
と思いながらクラス表を見ると、私の名前が一番最初に目に入った。
なぜなら。
「Aクラスの……1番?」
1番上のはしっこに名前があったからだ。
ここって、出席番号も入学試験の点の高い順じゃなかったっけ?
なんで私が1番なの?間違え……ないよね、蒼穹学園だし。
目をこすってもう一回見直してみても、やっぱりそこには小戸森優羽の名前が。
まだ半信半疑だけど、学費も免除できておばさんたちの負担を減らせるから良かった、と喜びを胸にゆっくり歩き出す。
Aクラス、どこかな……?
─────
って、今ここどこ!?
この学園が広すぎて逆に迷っちゃうなんて………入学式に何やってるの、私!?
え~っと、分かるのは2階にいるっていうことと、1回渡り廊下を渡ったってこと。
スマートフォンを取り出すと、着席完了まであと20分。
まだ時間はあると思えるかもしれないけど、この広い学園では足りるかどうか……。
うぅ~、私、間に合わないかも……どうしよう?
とりあえずまた歩いてみる……は、もっと迷いそうだし……。
初日から迷って遅刻しそうになっている自分が情けないのと、周りに誰もいなくて心細くなり、涙が滲んでくる。
すると、廊下の曲がり角のところに人影が。
あの人に聞けば分かるかも……っ
私は全力で走った。
「はぁ……はぁ……っ、あの!」
追いついて声をかけたはいいものの……私は忘れてしまっていた。
自分が極度の運動音痴だということに。
「あっ………ぴぎゅっ」
「………ぴぎゅ?」
声をかけようとしたその人の目の前で、何もないのに躓いて盛大にコケてしまった。
おまけに変な声も出てしまった。
そして気づく。
転んだ衝撃で、メガネがとれてしまっている
ことに。
まずいっ……。
光の速さでメガネを拾い、装着する。
バレてない……よね?
「………」
「………」
2人の間に沈黙が流れる。
バレてはなさそうだけど、恥ずかしい………。
恥ずかしくて手で顔を覆っていると。
「君、大丈夫?」
そう言って、手を差し伸べてくれたその人。
でも。
お、おおおおと、男の人っ。
怖くて、体が震え始める。
だめ、この人は私に手を差し伸べてくれた優しい人。
震えちゃダメ、私の体……!
「あの……」
ビクッ
でもやっぱり、男の人が怖いのは変わらなくて、私の体は言うことを聞かない。
「君、もしかして………」
そう言うと、その人は5歩下がった。
「……?」
恐る恐る、男の人の顔を見る。
「ごめんね、君、男性恐怖症なのかな。気づかずに近づいて……怖がらせちゃったよね。俺、ここからすぐ離れるから、安心して」
「あ……」
優しい人……。
ちゃ、ちゃんと、謝らなきゃっ……。
「あ、あの……ごめんなさい、優しい方だっていうのは、分かるんです。それに近づいたのだって私からだし、でも、体が言うことを聞かなくて……」
その人は、私の顔を見るなり、少し目を見開く。
ど、どうしたのかな……?
私の顔、何かおかしい……って、そっか、今変なメガネつけてるから、おかしいと思われるのは当然だよね……。
「君は……」
「?」
「あぁ、いや、なんでもないよ。泣いてるの、俺のせいだよね」
「い、いえっ、違うんです。これは、自分が情けなくて………」
「どうして?」
「私……迷っちゃって」
目線を斜め下にして言う。
私、今顔真っ赤になっちゃってるよね……?
そう思うと更に顔の熱が上がるのを感じた。
「ああ、そうだったんだね。じゃあ、よければ俺が案内するよ。あっ、俺のことが怖かったら誰か女性の先生とか呼ぶから、安心して?」
目の前でコケて、それに迷っているなんて事情を聞いたらバカにされると思ったのに、彼は優しくそう言った。
男の人は怖い。
怖い、けど……
この人なら!
「お、お願いしても、いいですか?」
そう言うと、彼は心から嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとう」
その笑顔は、世界のどんな悪にも負けないくらいに眩しかった。
「っ……い、いえ、こちらこそっ」
なんだか、顔が熱いような。
さっきコケた恥ずかしさが、まだ残ってるのかな……。
そして立ち上がり、彼のあとをついていく。
「ところで、自己紹介まだだったよね。俺は神代聖那(かみしろせな)。2年Aクラスで、こんなだけど、一応今年度から生徒会長をやらせてもらうことになってるんだ、よろしくね」
えっ、生徒会長さん……!?
まさかの自己紹介に驚きを隠せず、大きく目を見開く。
「あははっ、驚きすぎだよ」
~ここでちょっとだけ生徒会の紹介~
蒼穹学園の生徒会は、生徒会長1人、副会長2人、書記2人、会計2人の計7名で構成されている。
そこに選ばれるのは、Aクラスの上位7名と決まっている。
つまりは、蒼穹学園の生徒の中でも特に優秀だということを表している。
だから、みんな死に物狂いで勉強をする。
じゃあ、入試の点で上位7名に入れなかったらもう生徒会になるチャンスはないのかというと、そうではない。
蒼穹学園では、学期ごとにクラス替えが行われる。
各学期末のテストや、内申点などの成績で順位がつけられ、当然成績のよかった生徒が出席番号が上がり、悪かった生徒は下げられる。
順位決めでは入試の点は全く関係なく、Jクラスの生徒がAクラスの成績を上回ったら、Aクラスにあがることも可能なのだ。
そして、最終的に1年の3学期の成績で生徒会が決まる。
ちなみになぜ生徒会が3年生ではなく2年生なのかというと、3年生は大学受験があるからだ。
いくら蒼穹学園に通っていて就職に困らないとはいえ、大学受験をする生徒がほとんど。
そのため、2年生が生徒会を行うことになっている。
みんな生徒会になることを望むから、1番勉強量が多いのは1年生だと言っても過言ではないらしい。
~以上、生徒会の紹介でした~
私は、そんな中見事生徒会長になった人の前でずっこけてしまった。
あわわ、私、何やっちゃってるの……!?
「わ、私っ、生徒会長さんに飛んだ御無礼をっ」
「そんな。怖がらせちゃった僕が悪いし、君は無礼なんてしてないでしょ?」
それでも目の前でコケたのは恥ずかしすぎる……っ
初日からこんなで、私大丈夫かな?
そう不安に思いながらも、自分だけ名乗らないのはいけないので、簡潔な自己紹介をする。
「えと、私は小戸森優羽です。1年Aクラスです、よろしくお願いしましゅっ」
緊張で早口になってしまい、大事なところで噛んでしまった。
ああ……穴があったら入りたい……
ふざけた新入生だと思われたかと、生徒会長さんの顔色を伺う。
すると、生徒会長さんはプハッと吹き出して。
「あははっ、ふふっ……優羽ちゃん、ほんと可愛いなぁ」
「かわっ……!?」
予想外の反応とともに、可愛いという急な殺し文句にまたも顔が赤くなる。
それに優羽ちゃん呼び……っ
それが普通なのかな?
私には慣れないよ……っ
慣れない不意打ちは威力を増して、私の心を撃ち抜きにきた。
そうこうしていると、目の前には1-Aと書かれている教室が。
「はい、ここだよ、1年Aクラス」
そうにっこり微笑んでくれる生徒会長さん。
「あ……」
ありがとうと、お礼を言おうとしたその時。
「「「キャーーー!!」」」
わっ、な、何かあったのかな?
耳が少し痛むほど高く細い声が、蒼穹学園の一部に広まった。
「ねぇねぇ、もしかしてあれが生徒会長?」
「見て、生徒会長の神代くん!」
「ちょ~かっこいいんだけど!」
「笑顔優しすぎる………!」
みんなは、生徒会長とか、神代くんとか、かっこいいとかっていう言葉をたくさん言っていた。
もしかして、今の生徒会長さんの笑顔を見て……?
「あの……これって、生徒会長さんのこと……ですよね?」
そう尋ねると、生徒会長さんは苦笑いを浮かべて言った。
「あはは……」
微妙な反応を見るに、生徒会長さんがこの騒ぎの対応に困っていることは明らかだった。
でも確かに、あの反応には納得するしかないと思う。
その整った顔立ちは、誰をも虜にしてしまいそうな勢いがある。
このまま教室の前にいると、生徒会長さんの周りを女子生徒に囲まれてしまいそうだったので、お礼は簡潔に。
「あ、あのっ、生徒会長さん、ここまで案内していただきありがとうございましたっ」
生徒会長さんのおかげで、着席完了時間まではあと約10分ある。
「うん、間に合ってよかった。それと……」
言葉を途切ったかと思うと、生徒会長さんは顔を近づけてきた。
男性恐怖症だから、体が……
あれ、ビクッてならない?
どうして……?
と思っていると、もう生徒会長さんの顔は、私の顔のすぐ横に。
「生徒会長さんじゃなくて、聖那、って……名前で呼んで欲しいな、優羽ちゃん?」
「っ……!?」
生徒会長さんの甘い声と吐息が、耳のあたりをくすぐる。
で、でも、先輩でしかも生徒会長なのに、名前呼びは出来ない!
それなのに、生徒会長さんの言葉には魔法がかかっているかのように、私の思考回路を鈍らせた。
「ほら、ゆ~うちゃん?せ、な」
「せ、な……せんぱ、い」
せめて先輩呼びじゃないと……そうじゃないと……
おかしくなっちゃいそうだから……。
でも、聖那先輩はそれを許してくれなかった。
「だ~め、聖那だけ」
まるでさっきとは別人のように甘い口調で。
「聖那……さん」
そんな口調で言われたって、やっぱり呼び捨てはできないよ……っ
男の人を避けてきたから分からないけど、これが普通なの……っ?
すると、聖那さんはふぅ、と短く息を吐いて。
「まぁ、今はそれで許してあげる。じゃあね、優羽ちゃん」
そう言って教室を離れていった。
最後も、笑顔を忘れずに。
でも、今までの優しい笑顔とは少し違う
“笑み”だった……。
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