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最後のお風呂と3人暮らし
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グリンダさんも引っ越しの準備があるのだろう。
ひとまずそれぞれの部屋に戻る僕たち。
オリビアさんは不機嫌だ。
「……あの、すみません。やっぱりグリンダさんを住まわせるには断りますか?」
「ん? ここはお前の部屋なんだから私に気を使わなくていいんだ。あの女は嫌いだけどな……」
「そうですか……じゃあとりあえず3人で住んで様子を見ましょうか……?」
「ああ、そうだな。あの女は嫌いだけどな……」
「はは……」
「それにしてもグリンダが住むとなってお前は嬉しいみたいだな」
「え? そ、そうですか?」
「まあたまにベッドでゴソゴソなんかしてるみたいだし、ちょうどよかったのかもしれないな」
「え!!?」
僕は青ざめる。
(なんで知ってるんだ!? これが調査団の調査力なのか!?)
「違いますよ! そんなんでグリンダさんを住まわせるんじゃないですよ! デーモンを倒すにグリンダさんの力も必要だと思って……」
「……そうか。たしかにそうだな。あの女はバカだが魔法に関しては超一流だ」
犬猿の仲のオリビアさんにここまで言わせるなんて。グリンダさんの力って?
「私はもっとレベルを上げないとダメだ。今のままではデーモンはおろかその辺のダンジョンも1人じゃ厳しい。こんなんじゃ戦士団にも入れずいつまでも調査団だよ……」
「オリビアさん……」
誰よりも優しい正義感を持っているのに……悔しいだろうな。
「そうだ、1つお願いがあるんだ」
「なんですか? 特訓ですか? 付き合いますよ」
「いや、特訓もなんだが……私に剣を作ってくれないか?」
「剣!? そういえば黒の瞳のダンジョンで折れちゃいましたね」
「ああ、あの剣は調査団の支給品でそれほど良い剣ってわけじゃないんだけどな」
剣か……錬成魔法で作れないこともないのかな?
「分かりました。錬成魔法をもう少し勉強してみますね。出来るだけ良い剣を作れように」
「ああ、頼むよ。しかし剣がないと特訓もできないな」
「あ、だったらこの部屋に訓練場に武器が揃ってますから使ってください」
◇
「お、なかなか良い品揃えだな」
剣や槍、弓など一通り揃っている。さすが王宮の豪華客室だ。
「オリビアさんは剣以外も使えるんですか?」
「んー、だいたいの武器の訓練はしてたけど、剣が1番しっくりきたな……お! 鞭なんかもあるのか!」
武器庫から鞭を取り出し振り回すオリビアさん。
「鞭も悪くない腕前なんだぞ? 剣が出来るまでは久しぶりに鞭でも練習するかな?」
地面に鞭を叩きつけるオリビアさん。
……なんだろう? この妙に興奮する気持ちは?
◇
「今日はもう遅い。寝るとするか。明日にはあのうるさい女も来るんだろうし……」
「はは、先にお風呂どうぞ」
「先に入っていいぞ」
「そうですか? じゃあお先に……」
僕はシャワーを浴びる。
今日も大変な1日だった。
黒の瞳を倒し、ディランを捕まえてカノン様の目を治した。
……ああ、婚約もしたんだっけか……
ディランがデーモンの情報を吐くとは思えない。明日からも特訓しないとな。
『コンコン』
「ん?」
風呂場のドアがノックされる。オリビアさんか? いや、あの人はノックなんかしないか。
ドアが開く。
「ペルーサ……向こうを向いててくれ……」
「オリビアさん? え?裸?」
「……壁に手をつけて振り向くな……」
僕は犯罪者か!? どうしたのだろう? 前はノックなんかせず遠慮なくガンガン入って来たのに?
「どうしたんですか?」
僕は言われたとおり壁に手をつき、壁を向きながら話す。
「いや……その、明日からグリンダが来るからな……最後の2人だけの日だし……」
「え?」
オリビアさんはドアも締めないまま話し続ける。
「その……今日も助けてもらったし今までのお礼というか……」
「え!?」
「恥ずかしいものだな……前は気にもしていなかったのに。お前がスケベなことに興味ある年頃と知ってからはこちらも意識してしまってな……」
「オリビアさん……」
以前は裸なんて気にもしていなかったオリビアさん。最近はすっかりマークされてこんな展開予想していなかった……
「いいぞ、ペルーサ! こっちを向け……!」
「オリビアさん……」
(勇気を出してここまでやってくれたオリビアさんの気持ちを無駄にするのは失礼だ! うん! そうだ!)
自分に言い聞かせる。
「いいんですね……」
オリビアさんとの2人の日々が今日で終わる。少し寂しさもある。今日のことは忘れません! 意を決して振り返ろうとする。
その時、
『ガチャガチャ』
「!?」
「お邪魔しまーす!」
「え? グリンダさん!?」
「荷物まとめ終わったから早く来ちゃっ――え……?」
突然、部屋に入り凍りつくグリンダさん。
目の前には、壁に手を突く僕の背後から忍び寄る裸のオリビアさん。――そして、床に転がる鞭……
「グリンダ……いや、違うんだ! これは……」
「きゃーー!変態!」
「違う! たまたま風呂に入ろうと……」
「オリビア……あんたホントに変態ショタコンだったのね……」
「ちがーーう!!」
「ペルーサ君! 逃げて! この女は変態よ!!」
オリビアさんを突き飛ばし、僕に駆け寄るグリンダさん。
「出ていけ! 変態SM女! 私の師匠に何をしているの!」
オリビアさんに杖を向けるグリンダさん。
「違う……ホントに……違う…」
泣きそうになりながら全裸で床に横たわるオリビアさん……彼女のこんな弱々しい姿は見たことがあっただろうか……
15歳にして僕は初めて冤罪にかけられる者の悲痛な表情を知った。
「グリンダさん。ほんとに違うんです!」
「怖かったわね。ペルーサ君! もう大丈夫よ!」
グリンダさんはとんでもない。誤解をしているようだ……
3人暮らしは初日からとんでもない幕開けになった。
ひとまずそれぞれの部屋に戻る僕たち。
オリビアさんは不機嫌だ。
「……あの、すみません。やっぱりグリンダさんを住まわせるには断りますか?」
「ん? ここはお前の部屋なんだから私に気を使わなくていいんだ。あの女は嫌いだけどな……」
「そうですか……じゃあとりあえず3人で住んで様子を見ましょうか……?」
「ああ、そうだな。あの女は嫌いだけどな……」
「はは……」
「それにしてもグリンダが住むとなってお前は嬉しいみたいだな」
「え? そ、そうですか?」
「まあたまにベッドでゴソゴソなんかしてるみたいだし、ちょうどよかったのかもしれないな」
「え!!?」
僕は青ざめる。
(なんで知ってるんだ!? これが調査団の調査力なのか!?)
「違いますよ! そんなんでグリンダさんを住まわせるんじゃないですよ! デーモンを倒すにグリンダさんの力も必要だと思って……」
「……そうか。たしかにそうだな。あの女はバカだが魔法に関しては超一流だ」
犬猿の仲のオリビアさんにここまで言わせるなんて。グリンダさんの力って?
「私はもっとレベルを上げないとダメだ。今のままではデーモンはおろかその辺のダンジョンも1人じゃ厳しい。こんなんじゃ戦士団にも入れずいつまでも調査団だよ……」
「オリビアさん……」
誰よりも優しい正義感を持っているのに……悔しいだろうな。
「そうだ、1つお願いがあるんだ」
「なんですか? 特訓ですか? 付き合いますよ」
「いや、特訓もなんだが……私に剣を作ってくれないか?」
「剣!? そういえば黒の瞳のダンジョンで折れちゃいましたね」
「ああ、あの剣は調査団の支給品でそれほど良い剣ってわけじゃないんだけどな」
剣か……錬成魔法で作れないこともないのかな?
「分かりました。錬成魔法をもう少し勉強してみますね。出来るだけ良い剣を作れように」
「ああ、頼むよ。しかし剣がないと特訓もできないな」
「あ、だったらこの部屋に訓練場に武器が揃ってますから使ってください」
◇
「お、なかなか良い品揃えだな」
剣や槍、弓など一通り揃っている。さすが王宮の豪華客室だ。
「オリビアさんは剣以外も使えるんですか?」
「んー、だいたいの武器の訓練はしてたけど、剣が1番しっくりきたな……お! 鞭なんかもあるのか!」
武器庫から鞭を取り出し振り回すオリビアさん。
「鞭も悪くない腕前なんだぞ? 剣が出来るまでは久しぶりに鞭でも練習するかな?」
地面に鞭を叩きつけるオリビアさん。
……なんだろう? この妙に興奮する気持ちは?
◇
「今日はもう遅い。寝るとするか。明日にはあのうるさい女も来るんだろうし……」
「はは、先にお風呂どうぞ」
「先に入っていいぞ」
「そうですか? じゃあお先に……」
僕はシャワーを浴びる。
今日も大変な1日だった。
黒の瞳を倒し、ディランを捕まえてカノン様の目を治した。
……ああ、婚約もしたんだっけか……
ディランがデーモンの情報を吐くとは思えない。明日からも特訓しないとな。
『コンコン』
「ん?」
風呂場のドアがノックされる。オリビアさんか? いや、あの人はノックなんかしないか。
ドアが開く。
「ペルーサ……向こうを向いててくれ……」
「オリビアさん? え?裸?」
「……壁に手をつけて振り向くな……」
僕は犯罪者か!? どうしたのだろう? 前はノックなんかせず遠慮なくガンガン入って来たのに?
「どうしたんですか?」
僕は言われたとおり壁に手をつき、壁を向きながら話す。
「いや……その、明日からグリンダが来るからな……最後の2人だけの日だし……」
「え?」
オリビアさんはドアも締めないまま話し続ける。
「その……今日も助けてもらったし今までのお礼というか……」
「え!?」
「恥ずかしいものだな……前は気にもしていなかったのに。お前がスケベなことに興味ある年頃と知ってからはこちらも意識してしまってな……」
「オリビアさん……」
以前は裸なんて気にもしていなかったオリビアさん。最近はすっかりマークされてこんな展開予想していなかった……
「いいぞ、ペルーサ! こっちを向け……!」
「オリビアさん……」
(勇気を出してここまでやってくれたオリビアさんの気持ちを無駄にするのは失礼だ! うん! そうだ!)
自分に言い聞かせる。
「いいんですね……」
オリビアさんとの2人の日々が今日で終わる。少し寂しさもある。今日のことは忘れません! 意を決して振り返ろうとする。
その時、
『ガチャガチャ』
「!?」
「お邪魔しまーす!」
「え? グリンダさん!?」
「荷物まとめ終わったから早く来ちゃっ――え……?」
突然、部屋に入り凍りつくグリンダさん。
目の前には、壁に手を突く僕の背後から忍び寄る裸のオリビアさん。――そして、床に転がる鞭……
「グリンダ……いや、違うんだ! これは……」
「きゃーー!変態!」
「違う! たまたま風呂に入ろうと……」
「オリビア……あんたホントに変態ショタコンだったのね……」
「ちがーーう!!」
「ペルーサ君! 逃げて! この女は変態よ!!」
オリビアさんを突き飛ばし、僕に駆け寄るグリンダさん。
「出ていけ! 変態SM女! 私の師匠に何をしているの!」
オリビアさんに杖を向けるグリンダさん。
「違う……ホントに……違う…」
泣きそうになりながら全裸で床に横たわるオリビアさん……彼女のこんな弱々しい姿は見たことがあっただろうか……
15歳にして僕は初めて冤罪にかけられる者の悲痛な表情を知った。
「グリンダさん。ほんとに違うんです!」
「怖かったわね。ペルーサ君! もう大丈夫よ!」
グリンダさんはとんでもない。誤解をしているようだ……
3人暮らしは初日からとんでもない幕開けになった。
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