『え?みんな弱すぎない?』現代では俺の魔法は古代魔法で最強でした!100年前の勇者パーティーの魔法使いがまた世界を救う

さかいおさむ

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第二章 冒険者ギルド

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「ハァハァ、まさか歩いて向かうとは……俺たちは世界を救おうって出発したんだぞ。なんだこの仕打ちは……おい、水をくれ……」

 アムハイナ王国を出て数日、2人は灼熱の荒野を歩き続けた。

「うるさいわね! 口を動かすヒマがあったら、とっとと歩きなさいよ。情けないわねぇ、男のくせに」

 アルカンタラの前を歩くミルリーフ。疲労の色はあるものの、息をゼイゼイ切らして歩くアルカンタラと比べるとまだまだ元気そうだ。

「ハァハァ……くそ、ミルリーフは体力だけはあるな。魔力はクソザコのくせに……おい、だから水は……?」
「ふん、アンタこそ魔力だけね。水はもうないわよ。もう少しで冒険者ギルドのあるボアモルチに到着するから我慢しなさい!」

 2人はアムハイナ王国の隣でギルドが盛んな戦士の国、ボアモルチに向かっている。

 冒険者ギルドに登録していない2人はアムハイナの隣国には行けても、暗黒水晶がある最北端の島まで行くにはいくつもの国をまたがなければならない。

 今の時代、国の移動で1番手っ取り早いのが冒険者ギルドに登録し、身分のしっかりしたクリーンな冒険者と認められることだ。

「くそ、本当にめんどくさいな。なんで世界を救おうしてる俺たちの移動も制限されなきゃならないんだ?」
 アルカンタラは汗をダラダラかきならがら文句を言い続ける。

「仕方ないのよ。みんなよく分からない暗黒水晶も怖いけど、危険な人が自分たちの国にドスドス入ってくるのも嫌なのよ」


 その時、荒野の彼方から雄叫びが響く。

「……またかよ」
「そうみたいね」

 遠くから砂埃を巻き上げながら、一体のモンスターが駆け寄ってくる。
 荒野に住むモンスターだ。
 一見、ライオンのような見た目だが、肌の色は紫色の迷彩模様という、いかにもモンスターといった風貌だ。

「さ、アルカンタラ。サクッとやっつけちゃって」
 ここに至るまで、すでにこの荒野で数体のモンスターと対峙してきた。
 はじめはこの紫色のライオンに怖がっていたミルリーフだが、サンダーバードと同じようにあっという間に吹き飛ばすアルカンタラの魔法を見てすっかり安心しきっていた。

 しかし、今回は違った……
「いや……もう俺は無理だ。か、体が……」

 荒野を歩き続け、もともと体力のないアルカンタラは喉の渇きも限界を迎え、今にも倒れそうな表情でミルリーフを見る。

「えぇ、ちょっと、嘘でしょ!? 確かに疲れたけど、この荒野は普通の旅人なんかも歩くような道よ!?」
 100年前の伝説の勇者パーティーにいたはずの……現代では伝説の冒険者のはずのアルカンタラの体力のなさに呆れるミルリーフ。

「う、うるせぇ……俺は魔法使いだ……た、体力は……必要……ない……」
「もう! なんなのよコイツ! もやしっ子にも程があるでしょ!」
 状況が一変し、慌てるミルリーフ。

「大丈夫だ……あのライオンくらいなら……ミルリーフの魔法でなんとかなる……はず……」

 荒野にドサッと座り込むアルカンタラ。しかし、恐怖に震えるミルリーフとは対照的にアルカンタラは落ち着いていた。
 この辺の野良モンスターならミルリーフの魔法で充分通用すると確信していたのだ。

「まだまだ弱いけど、ソーサーとアゼリの子孫だもんな……なんとかなるだろ」
 アルカンタラはボソッと小声でつぶやく。

 モンスターとの戦闘に慣れていない現代の魔法使いミルリーフ、確かに古代魔法が使えず火力はないが、彼女に足りないのはモンスターとの実戦経験だけだとアルカンタラは思っていた。

「……仕方ないわね。私がやるしかないのね」
 ミルリーフは覚悟を決め、迫りくる紫ライオンを睨み付ける。

 平和な時代に生まれ育ち、モンスターを見た経験はほとんどなく、戦う事はもちろん初めてだ。
 ミルリーフは手のひらをモンスターに向け魔力をチャージする。
 その間もモンスターは突進を止めない。

「うぅ……」
 あまりの恐怖に目をそらすミルリーフ。

「おい、ミルリーフ! お前はアイツらの子孫だろ! こんなところでビビってどうするんだ?」
 地面に座り込みながらアルカンタラは叫んだ。

「……くっ! うるさいわね! アンタに言われなくてもわかってるわよ! くらえ!」
 ミルリーフの手から雷がほとばしる。
 電撃が目の前まで迫った紫ライオンを突き抜ける。

 体を一瞬ブルっと振るわせ、モンスターはその場に倒れ込んだ。

「はぁはぁ……や、やった!」
 小さくガッツポーズをするミルリーフ。
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