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宝ゲットもボス襲来
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「……それじゃあ、いってきますね……もしゴーレムがいたら助けに来てくださいね……」
僕は期待しないながらもゴンザレスにお願いする。
「もちろんだ。俺たちはパーティじゃないか!」
笑顔で白々しい嘘をつくゴンザレス。
しかし、僕の【鑑定】では確かにゴーレムの反応はなかった。この部屋にゴーレムがいないことを祈るしかない。
『ギィィィィイ』
重い扉を開く。長い間開いたことのないような鈍い音がした。
僕は部屋を見渡す。
それにしても薄暗い不気味な部屋だ……ダンジョンって感じだな。
しかし、ゴーレムはやはりいないようだ。
ホッとした所で、僕は部屋の奥へ向かう。
古いぼろぼろの宝箱。この中に【石化の首飾り】があるのだ。
「おい! 宝はあったのか?」
外からゴンザレスの声が聞こえる。
僕は宝箱の重いふたを開ける。
『ギギギギギ』
古い宝箱からはホコリが舞う。
「ゴホゴホ……すごいホコリだ。ん? コレは!?」
ホコリの煙の奥に光るものが見えた。【石化の首飾り】だ!
「こ、これが……?」
僕は【石化の首飾り】を掴む。
さすがは幻のアイテムと言われるだけのことはある。ズッシリと重く、不思議な魔力を感じる。
「隊長! ありました!」
僕は大喜びで外のゴンザレスに声をかける。
「おお! でかした! お前はやる奴だと信じてたぞ。早く出てこい!」
珍しく僕を褒めるゴンザレス。調子のいいやつだ。
僕は急いで部屋を出る。こんな不気味な部屋すぐに出たい。
このパーティとの数週間の旅がやっと終わる。自分には戦士団などまだ無理だったのだ。
村に帰り、家の農業を継ごう、僕にダンジョンは似合わない! 平穏に暮らそう! そう思った。
しかし……部屋の出口に差し掛かった、その時……
『ガガガガガガッッ!!!』
「!!!」
突然、ダンジョンが轟音とともに揺れだした。
「な、なんだ!?」
部屋の外のゴンザレス達も異変に気づく。
「おかしい、ゴーレムはいなかったのにどうして……?」
僕はあたりを見まわした。
すると
「! な、なんだコレは……?」
ダンジョンの壁に無数の目玉が現れた。
僕は悟った。このダンジョンそのものがゴーレムだったのだ!
宝を取られたときに目を覚ます魔獣なのだろう。
どおりで【鑑定】のスキルで反応がなかったはずだ。宝を取るまでは気配を消しているのだ。
もっとスキルレベルが高ければ見抜けたのかもしれないが、僕のレベルでは見抜くのは不可能だ。
『貴様が……侵入者か?』
ダンジョンが……ゴーレムが僕に問いかける。
「う、うぅ……」
目を覚ましたゴーレムに僕が敵うわけがない。僕は全力で部屋を出る。
「お、おい! どうなってんだよ! ゴーレムはいないんじゃなかったのか!?」
「くそ! やっぱりペルーサは最後までお荷物だな!」
ゴンザレス達もゴーレムの存在に気づいたようだ。僕のことなんか気にも留めず逃げている。
◇
ダンジョン全体が揺れている。宝を奪われたゴーレムは怒り狂っているのだろう。
地面はうねり、上からは岩石が降ってくる。
「はぁはぁ」
命からがら逃げている僕。もう体力の限界だ。
『ガッ』
地面の揺れに足を取られ転ぶ。
仰向けに倒れた僕。
その時、頭上に巨大な岩石が降ってきた!
「うぁああああ」
『ドーーーン!』
巨大な石に体を潰された僕は【石化の首飾り】とともに魔獣のひしめく崖底へと落ちていく……
◇
「ん……?」
どれくらい意識失っていたのだろうか。
僕は暗闇の崖底で目を覚ました。
おかしいな? 下半身に違和感が?
僕は足に目をやる……
「うああぁぁぁ!!!!」
それと同時に両足に激痛が走った!
真っ暗で何も見えない。だが恐らく岩に両足が潰されている……
「う……うぅ……」
息もできないほどの激痛だ。全身、あちこちの骨が折れているのだろう。
このままこの暗闇で死ぬのか……そう思った。
思えば珍しい2つのスキルも持ち、レベルも低いのに浮かれていたのだ。
両足に回復魔法をかけるもなんの効果もない。
……なぜもっとスキルレベルを上げなかったのか。後悔するが全てが手遅れだ。
失血と疲労で意識が薄れていく。
死を覚悟した。走馬灯のように思い出が蘇る。
優しい両親、村の仲間たち……この時、恋人を思い出さない寂しさも感じつつ恐怖に震えた。
その時、何かが手に当たった。
「ん……? コレは……」
それは【石化の首飾り】だった。
「ふっ、こんなモノのために命を落とすとはな……」
売れば一生遊んで暮らせるという幻のアイテムもここではなんの役にもたたない。
せめて死ぬときくらいはゴージャスに逝きたいもんだな……
僕は首に【石化の首飾り】にかけた。
ズッシリと重い。
ふふ、死ぬ瞬間の今の自分が一番金持ちだな。薄れゆく意識の中そんなことを考えていた。
遠くから音がする。魔獣の足音だ。それもA級ダンジョンの強力な魔獣達だ。
僕はこんな崖底に突然降って現れた、久々の極上の餌なのだろう。
「はは、僕は美味そうか? 残さず喰ってくれよ…………」
もう足の感覚はない。じきに意識もなくなるだろう。
巨大な魔獣が僕を見下ろす。
ここまでくれば恐怖心はなくなり、全てを諦めていた。
魔獣は大きく口を開け、僕に噛り付く。
僕の意識はここでなくなった。
僕は期待しないながらもゴンザレスにお願いする。
「もちろんだ。俺たちはパーティじゃないか!」
笑顔で白々しい嘘をつくゴンザレス。
しかし、僕の【鑑定】では確かにゴーレムの反応はなかった。この部屋にゴーレムがいないことを祈るしかない。
『ギィィィィイ』
重い扉を開く。長い間開いたことのないような鈍い音がした。
僕は部屋を見渡す。
それにしても薄暗い不気味な部屋だ……ダンジョンって感じだな。
しかし、ゴーレムはやはりいないようだ。
ホッとした所で、僕は部屋の奥へ向かう。
古いぼろぼろの宝箱。この中に【石化の首飾り】があるのだ。
「おい! 宝はあったのか?」
外からゴンザレスの声が聞こえる。
僕は宝箱の重いふたを開ける。
『ギギギギギ』
古い宝箱からはホコリが舞う。
「ゴホゴホ……すごいホコリだ。ん? コレは!?」
ホコリの煙の奥に光るものが見えた。【石化の首飾り】だ!
「こ、これが……?」
僕は【石化の首飾り】を掴む。
さすがは幻のアイテムと言われるだけのことはある。ズッシリと重く、不思議な魔力を感じる。
「隊長! ありました!」
僕は大喜びで外のゴンザレスに声をかける。
「おお! でかした! お前はやる奴だと信じてたぞ。早く出てこい!」
珍しく僕を褒めるゴンザレス。調子のいいやつだ。
僕は急いで部屋を出る。こんな不気味な部屋すぐに出たい。
このパーティとの数週間の旅がやっと終わる。自分には戦士団などまだ無理だったのだ。
村に帰り、家の農業を継ごう、僕にダンジョンは似合わない! 平穏に暮らそう! そう思った。
しかし……部屋の出口に差し掛かった、その時……
『ガガガガガガッッ!!!』
「!!!」
突然、ダンジョンが轟音とともに揺れだした。
「な、なんだ!?」
部屋の外のゴンザレス達も異変に気づく。
「おかしい、ゴーレムはいなかったのにどうして……?」
僕はあたりを見まわした。
すると
「! な、なんだコレは……?」
ダンジョンの壁に無数の目玉が現れた。
僕は悟った。このダンジョンそのものがゴーレムだったのだ!
宝を取られたときに目を覚ます魔獣なのだろう。
どおりで【鑑定】のスキルで反応がなかったはずだ。宝を取るまでは気配を消しているのだ。
もっとスキルレベルが高ければ見抜けたのかもしれないが、僕のレベルでは見抜くのは不可能だ。
『貴様が……侵入者か?』
ダンジョンが……ゴーレムが僕に問いかける。
「う、うぅ……」
目を覚ましたゴーレムに僕が敵うわけがない。僕は全力で部屋を出る。
「お、おい! どうなってんだよ! ゴーレムはいないんじゃなかったのか!?」
「くそ! やっぱりペルーサは最後までお荷物だな!」
ゴンザレス達もゴーレムの存在に気づいたようだ。僕のことなんか気にも留めず逃げている。
◇
ダンジョン全体が揺れている。宝を奪われたゴーレムは怒り狂っているのだろう。
地面はうねり、上からは岩石が降ってくる。
「はぁはぁ」
命からがら逃げている僕。もう体力の限界だ。
『ガッ』
地面の揺れに足を取られ転ぶ。
仰向けに倒れた僕。
その時、頭上に巨大な岩石が降ってきた!
「うぁああああ」
『ドーーーン!』
巨大な石に体を潰された僕は【石化の首飾り】とともに魔獣のひしめく崖底へと落ちていく……
◇
「ん……?」
どれくらい意識失っていたのだろうか。
僕は暗闇の崖底で目を覚ました。
おかしいな? 下半身に違和感が?
僕は足に目をやる……
「うああぁぁぁ!!!!」
それと同時に両足に激痛が走った!
真っ暗で何も見えない。だが恐らく岩に両足が潰されている……
「う……うぅ……」
息もできないほどの激痛だ。全身、あちこちの骨が折れているのだろう。
このままこの暗闇で死ぬのか……そう思った。
思えば珍しい2つのスキルも持ち、レベルも低いのに浮かれていたのだ。
両足に回復魔法をかけるもなんの効果もない。
……なぜもっとスキルレベルを上げなかったのか。後悔するが全てが手遅れだ。
失血と疲労で意識が薄れていく。
死を覚悟した。走馬灯のように思い出が蘇る。
優しい両親、村の仲間たち……この時、恋人を思い出さない寂しさも感じつつ恐怖に震えた。
その時、何かが手に当たった。
「ん……? コレは……」
それは【石化の首飾り】だった。
「ふっ、こんなモノのために命を落とすとはな……」
売れば一生遊んで暮らせるという幻のアイテムもここではなんの役にもたたない。
せめて死ぬときくらいはゴージャスに逝きたいもんだな……
僕は首に【石化の首飾り】にかけた。
ズッシリと重い。
ふふ、死ぬ瞬間の今の自分が一番金持ちだな。薄れゆく意識の中そんなことを考えていた。
遠くから音がする。魔獣の足音だ。それもA級ダンジョンの強力な魔獣達だ。
僕はこんな崖底に突然降って現れた、久々の極上の餌なのだろう。
「はは、僕は美味そうか? 残さず喰ってくれよ…………」
もう足の感覚はない。じきに意識もなくなるだろう。
巨大な魔獣が僕を見下ろす。
ここまでくれば恐怖心はなくなり、全てを諦めていた。
魔獣は大きく口を開け、僕に噛り付く。
僕の意識はここでなくなった。
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