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しおりを挟む「ほら、寝ちゃう前に電話しよう」
「書いてあんだろ、今からメール流すって」
「うん」
「今日決めたセトリをメンバーに共有すっから」
「じゃあ、ちょっと時間置こうか」
「いや、こいつこの3日くらい寝てねぇから、勘弁してやってくれよ」
ほんと、代われるもんなら俺がメール流して、こいつには一秒でも早く寝て欲しい。立場的に、宵闇からのメールじゃないとダメだから、代わってやれないんだけど。
「そうなんだ? 忙しかったの?」
「ああ、MVの編集作業とリハで、昨夜うちで寝た以外は殆ど寝てねぇ」
「あー、そうなんだ。じゃあやめとこっか」
流石にリュウトくんも、ちょっと納得してくれた。危なかった。
「返事だけ早く返してあげよう」
「だな」
入力欄に「呑んでる。今日は程々にする。ゆっくり休めよ。おやすみ」だけ書いて送信する。
「何て返したの?」
「いや、普通に」
「普通って? 見せて」
「あー? 何で」
「普通ならいいじゃん」
リュウトくんはテーブルを乗り越えて、俺の手からスマホを奪う。
「ちょ、おいって」
「ふーん。物足りないなあ」
にこーっと笑うと何か操作を始める。
「おいおい、何してんだよ!」
慌てて取り上げる。ダメだ、こいつもう酔ってるわ。すげぇ呑めるし強いけど、酔っ払うんだよこいつは。早いうちにハイテンションになって、それがずっと持続するっていう、手はかからねぇけど迷惑なタイプだ。
「送っちゃったー」
何だと!? めちゃめちゃ楽しそうな顔して余計なことを! 画面を見ると、くまとうさぎがラブラブしてるスタンプが既に送信済になってる。このバカ! やべぇこれ死ぬほど恥ずかしい!!
急いで「イタズラされた! 気にすんな!」って送る。やめてくれ、マジで。
すぐに、笑い転げてるピカチュウの動くスタンプが帰って来た。笑ってんなら良かった。
目の前ではリアルにリュウトくんが笑い転げてるけどな。殴るぞこら。
「言い訳したぁ?」
「したした。イタズラされたって送ってやった」
今度はがっちりスマホを持って見せる。
「あはははは、ピカチュウ転がってるー!」
お前、楽しそうでいいな。それにしても、宵闇はどんだけピカチュウのスタンプ持ってんだ。
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