この恋は、曰く付き

あしゅ太郎

文字の大きさ
22 / 23

“れんれん”でおるん、もう無理かも(2)

しおりを挟む
「あ、あっ、碧生くん……っ、やっ……やめて、もぉ、あかんて……っ、んぁっ……!」

何度も高められた身体は、もう自分じゃどうにもできないくらいに熱くなってて、頭の奥まで蕩けそうなのに、碧生の動きだけは容赦なくて――

「も、もう嫌やっ……っ、これ以上……っ、イけへん、からぁ……っ!」

涙と涎と、そこからこぼれた熱い体液とで、蓮華の下半身はぐしょぐしょだった。
喉から漏れる声はもう息も絶え絶えで、肩も背も震えてるのに、碧生は――そんな蓮華を、いつも通り優しく笑って見下ろす。

「……もうイけない? 嘘でしょ?」

「ッ……え……?」

「じゃあこれ、続けててもいいですよね? ほら、“イかない”んですもんね?」

そう言った瞬間、碧生の腰が角度を変えて、ぐり、と敏感な奥を――まるで探り当てていたかのように、えぐる。

「っ、あ”ッ……! あ、んああぁっ……!!」

その瞬間、蓮華の身体が跳ねた。
腰が浮いて、つま先がピンと伸びて、口からは言葉にならない悲鳴がこぼれる。

「ほら……今、中、きゅぅって……すごい締めつけましたよ? 嘘つかないでくださいね、蓮華さん」

「やっ、うそ、ちゃ……っ、あかん、も、もぉ、ほんまにぃ……ッ」

「……え? 今イったじゃないですか。びくびくして、可愛かったですよ。ぴゅって……」

「っ~~~~……っ!!」

碧生の声はやさしくて、でも完全にからかってる。
笑いながら、どちゅっ、どちゅっ、と容赦なく突きあげてくる。

「だって、“イけない”んですよね? じゃあ、もっとこうしても大丈夫ってことですもんね」

「ちが、っ……や、も、やすませて、ほんま……もぉ、むりぃ……っ」

泣き声で訴えても、碧生の反応は変わらない。むしろ――にこっと笑って、首を傾げてくる。

「ええ、嘘なんでしょ? ……“止まって”も、“休憩したい”も。ね?」

「ち、ちゃうっ…ほんまに、もっ……っ」

「……わかってますって。“もっと”ってことですね。――はい、じゃあ、もっと気持ちよくなりましょうね」

再び深く押し込まれ、敏感な場所をぐりぐりと擦られるたびに、
蓮華の身体は意思とは無関係に跳ねて、
またびくびくと――果てた。

「あ、またイった。……ふふ、やっぱり嘘ばっかりですね、れんれん」

その声に、蓮華は涙をこぼしながら、痙攣する脚を碧生にしがみつかせて――
それでも、やっぱり「もっと」の言葉を呑み込めずにいる。

そのすべてが、碧生にはたまらなく愛しく、そして、可愛くて仕方なかった。

---

「……ん、っ……く、うぅ……っ」

何度も、果てたはずの身体が、まだびくびくと余韻を引きずっている。
脚に力が入らない。息もまともに整えられない。
それでも、碧生の腕に包まれた蓮華は、もう逃げることもできずに身を預けていた。

碧生は、そんな蓮華の髪に唇を落として、やさしく撫でる。

「……がんばりましたね、蓮華さん」

「……もぉ、がんばってへん……勝手に、碧生くんが……」

「ふふ……それでも、ずっと可愛かったです」

汗と涙でぐしょぐしょになった頬を、碧生が指でそっと拭う。
あまりにもやさしくて、蓮華はまた、ぽろりと涙をこぼした。

「……なんで、こんな……やさしいん……」

「蓮華さんが、大事だからですよ。……誰よりも、好きですから」

その一言に、胸がきゅうっと締めつけられた。

「……っ、……俺も……や、も、前からずっと……」

声が震える。喉の奥がつかえて、言葉がうまく出てこない。

「ずっと……碧生くんのこと……好きやって、思ってて……」

「……はい」

「でも、俺……ややこしいし、変に意地張るし……ほんまは、ぜんぶ怖かって……」

碧生がその手を握ってくる。
握られた指の温度が、蓮華の心にじんわりとしみていく。

「……なあ、碧生くん……」

「はい」

「俺……、……碧生くんのこと、ほんまに……ほんまに好きや。……ずっと、そばにおってほしい……」

碧生は驚いたように目を見開き、そして、ふっとやわらかく微笑んだ。

「……嬉しいです。ずっと言ってほしかったです、その言葉」

「……恥ずかしいこと、言わせすぎやで……ばか……」

「じゃあ、お返しにもっと恥ずかしいこと言わせちゃおうかな」

「やめぇっ……!」

再び胸元に顔をうずめた蓮華の髪に、
碧生はそっとキスを落とす。

心まで重なったぬくもりが、
さっきまでの乱れた呼吸とは違う、深くやさしい静寂を連れてきた。

「……大丈夫ですよ。もう逃がしませんからね、れんれん」

「……逃げへんて……お前がおったら、どこにも行かへんよ……」

そうぼそりとこぼす声が、
いちばん甘くて、いちばん素直な本音だった。

---

ベッドのシーツは、すっかり乱れていた。
重ねた熱の余韻が、まだ空気に溶けている。
けれど、その中で――蓮華は穏やかな呼吸に身をゆだねていた。

「……落ち着きました?」

碧生が背中をそっと撫でながら、優しく声をかける。
蓮華は、碧生の腕の中にすっぽり収まったまま、目を閉じたまま、かすかに頷いた。

「……ん。落ち着いた……けど、全身だる……」

「ふふ、ですよね。……でも、すっごく可愛かったです」

「うっさい……っ」

抗議の言葉も、もう力が入らなくて。
蓮華はほおを赤くしながら、ゆっくり目を開けて碧生を見上げる。

「……お前な、毎回こうやって、褒めちぎって……恥ずかしいこと言わすん、やめてくれへん……?」

「だって、素直なれんれん、俺の特権ですよ?」

「はぁぁ~~~……ホンマずるい……っ」

小さくため息をついて、でもその顔はどこか安心したようで。
碧生はそんな蓮華の額にキスを落とすと、すぐそばのサイドテーブルに手を伸ばして、ペットボトルの水を開けた。

「ちょっと飲みます? 喉、乾いてますよね」

「……ん。ありがと……」

キャップを外して口元に運ばれる水を、蓮華はおとなしく受け取る。
数口飲んで、「ぷはぁ……」と少し息をつく姿に、碧生がくすっと笑った。

「なに笑ってんねん……」

「いや……れんれん、なんか、すごい“無防備”で。可愛いなぁって」

「……ほんなことばっか言うと、また次のライブのMCで噛むからな、俺……」

「噛んだって、照れて真っ赤になったって……俺はちゃんと見てますよ」

「……怖いなぁ……ファンの中に、そんなんおるとか……」

「“そんなん”じゃなくて、恋人です」

ぴしっと言われて、蓮華はまた顔を赤くする。

「……っ、はいはい……。……そやけど、今日、なんやったん? やたら攻めてくるやん」

「……実はずっと、こうしたくて我慢してたんです」

碧生は小さく息を吐いて、微笑んだまま蓮華の頬に触れる。

「れんれんって、俺の前でだけ、崩れてくれるでしょう? ……それが、すごく嬉しくて」

「……そんなん、普通にしてられへんやろ……お前、ああいう顔で、あんなこと言うから……」

「じゃあ、これからも俺にだけ、いっぱい崩れてくださいね」

「……やられっぱなしも悔しいからな、覚えとけよ、ほんま」

そう言って目をそらす蓮華の指を、碧生がそっと握る。
そのまま、互いの手を絡めたまま、ふたりは静かに身体を寄せ合った。

「……今夜、泊まってくれますよね?」

「……あたりまえや。俺が先に寝ても、ほっとくなよ」

「絶対に。ずっと抱きしめてますから」

ミラーの天井に映る、裸のまま眠りに落ちかけるふたりの姿は――
誰にも見せたくないほど、甘くて、とろけそうに幸せな色をしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?

monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。 そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。 主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。 ※今回の表紙はAI生成です ※小説家になろうにも公開してます

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

僕たち、結婚することになりました

リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった! 後輩はモテモテな25歳。 俺は37歳。 笑えるBL。ラブコメディ💛 fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。

処理中です...