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こんな私でも、好きになっていいですか?
すれ違い
しおりを挟むすれ違い
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気がついたら、私の手を握りながら心配そうに顔を覗き込んでくる聖那さんがいた。
今にも泣き出しそうな顔をしているから、笑ってほしかった。
本当はすごく怖かったけど、そんな顔見せられたら、怖かったなんて言えるはずもなく。
だから目覚めた時、聖那さんがいてくれてとても安心した。
聖那さん、聖那さんは私がどれだけ聖那さんのことを好きか、知らないでしょ?
────────
「聖那さん、もう大丈夫ですよっ」
「いや、まだダメだ。休んでろ」
私が閉じ込められた日から4日が経ち、熱は昨日の時点で平熱にまで下がっているのに、聖那さんは授業を受けることを許してくれない。
このままじゃ勉強が……。
心配してくれているのは分かるけど、流石に今日も休むのは学業に支障が出る。
「聖那さ……あ」
聖那さんは私の言葉を最後まで聞かずに出ていってしまった。
きっと、私のせいで聖那さんはとても大きな何かと戦ってるんだよね……。
私の彼氏が……
あれ、待って。
私、聖那さんに告白されてないよね……?
自分から告白する勇気なんてないから、もちろん私からも告白していない。
お互い好きなのに、私たちなんでまだ付き合ってないの?
私が聖那さんと付き合いたいと思うのは、傲慢なのかな……?
そう思いながら学校へ行くのは諦め、聖那さんの帰りを待つ。
聖那さんはいつもなら18時くらいに帰ってくるのに、18時半を過ぎた今もまだ帰ってこない。
もしかして、聖那さんに何かあったんじゃ……!?
そう思ったらいても立ってもいられなくて、部屋着のまま寮を飛び出した。
雨で濡れた地面の上を転びそうになりながら走る。
聖那さん、どこにいるの……っ
涙と雨で顔を濡らしながら、学園の玄関まで着いた時。
私はピタッと足を止めた。
そこには聖那さんと、どこか聖那さんに雰囲気が似ている男性が。
きっと、あの男性は聖那さんのお父さんだ。
それに……成川先輩?
副会長の成川沙希先輩の姿があった。
どうして、成川先輩が……?
3人の会話が聞こえる。
「聖那、どういうことだ。お前には沙希さんという婚約者がいるだろう。財閥の顔に泥を塗る気か?」
その声には今まで感じたことのない圧があった。
「………」
聖那さんは何も喋ろうとしない。
いや、それより……今なんて言ったの?
聖那さんに婚約者?
それに、その相手が副会長の成川先輩?
そんなの、私に敵うわけない。
あんなに可愛くてみんなに頼られる先輩で、聖那さんと婚約できるくらいなんだから、きっと家柄も申し分ない人。
蒼穹学園は、本来そういう人たちが集まるところなのだから、成川先輩が聖那さんと同じように家が財閥であっても不思議はない。
私が途方に暮れていたら、成川先輩が口を開く。
「まぁまぁお義父さま、そんなに怒らないであげてください。聖那は“学生”として生活していただけなのですから」
「うちのバカ息子のせいで、沙希さんには寂しい思いをさせたね。でも、もうすぐ2人は結婚するから安心しなさい」
「っ……どういうことだよ、聞いてねぇぞ!?」
聖那さんが結婚という言葉に反応し、声を荒らげる。
よかった……聖那さんは結婚に納得してるわけじゃないんだ……
今までの聖那さんの言葉は嘘じゃなかったんだと安心する。
でも、聖那さんは婚約のこと、何も教えてくれなかったな……
一言くらい言ってくれても良かったのに……と複雑な気持ちになる。
……帰ろう
私は静かに寮へ戻った。
雨に打たれたからか、また体が熱っぽくなる。
せっかく治ったのに……寒い……。
そしてベッドに入り、深い眠りについた。
翌日目を覚ますと、昨日の雨が嘘だったかのように空は晴れ渡っていて、私のおでこには濡らされたタオルが置かれていた。
聖那さんがやってくれたのかな……?
大変なはずなのに、こんな時まで優しいなんて……ズルいよ、聖那さん……。
私、もう聖那さんと会えなくなるのかな?
聖那さんは成川先輩と結婚して、お似合いの夫婦になって……。
夫婦という言葉をいざ出すと、改めて事の重大さを思い知らされる。
私は今、聖那さんの婚約者という立場が羨ましくて、成川先輩に嫉妬している。
聖那さん、会いたい、会いたいですっ……。
布団をギュッと握る。
嫉妬って、こんなに苦しいものだったんだ……。
それを知り、1人で静かに、声を押し殺して泣いた。
午後5時、喉が渇いたから冷蔵庫の中を覗く。
あれ……もう飲み物なくなってる。
まだ聖那さんは帰ってきていない。
……成川先輩のところにいるのかな……
って、何回も考えてしまう。
でも。
聖那さんは必ず私のところに来てくれる。
そう信じて変装をし、学園の敷地内にあるショッピングモールへ行き、お茶やスポーツドリンク、水を計5本買った。
結構、重いんですけど……?
予想以上の重さに驚きながら、寮へ戻る。
ガチャッ
002号室のドアを開け……ふと、足元に目が行く。
あれ、これって……男性の革靴?
そう、そこには、聖那さんも普段履かないような革靴が散らばっていた。
えっ、中に誰かいるの……?
とリビングを覗くと。
「おかえりぃ……」
酔っ払っているらしきかなり美形の男性が。
リビングの机の上には、たくさんのお酒の空き缶があった。
ひとまず買ってきた飲み物を床に置く。
うっ、お酒臭い……って、いや、ほんとにどちら様……!?
部屋を出る時は確かにロックしたから、不法侵入……ってことになるけど、警備が厳重で出来ないだろうし。
どうしようとその場に立ち尽くしていると、その男性がゆっくり立ち上がった。
「あれぇ、女の子だぁ……ふふ」
「ひっ……」
徐々に近づいてくる。
来ないで………っ
その声も恐怖で出なかった。
「きみ、かわいいねぇ……」
これ、もしかしなくても相当酔っ払ってらっしゃる感じ……!?
「え、あ………」
あっという間に壁に追いやられてしまった。
逃げようにも両方を腕で塞がれている。
体がいつものように震え始めた。
いや、これは男性恐怖症でなくても震えるくらい怖い。
どうしようも出来なくてただ顔を逸らしていると。
ちゅ、と頬にキスをされた。
っ……う、そでしょ……?
あまりの出来事に涙が出てくる。
「えっ」
その男性が驚いた声を出したかと思うと。
玄関のドアを開け、リビングに駆け込んできた人物が1人。
それはもちろん聖那さんだった。
「っ、今日はアイツが……って、は?」
聖那さんは状況を把握するなり、その男性を突き飛ばし、私を片腕で抱き寄せる。
「っ、お前……!」
聖那さんめちゃくちゃ怒ってる……!
どうすればいいの?と慌てながらも、聖那さんに久しぶりに抱きしめられて嬉しい気持ちが胸に広がる。
怒りをあらわにした聖那さんを見て酔いが冷めたのか、その男性は許しを乞う。
「お、おい悪かったって。2人が一緒に住んでるの知らなかったんだから仕方ないだろ!?ちょ、聖那!お前の愛しの兄ちゃんが久しぶりに会いに来てやったのに、そこまで怒らなくてもいいじゃないか~」
えっ、愛しの兄ちゃん?
っていうことはこの人は……聖那さんのお兄さん!?
聖那さんに兄弟がいたことも知らなかった私には、とても衝撃だった。
お兄さんは必死に謝っているにも関わらず、聖那さんは容赦なく。
「別に愛してねぇし謝罪それだけかよ?俺の女に手ぇ出しといて……」
「あっ、やっぱりこの子聖那の彼女!?ねぇ君、違ってたらゴメンなんだけど、これって変装してる?」
っ……なんでみんなすぐ変装って分かっちゃうの?……って、あ。
それよりも訂正しなければならないことを思い出した。
「え、えっと……聖那さんのお兄さん。私、彼女では、ないです……」
私と聖那さんは付き合っていない。
ここはハッキリさせておかないと。
私の言葉に、お兄さんだけでなく聖那さんも目を見開く。
どうして聖那さんまで……?
「はあ?お前なんで告ってねぇんだよ、ビビり」
「っせぇ。それより実際は違うけど弟の彼女だって思ってて手ぇ出したんなら…どうなるかなんて、なあ?」
聖那さんが指を鳴らしながら言う。
「酔ってたんだよっ、ほんっとに反省してる」
「それで済んだら警察なんか……」
聖那さんがまだ続けようとするから止めに入る。
「せ、聖那さんっ、私はもう大丈夫ですから……っ」
「嘘つくな。今だって震えてんだよ」
私の右手をギュッと握りながら言う。
バレてしまった。
「……あ、はは……ちょ、ちょっと私、部屋戻りますねっ」
「あ、おい!」
そして全速力で自室へ駆け込んだ。
逃げ出したかったのもあるけど、ウィッグつけてるのが嫌だったんだよね……。
そしてウィッグを外す。
そこで思い出した。
そういえば私、飲み物床に置いたままじゃ……?
そしてリビングへ戻る。
「あれ、すぐ戻って……、っなるほどね……これは確かにやられるわ……」
聖那さんのお兄さんはこちらを見て何か言っているし、聖那さんは私の元へ飛んできて、自分の上着を雑に私に被せた。
「……変装やめんな、バカ優羽」
「えっ、ダメでしたか?聖那さんのお兄さんだからいいかなって……」
「お前さっきアイツに何されたか忘れたのかよ!?」
急に大きな声を出されてビックリする。
「ご、ごめんなさい……」
「っ……いや、今のは俺が悪かったな。まだ熱あるだろ、辛いか?寝てたほうが……」
聖那さんが体調の心配をしてくれる。
ふふ、私の知ってる優しい聖那さんだ……。
それが嬉しくて、熱があっても聖那さんと離れたくなかったから、
「いえ、聖那さんと一緒にいます」
とリビングにいることにした。
聖那さんはふいっと目線を逸らして。
「そう、か?でもアイツがいるから俺から離れんな。分かったな?」
「はいっ」
潔く返事をしたけど、内心お兄さんへの当たり強くない……?と苦笑い。
そして私が飲み物を冷蔵庫に入れようとすると、聖那さんが代わりに持ってくれた。
「ありがとうございますっ」
「ん、今なんか飲むか?」
「あ、えっと、じゃあお茶を」
そう言ったら聖那さんがコップにお茶を入れてくれた。
そしてお酒の空き缶を手で辺りに投げ捨て、リビングの机へ置いた。
これあとの掃除大変だな……。
と心配していると、聖那さんがいつもの特殊能力で私の考えていることを読み取り、
「掃除ならコイツがやるから気にすんな」
とお兄さんを指さしながら言った。
えぇ、そんなことやらせる訳には……と思っていたら、聖那さんがソファに座り、膝に座れとジェスチャーをしてきた。
指示通りちょこん、と膝の上に座ると。
「は?かわ」
「え?」
「いや、なんでもない」
聖那さんが何かを言った気がしたんけど……まぁいっか。
なんて思いながらお茶を飲んでいると、聖那さんの手が腰に回ってきて、ガッチリ固定された。
「聖那さん……?」
「来たからにはもう離してやんねぇよ?」
「っ………」
出た、聖那さんの不意打ち。
聖那さんにはいつもドキドキさせられてばかりいる。
「……あのー、2人とも?俺がいること忘れてない?」
ハッ、聖那さんのお兄さんいるんだった……は、恥ずかしすぎる……っ
でも聖那さんは全然平気そうで、
「まだいたのかよ」
とまで言っていた。
「ひでぇなお前……って自己紹介くらいさせろよ!えーっと、小戸森優羽ちゃんだよね。俺は聖那の兄の神代伊織(かみしろいおり)、よろしくね。3年前ここの生徒会長だったから、聖那とは3歳差。ちなみにここに入れたのは俺もカードキーもってるからなんだ。不法侵入じゃないから安心して欲しい」
なんで私の名前知ってるの……?
なぜこの部屋に入れたのかの謎がとけたと思ったら、新しい疑問が出てくる。
困惑していると、聖那さんが言った。
「優羽、よろしくなんてしなくていいからな」
「おいっ、なんでだよ」
「さっき優羽泣かせたのは誰だよ?」
「うっ、ほんとに悪かったって……」
「謝る相手が違うだろ?」
「優羽ちゃん、さっきは……」
「名前で呼ぶな」
「っ………」
えっ、ちょっと聖那さん!?
流石に伊織さんが可哀想だよ……。
「全然、名前で大丈夫ですよっ」
内心まだ少し怖いけど、勇気を出して言う。
「ありがとう優羽ちゃん。それと、さっきは酔ってたとはいえほんっとにごめん!」
「いっ、いえ……」
許さないなんて思っていないし、仮に思っていたとしても言えないくらい、イケメンの謝罪には謎の圧があった……
と感じていると、聖那さんが私の頬を持ち、くるっと強制的に顔の向きを変えさせられる。
聖那さんと目線が合う。
「今アイツのことカッコイイとか思ったろ?」
「そ、そんなことは……っ」
「いーや嘘だ。優羽は嘘つく時髪つつくんだよ」
「えっ」
そう言われて、いつの間にか髪をつついていた左手をパッと離す。
「自覚なかったろ」
「は、はい……」
聖那さん、どれだけ私のこと見てたらそんな癖まで見つけられるんですか……?
聖那さんを不安にさせてしまったから、謝罪代わりに。
「たっ、確かにカッコイイって思っちゃいましたけど、私が好きなのは……せ、聖那さんなので……」
「っ……へえ?」
すると伊織さんが声をあげる。
「お前らいい加減イチャつくのやめろ!」
ま、またやってしまった……。
「なんだようるせぇな……」
聖那さんがめんど、といった感じで言う。
「俺にそんなこと言ってもいいのか?」
「……なんだよ」
「今日俺がここに来たのは、父さんから伝言をもらってきたからだ」
「チッ……」
伝言って、多分婚約関係のことだよね……何言われるんだろう?
そう不安になっていると。
「優羽、ちょっとあっち行ってろ」
「え……?」
今さっき離さないって言っていた聖那さんに、まさかこんなことを言われるとは思っていなかったから驚きの声が出る。
聖那さん、私が成川先輩とのことを知らないと思ってるんだ………そんなに、私に教えたくないんですか?
「……聖那さん、私、知ってるんですよ?成川先輩と、婚約してること」
「っ、なんで……いや、待て。そうじゃないからな、優羽?」
必死になる聖那さん。
そうじゃないって、何がですかっ……?
「なんで話してくれなかったんですか?私、聖那さんに隠されてるって知った時、すごく、悲しかった……っ」
色んな意味が混ざった、複雑な涙が溢れてくる。
泣き出した私に聖那さんは慌てながら理由を話す。
「っ優羽、泣かないでくれ……言うタイミング逃して、言おうと思っても優羽が成川のこと尊敬してるって言うから、言えなかったんだ……」
「っ……それでも、ちゃんと話してくれればここまで不安にならずに済んだ、のに……っ」
「ほんとに、悪かった……」
聖那さんが抱きしめながら頭を撫でてくれる。
言ってもらえなかったのは悲しいけど、聖那さんは私のことを好きでいてくれてるって分かったから、このくらいにしておこう。
「……そろそろ話してもいいかー?」
伊織さんが気まずそうに尋ねてくる。
「あっ、す、すみません……っ」
私が謝ると伊織さんは話を始めた。
「まず結論から言うと、父さんは2人の交際を認めていない。聞くところ2人は付き合ってないみたいだがな」
認めていない。
その言葉を聞いて、どこか納得してしまう自分がいた。
「あのクソ親父っ………」
「聖那、話を最後まで聞け。父さんは認めていない。けど、優羽ちゃんが生徒会長になることが出来たら、交際を許すどころか婚約してやってもいいってさ」
「っほ、本当ですか!?」
「あ、ああ」
私の勢いに伊織さんが引いているのに気づかないくらい、私は嬉しかった。
「それ言ったの本当に父さんかよ……」
聖那さんも信じることが出来ていないみたいで。
「それほど蒼穹学園の生徒会長になることは名誉なんだろ。最近は世界でも通用するからな」
改めて蒼穹学園の凄さに驚きながら、私は嬉しさのあまり聖那さんに抱きついた。
「聖那さん、私、絶対生徒会長になりますっ」
「ああ、その時は思う存分愛してやる」
「っ……はいっ!」
そしてその後は、聖那さんが伊織さんに空き缶の片付けをさせた後乱暴に追い出し、
「優羽、一緒寝よ?」
と言われたので、私たちは一緒に聖那さんのベッドで眠りについた──。
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