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009:排尿の仕組みを演壇で解説させられながら実演おもらしする話【小スカ CPなし】
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円城寺(えんじょうじ)
彼の視点から描いています。アルバイトを掛け持ちしている苦学生。つい授業中にウトウトとしてしまったことで教授に呼び出しを受ける。
松元(まつもと)
高校時代野球部に所属していた絶賛髪伸ばし中の普通の大学生。
新たな友達も出来大学ライフをエンジョイ中。特に上坂とは仲がよくいつも一緒に行動している。
上坂(かみさか)
普段は案外真面目に授業を聞いているものの、友人の松元が悪ふざけをするとつい乗ってしまう。
そのため教授から呼び出されることになってしまった。
教授
神経質で冷たい印象のある教授。解剖学の教授である(多分)。
……………………
「というわけで今日の講義は終わりだ。終了した時間に今日の講義を特別に分かりやすく掘り下げて解説をしよう…来たい者は来るように。上坂、松元、円城寺の三名はこの後私のところへ来なさい。以上」
教授が神経質そうな、冷ややかな声色でそう言うと名を上げられた三名がぎくりと顔を上げた。
講義を聞いていなかった者が名を上げられたのは明白だった。
「で、そこの三人は私の講義中に私語、居眠りをしていたわけだが…今日の講義の内容は理解しているのかね」
「えーとですね、一応聞いてもいたといいますか…その…」
「曖昧だな…私は曖昧なものが一番嫌いなのだよ。分かるかね」
教授の言葉には疑問符がない。
言い捨てるような冷たい物言いに上坂と松元は肩をすくめ、円城寺は俯いて黙っている。
「まあ良いだろう。今回の特別講義を手伝うならば今日のことは不問としよう」
「え、ありがとうございます!」
「役割を決めたい。五分ばかり時間を貰おう…」
そう言ってそれぞれが別室に教授に呼ばれ、今日の講義の内容をどの程度理解しているかを確認される。
円城寺が訪ねると、上坂とその友人の松元も同じように言われたらしい。
教授からは小便が溜まりやすくなるよう珈琲をもらっていた。
何やら実際にガマンすることで筋肉の動きを意識して理解するようにと言うことらしい。
そうして午後の講義のない時間、想像より多い生徒が講義を聞きにやってきていた。
「では、今日の復習になるが今から腎臓と膀胱の働きを説明する。まずは………松元くんが良い。あと二人も前に出なさい。」
「ひぁ…は、はい…」
松元の様子はいつもと違っていた。
人前で緊張するタイプだとは思っていなかったが、身体を強ばらせて上ずる声を必死で堪えている様子が見て取れた。
教授が彼に一つのパネルを持たせる。
腎臓と膀胱、そして尿道までが描かれている解剖図だ。
それが丁度彼の身長に合い、まさに彼の体が透視されているように思えた。
「えー…まず腎臓の役割は前回説明したとおりだが、どのように膀胱に尿が貯まるか分かるかね円城寺くん」
「え?は、はい!腎臓で作られた尿が膀胱に溜まります」
「もっと詳しく」
教授の厳しい言葉に戸惑いながら「腎臓から尿管を通って膀胱に貯まります」と付け加えた。
「大雑把に言えばその通りだが、私の授業を聞いていなかったことがよく分かるな。よく聞きたまえ。腎臓には栄養素や酵素のほか、全身の臓器の老廃物や有害物質などが血液として運ばれてくる。血液が腎臓に流れ込むと糸球体糸球体で老廃物などがろ過されて原尿が作られるのだ。そして尿細管を通る際に原尿のおよそ99%の必要な成分が再吸収され腎盂に集められ、残った1%が尿として尿管を通って膀胱へ溜まる。これが正確な答えだ。理解したかね」
円城寺を含め、上坂と松元も緊張した様子で返事を返す。
解剖図のパネルを持たされた松元は緊張しているのか顔が引きつっているように見えた。
「今まさに彼の膀胱にもその現象が起きていると言えよう。どうだね松元くん膀胱に尿が溜まっているのを感じるかね」
「あ、あの…教授……申し訳ないんですが…ちょっと、ト、トイレに…」
よく見れば松元が落ち着きなく足を組み替えている。
くすくすと笑いが起こり松元の顔が赤くなったが、それどころではないのか助けを乞うように教授にだけ視線を投げかけている。
しかし教授は表情を崩さずに言い切った。
「2度も私の講義を放棄したいのであれば好きにしたまえ」
「…もう少し…が、我慢します……」
そう松元は答えたが、意識して見ればもう結構限界のように見えた。
人前だというのに腹部をかばうようにわずかに前かがみで何度も足を交差させる仕草を抑えられずにいるようだった。
「よかろう、それでは続ける。膀胱に溜まった尿が排出されるまでの仕組みを円城寺くん答えたまえ」
「は…はい…ええと、尿管から尿が蓄積され、一定の量が溜まると膀胱が不随意に広がり尿を貯めることができます。膀胱が広がると神経伝達により括約筋の弛緩が始まり尿意を催します」
教授が渋い顔をした。
「5点だ、円城寺くん。曖昧な答えは間違いと同義…君は何のために人体の構造を勉強している。では質問を変えよう。松元くん、健康人の尿は1時間にどのくらい作られるか知っているかね」
突然質問を振られたが松元は講義を意外と聞いていたのかすぐに「体重1kg当たり1時間に1mlだと思います」と、絶えず足元をふらつかせながらそう答えた。
「そうだ。先ほど円城寺くんが括約筋と簡略して答えて“くれた”が、括約筋には諸君も知っている通り内尿道括約筋と外尿道括約筋の2種類が存在する。膀胱は約500mlの尿が蓄積すると、収縮し内尿道括約筋を強制的に開き始める。ではどうして尿をコントロールすることができるか松元くんは分かるかね」
「ず、随意的な外尿道括約筋でコントロールし、して………教授…あの…」
松元の言葉はそれ以上続かなかったが、何を言いたいのか十分に伝わった。
教授の横に立たされた円城寺たちにはそれが出てくる音までもよく聞こえた。
松元は尿意を堪えきれなかったのだ。
下着の中で行き場を無くした小便がジョゥゥとくぐもった音を出し、遅れて足元に黄色い水たまりが大量に広がっていった。
「その通りだ松元くん。理解していても講義は聞きたまえ。今日の講義は特別にこれで良しとしよう…下がって良し」
教授はサッと素早くタオルを取り出し足を使って床を拭き上げるとパネルを持ったままの松元をさっさと講義室から退出させてしまった。
「では上坂くん前に出たまえ。先ほどの説明の続きだ」
教授の横に出た上坂が傍で耳打ちをした。
「教授…もしかして漏らすまで終われないんですか?」
「そんなことはない。講義を放棄するのも自由だ。単位がほしくなければだがな」
上坂はあからさまに困ったような、泣きそうな表情を浮かべた。
いくら珈琲を飲んでいたからといって、そこまで切迫することがあるだろうかと円城寺は疑問に思った。
何故なら円城寺自身も教授からもらった珈琲を飲んでいたからだ。
「では続けよう。先程松元くんが答えたとおり尿は随意的な筋肉である外尿道括約筋がコントロールしている。上坂くんは今尿意はあるかね」
「…あります」
「いつから感じている?」
「30分くらい前から…少し」
「そうかね。今はどの程度の尿意があるかね」
言いづらそうに上坂が口を開く。
「結構……ヤバい感じです」
「ふむ、では円城寺くん、彼が尿意を感じたとき膀胱にはどのくらいの尿が貯まっていたと考えられるね」
「300mlくらい…ですか…?」
「ふむ…一般論を言うなら答えはノーだ。膀胱が約200mlの尿で満たされると膀胱壁の伸張受容器が排尿反射を誘発し、膀胱壁が収縮・内尿道括約筋が弛緩し始め尿意を催すのだ」
教授が持っていた棒で上坂に持たせた膀胱のパネルを二回叩いた。
上坂は、うっと呻いてパネルから体を離す。
「つまり上坂くんの言葉をそのまま信じるならば、30分間で約300mlの尿が溜まったことになる。上坂くん体重は?」
「え、と…65kg…です」
「つまり?円城寺くん」
「は、はい、一時間に65mlなので30分だとその半分の約33mlです」
「そうなると上坂くんは10倍近くの速度で尿が溜まったことになる。実に不思議なことだ…」
教授がいつもの冷たい目線をこちらに送ってきたと思ったが、上坂はその顔を恐ろしいものでも見るように目を丸くし、絶望の表情を浮かべた。
だがこの時には円城寺には何のことだか分からなかった。
「き、教授…」
「講義を続けても良いかね上坂くん。それとも出て行くかね」
「聞きます…」
そう答えるしかないのは円城寺も理解した。
この単位は落とすべきではないのだ。
「ちなみにだが珈琲には利尿作用があるが、何故か分かるかね、円城寺くん」
「え?えーと……すみません…分かりません」
「君は先ほどの説明を忘れてしまったようだな。利尿作用の正体はカフェインが尿細管での水分や電解質の再吸収を阻害することで起こる。本来なら体内に戻るはずだった原尿が、そのまま膀胱へ流し込まれるというわけだ」
説明の間中、上坂はじっと動かずにパネルを持ち続けていた。
松元のことが気になってあのようなリアクションをしていたに違いないと円城寺は思った。
「では円城寺くんこれが最後の講義だ。男女の構造上膀胱までは同じであるが、では男性の場合の構造の説明をしたまえ。パネルを見ながらで結構だ。上坂くんはみんなにパネルがよく見えるようにまっすぐ立ちたまえ」
そういうと教授は円城寺に棒(黒板などを指すときに教授がよく利用しているものだ)を渡した。
上坂はゆっくりと姿勢を伸ばして、鼻からゆっくりと息を吐いた。依然不安そうな表情だ。
「ええと…男性の尿道は個人差がありますが17cmからあり、場所ごとに三区分されています」
パネルの解剖図を指し示しながら説明を続ける。
「膀胱のすぐ下を内尿道括約筋と外尿道括約筋が前立腺を通るようにあり、その部分を“尿道前立腺部”と言い、ここは図の通り最も尿道の幅の広い部分になります。次に膜性尿道、最も狭い部分。その次に陰茎の海綿体部と言う最も長い部分の三つに区分されています」
「いいだろう。円城寺くんが読み上げてくれた通り、今500mlほど溜まっているであろう上坂くんの尿はこの外尿道括約筋のみでコントロールしていると言っていい」
教授がパネルを2回、パンパン、と強くたたいた。
上坂は何も言わなかったが、僅かに足をもたつかせるような仕草をしたあとズボンの裾からぽたぽたと水のようなものを滴らせた。
いや、それは明らかに尿である。
円城寺はそれに気づき動揺した。まさか上坂までもが講義の最中に公衆の面前で失禁してしまうのではないかと思ったからだ。
「教授…パネル、代わりに僕が…」
そう言いかけた円城寺は突きつけられた棒の先端を見つめて黙り込んだ。
答えはノーであるらしい。
「もし」
教授がパネルの括約筋の部分を叩き、言葉をつづけた。
「彼の外尿道括約筋が少しでも緩まれば尿道前立腺部まで来ている尿が膜性尿道、海綿体部を通って排尿されることになる。意思に反して排尿するのだからこの場合は失禁というのが正確だろう。上坂くん、今日の講義の内容を簡単にまとめて説明したまえ。それが出来たら君は下がってよかろう」
ようやく解放されるという言葉だったが、上坂は絶望し、青ざめた固い表情のまま口だけを開いた。
「栄養素などが含まれた血液が腎臓に運ばれ、糸球体でろ過された原尿となり、尿細管を通る際に原尿のおよそ99%が栄養素等を再吸収し腎盂に送られ、残りの1%が尿として尿管を通り膀胱へ貯蔵されます。尿は約200mlを貯蔵すると膀胱壁が伸展し、それによって神経伝達の働きが起こり尿意を感じ同時に内尿道括約筋が弛緩し始め排尿が可能になります。そして約500mlの尿を貯蔵した場合内尿道括約筋が強制的に開き始めます。内尿道括約筋と外尿道括約筋を通る尿道を尿道前立腺部、続けて膜性尿道部、海綿体部と区分づけられています」
上坂は淡々と言い淀むことなく説明を行った。
言い終わったころ、上坂は自分の体を通っていく尿の実況をしていたようなものであっただろう。
堪えていた尿が、恐らく全て体外に排出されていた。
教授の説明の通り500mlは超えるであろう大きな濃い臭いの立つ水溜まりが足元で主張していた。
「いいだろう、上坂くんはよく分かっていたようだが、今回の講義ではより深く理解できただろう。今後もしっかりと講義を聞いて理解を深めるように。下がってよし」
「……は、い…」
張り付くズボンが気持ちが悪そうに、上坂もぎこちない動きで講義室を後にした。
「それと円城寺くんは全体的に理解が足りない。仕事も結構だが講義に集中できなければ意味がないと思いたまえ。君も行ってよし」
こうして地獄のような講義(特に二人にとっては)が終了したのだった。
後日談として、不思議と二人の粗相のうわさは学内に広がることはなかったという。
―――――――
この界隈で活動してたら尿の仕組みについて気になりすぎて、調べまくった知識をせっかくなので小説に落とし込みました。
その時は難しい…と思って一生懸命調べましたが、今やAIに尋ねたら一発で答えが返ってくるんですよね。ハルシネーションはよくあるけど。
この作品のことも医学的に変なとこないか聞いたら、大丈夫だって言ってた。
でも一点指摘受けたからここでネタバラシすると、漏らした二人は教授に利尿剤入りのコーヒーを飲まされてました。
でも主人公は真面目だから(知識覚えてないけど)利尿剤は見逃されました。
二人の噂が広がらなかったのは教授が何かしらの手を回したからです。
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