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第18話 【着火】マンは銀のグリフォン団の戦いを見守る
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エリシアの魔法はだんだんと上手くなっていった。
何かコツを掴んだみたいだね。
「ハカセが見ていてくれるから、安心なのよ」
「エリシアの役に立てて嬉しいよ」
特訓を初めて三日目だが、もうほぼミス無くファイヤーボールを四発、撃てるようになった。
「エリシア、調子いいな」
フロルが薬草袋をぶらぶらさせながらやってきた。
「だんだん慣れて来たわ」
「そろそろレイラさんに試験を申し込むか?」
「う、うん、頑張るっ」
D級昇格試験に受かれば、銀のグリフォン団はダンジョンに入れる。
私も楽しみだ。
「試験かあ、筆記がなあ」
「チョリソー、私と一緒に勉強するかい?」
「ハカセなんかは勉強しなくても受かるだろ」
「いや、迷宮の事はあまり知らないからね、私も勉強は必要だよ」
「そりゃいいや、俺も参加していいか」
「もちろんだよフロル。実技の試験は何をするんだい?」
「それぞれの職業の先輩と模擬戦だぜ、まあ、大体受かるぜ」
私だと魔法使いと模擬戦か。
【着火】は威力が強すぎるのだが、大丈夫なのか。
「私は神父さんと治癒合戦するのよ」
「俺は宝箱の鍵開けだー」
「まあ、一発で合格しなくてもな、何回でも受けられるし、肩の力を抜いていこうぜ」
「あああ、なんか緊張してきちゃった~」
フロルが不意に真面目な顔で私を見上げた。
「その後はハカセはどうするんだ?」
「どうするって?」
「ずっと一緒に冒険者をやる訳じゃないんだろ」
ああ、確かにね、銀のグリフォン団はダンジョンの浅い階まで一緒だけど、その後は中級パーティに移って、最後は黄金の禿鷹団の人と一緒に最深部につれていってもらう感じだ。
「浅い階までは一緒だよ、その先は別のパーティに入れてもらうつもりだ」
「そうか……、寂しくなるな、でもしょうがねえなっ、ハカセはすげえ奴だから、いつまでも俺たちが独占してちゃ筋が通らねえよな」
「どこに行ってもさ、私は銀のグリフォン団のメンバーだよ、銀のグリフォン団から出向で深い所に行くパーティに参加するだけさ」
「お、おお、それは良いな、うん、そうだな」
強がってはいるがフロルは寂しそうだな。
「でも、まだまだ一緒だ、よろしく頼むよ団長」
「お、おうっ、ハカセは大事な仲間だからな、気持ちよく送りだしてやるよっ」
「本当にハカセと会えて良かったわ」
「さみしいけどしょうが無いわね」
「中層に行くパーティだけどさ、母ちゃんのパーティとか、フロルの父ちゃんのパーティに混ぜてもらえば?」
「おお、そうだよっ、ハカセの事、オヤジは凄く気に入ってたしな」
「俺の母ちゃんも久々に女の顔をしてたぜ」
「んもう、やらしいわねチョリソーはっ」
この三日で、銀のグリフォン団の父兄と出会い、夕食をご馳走になったり、お酒を飲んだりした。
みんな気の良い人達で、私の事を気に入ってくれた。
そうか、中層に行くパーティは、彼らにお願いしても良いね。
とりあえず、迷宮慣れをして、潜り方を覚えないと、黄金の禿鷹団のお荷物になってしまう。
私がお金を出して護衛に雇う訳では無いから、ちゃんと役に立たないとね。
それこそ、筋が通らねえ、だ。
薬草袋がパンパンになったので、二回目の納品に向かおうと街門に向けて歩き出した。
草原の踏み分け道にトレカーテの流星が居た。
ニヤニヤ笑っている。
「なんだよ、流星」
フロルが機嫌の悪そうな声で聞いた。
「へへへ、おいガキども、その薬草を置いていけ」
「ああ? 何言ってんだ、おまえ」
「しかたねえから俺もE級から始める事にしたんだけどよお、ドブ掃除とかまっぴらごめんなんだ。だから薬草取りをするガキから薬草を分捕る事にした」
なんだかなあ。
二つ名が付いてる人間のやることじゃないだろう。
「ドブ掃除しろよ、薬草取りしたいなら真面目に自分で取れ。レイラねえちゃんはそういうの厳しいぞ」
「うるせえ、冒険者ってのは頭を使わなきゃ出来ねえ商売なんだ、お前達は今日から俺の為にせっせと薬草を採って献上するんだ、いいなあっ!!」
「良くねえよ、筋が通らねえ、うせろクズめっ」
「つけあがんじゃねえーっ!! ガキめーっ!!」
流星は激しく怒鳴って剣を抜いた。
「戦闘準備!!」
「「「りょうかいっ!!」」」
フロルの号令で銀のグリフォン団は薬草袋を投げ捨て戦闘隊列を組んだ。
「ハカセは見ててくれ、【着火】は強すぎる、殺しちゃうから」
「あ、ああ、だけど、大丈夫かい?」
「まかせろ、こんなクズ一匹」
「なんだとーっ!! おまえっ!! 俺が怖くないのかーっ!!」
「ガキを脅かして稼ぎをかすめ取ろうってクズなんか怖くねえよ。だいたい、お前、剣を使えねえだろ」
「……」
確かに、流星の構えは重心がぶれていてかっこ悪い。
フロルの構えは小盾を前にして短剣を構え、どっしりとしている。
「馬鹿にしやがってーっ!! きえええええいっ!!」
ガチーン。
汚い気合いと共に振り下ろされた流星の剣はがっちりと小盾に受け止められた。
『我は請願す、岩のような頑健な肉体を我が友に与えたまえ』
『そは灼熱の諸元の組成、根源の地より来たれ、我が敵を打ち砕け』
ラトカの地属性一階位の【頑健】とエリシアのファイヤーボールが同時に発動した。
「ひやあああっ!!」
流星は悲鳴を上げてファイヤーボールを避けた。
チョリソーがボーラ(二つの石を紐で結んだ投擲具)をブンブンと振り、流星の足下に目がけて投げつけた。
「あっ、あっ、卑怯だぞっ、あーーっ!」
流星の足にボーラが絡みつき奴はよろめいた。
「終わりだっ!! 流星ー!!」
【頑健】が掛かったフロルが小盾を前に構えて突進した。
ドカーン!
流星は盾を腹に受けて吹っ飛んだ。
フロルはすかさず馬乗りになって、流星の首に短剣を添えた。
「降伏しろ」
「わ、わかった、ゆ、ゆるしてくれ」
「ゆるさん、他の子供グループに悪さしかねねえからな、チョリソー」
「あいよう」
チョリソーは流星の足に絡んだボーラを外してそれで後ろ手に奴を縛った。
「君たちは、強いなあっ!」
「そ、そんな事はねえよ」
「ふつーふつー」
そう言いながらも、みんなの表情は明るい。
しかし、みんな思ったよりちゃんと戦えるんだな。
連携が凄かったなあ。
良い物を見た。
「うんうん、ファイヤーボール出てよかった」
「顔色悪いわよ、マジックポーションを飲みなさいよ」
「も、勿体ないからラトカ治して」
「んもう、締まらないわね」
などと言いながらラトカはエリシアに【譲渡】を掛けてあげていた。
何かコツを掴んだみたいだね。
「ハカセが見ていてくれるから、安心なのよ」
「エリシアの役に立てて嬉しいよ」
特訓を初めて三日目だが、もうほぼミス無くファイヤーボールを四発、撃てるようになった。
「エリシア、調子いいな」
フロルが薬草袋をぶらぶらさせながらやってきた。
「だんだん慣れて来たわ」
「そろそろレイラさんに試験を申し込むか?」
「う、うん、頑張るっ」
D級昇格試験に受かれば、銀のグリフォン団はダンジョンに入れる。
私も楽しみだ。
「試験かあ、筆記がなあ」
「チョリソー、私と一緒に勉強するかい?」
「ハカセなんかは勉強しなくても受かるだろ」
「いや、迷宮の事はあまり知らないからね、私も勉強は必要だよ」
「そりゃいいや、俺も参加していいか」
「もちろんだよフロル。実技の試験は何をするんだい?」
「それぞれの職業の先輩と模擬戦だぜ、まあ、大体受かるぜ」
私だと魔法使いと模擬戦か。
【着火】は威力が強すぎるのだが、大丈夫なのか。
「私は神父さんと治癒合戦するのよ」
「俺は宝箱の鍵開けだー」
「まあ、一発で合格しなくてもな、何回でも受けられるし、肩の力を抜いていこうぜ」
「あああ、なんか緊張してきちゃった~」
フロルが不意に真面目な顔で私を見上げた。
「その後はハカセはどうするんだ?」
「どうするって?」
「ずっと一緒に冒険者をやる訳じゃないんだろ」
ああ、確かにね、銀のグリフォン団はダンジョンの浅い階まで一緒だけど、その後は中級パーティに移って、最後は黄金の禿鷹団の人と一緒に最深部につれていってもらう感じだ。
「浅い階までは一緒だよ、その先は別のパーティに入れてもらうつもりだ」
「そうか……、寂しくなるな、でもしょうがねえなっ、ハカセはすげえ奴だから、いつまでも俺たちが独占してちゃ筋が通らねえよな」
「どこに行ってもさ、私は銀のグリフォン団のメンバーだよ、銀のグリフォン団から出向で深い所に行くパーティに参加するだけさ」
「お、おお、それは良いな、うん、そうだな」
強がってはいるがフロルは寂しそうだな。
「でも、まだまだ一緒だ、よろしく頼むよ団長」
「お、おうっ、ハカセは大事な仲間だからな、気持ちよく送りだしてやるよっ」
「本当にハカセと会えて良かったわ」
「さみしいけどしょうが無いわね」
「中層に行くパーティだけどさ、母ちゃんのパーティとか、フロルの父ちゃんのパーティに混ぜてもらえば?」
「おお、そうだよっ、ハカセの事、オヤジは凄く気に入ってたしな」
「俺の母ちゃんも久々に女の顔をしてたぜ」
「んもう、やらしいわねチョリソーはっ」
この三日で、銀のグリフォン団の父兄と出会い、夕食をご馳走になったり、お酒を飲んだりした。
みんな気の良い人達で、私の事を気に入ってくれた。
そうか、中層に行くパーティは、彼らにお願いしても良いね。
とりあえず、迷宮慣れをして、潜り方を覚えないと、黄金の禿鷹団のお荷物になってしまう。
私がお金を出して護衛に雇う訳では無いから、ちゃんと役に立たないとね。
それこそ、筋が通らねえ、だ。
薬草袋がパンパンになったので、二回目の納品に向かおうと街門に向けて歩き出した。
草原の踏み分け道にトレカーテの流星が居た。
ニヤニヤ笑っている。
「なんだよ、流星」
フロルが機嫌の悪そうな声で聞いた。
「へへへ、おいガキども、その薬草を置いていけ」
「ああ? 何言ってんだ、おまえ」
「しかたねえから俺もE級から始める事にしたんだけどよお、ドブ掃除とかまっぴらごめんなんだ。だから薬草取りをするガキから薬草を分捕る事にした」
なんだかなあ。
二つ名が付いてる人間のやることじゃないだろう。
「ドブ掃除しろよ、薬草取りしたいなら真面目に自分で取れ。レイラねえちゃんはそういうの厳しいぞ」
「うるせえ、冒険者ってのは頭を使わなきゃ出来ねえ商売なんだ、お前達は今日から俺の為にせっせと薬草を採って献上するんだ、いいなあっ!!」
「良くねえよ、筋が通らねえ、うせろクズめっ」
「つけあがんじゃねえーっ!! ガキめーっ!!」
流星は激しく怒鳴って剣を抜いた。
「戦闘準備!!」
「「「りょうかいっ!!」」」
フロルの号令で銀のグリフォン団は薬草袋を投げ捨て戦闘隊列を組んだ。
「ハカセは見ててくれ、【着火】は強すぎる、殺しちゃうから」
「あ、ああ、だけど、大丈夫かい?」
「まかせろ、こんなクズ一匹」
「なんだとーっ!! おまえっ!! 俺が怖くないのかーっ!!」
「ガキを脅かして稼ぎをかすめ取ろうってクズなんか怖くねえよ。だいたい、お前、剣を使えねえだろ」
「……」
確かに、流星の構えは重心がぶれていてかっこ悪い。
フロルの構えは小盾を前にして短剣を構え、どっしりとしている。
「馬鹿にしやがってーっ!! きえええええいっ!!」
ガチーン。
汚い気合いと共に振り下ろされた流星の剣はがっちりと小盾に受け止められた。
『我は請願す、岩のような頑健な肉体を我が友に与えたまえ』
『そは灼熱の諸元の組成、根源の地より来たれ、我が敵を打ち砕け』
ラトカの地属性一階位の【頑健】とエリシアのファイヤーボールが同時に発動した。
「ひやあああっ!!」
流星は悲鳴を上げてファイヤーボールを避けた。
チョリソーがボーラ(二つの石を紐で結んだ投擲具)をブンブンと振り、流星の足下に目がけて投げつけた。
「あっ、あっ、卑怯だぞっ、あーーっ!」
流星の足にボーラが絡みつき奴はよろめいた。
「終わりだっ!! 流星ー!!」
【頑健】が掛かったフロルが小盾を前に構えて突進した。
ドカーン!
流星は盾を腹に受けて吹っ飛んだ。
フロルはすかさず馬乗りになって、流星の首に短剣を添えた。
「降伏しろ」
「わ、わかった、ゆ、ゆるしてくれ」
「ゆるさん、他の子供グループに悪さしかねねえからな、チョリソー」
「あいよう」
チョリソーは流星の足に絡んだボーラを外してそれで後ろ手に奴を縛った。
「君たちは、強いなあっ!」
「そ、そんな事はねえよ」
「ふつーふつー」
そう言いながらも、みんなの表情は明るい。
しかし、みんな思ったよりちゃんと戦えるんだな。
連携が凄かったなあ。
良い物を見た。
「うんうん、ファイヤーボール出てよかった」
「顔色悪いわよ、マジックポーションを飲みなさいよ」
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