『え?みんな弱すぎない?』現代では俺の魔法は古代魔法で最強でした!100年前の勇者パーティーの魔法使いがまた世界を救う

さかいおさむ

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第二章 冒険者ギルド

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 男の話をこうだった。

 現在、モンスター発生の原因になっている暗黒水晶。
 一般の人々はまだあまり存在を知らないが、世界中の政府は危険と判断し、対策を考えている。

 100年前のような魔族が支配する世界に戻るのを阻止するため、極秘である計画が進められているという。

「極秘の計画……?」
 ミルリーフはゴクリと唾を飲み込む。

「はい……その計画は世界中の強力な冒険者を集めて、暗黒水晶のある最北端の島へまとめて派遣し、暗黒水晶を破壊すると言うものです。
 まだ一般の市民は暗黒水晶のことを知らない者も多いので、パニックを防ぐため内密にお願いします」
 男は額にうっすら汗をかきながら言った。

「……ほう! それはいいな! おい、俺もその計画に混ぜてくれよ?」
 アルカンタラだけはいつもの調子で言い放つ。

「そうですね……あなた方が強力な冒険者ということで、その計画に加わっていただきたかったのですが……残念ながらすでに第一陣は暗黒水晶に向かって旅立っています」
「チッ、なんだよ!」
 自分の出番は無いと知り、残念がるアルカンタラだった。

「ですが、第一陣が必ず成功するとも限りません。そのためにあなた方のような強い冒険者に今のうちから声をかけておこうと思ったのです。
 もちろん、第二陣など結成されることなく、第一陣で終わってくれれば一番良いのですが……」

「なるほど……お話は分かりました。もし私たちの力が必要な時は、ぜひ参加させていただくつもりです」
 ミルリーフが男に言う。
 こいつ、普段とは違って、こういう時はしっかり話せるんだなぁ と思うアルカンタラだった。

「ありがとうございます……あなた方の力を借りずに済むのが一番良いのですが、その際にはお力を借りられれば……」
 男は二人に頭を下げる。

「……で、ここからはギルドの所長としてではなく、個人的な興味なんですけれども……お二人は一体何者でしょうか……?」
 男は緊張しながら尋ねる。

「……アルカンタラ、いいかしら? ギルドの所長さんってことですし、この人になら話しておいていいと思うけど……」
「まあ俺は構わんが……それにどうせ、このガキはもう気づいてんだろ?」
 隣に座り、黙り込みながらも、目を輝かせてアルカンタラを見るポピーを指差す。

「……そ、そうね」
 ミルリーフは男を見つめ直し言う。
「まず……私はミルリーフと言います。アムハイナ王国の調査団長をしています」
「ほう、なるほど……どおりでルーキー冒険者でありながら……」
 所長はコーヒーに手に取り、緊張で渇いたノドを潤す。

「そして……私はソーサーとアゼリの子孫です」
「ブフォッッ!!」
 所長はコーヒーを吹き出した。

「きったねぇな!!」
 アルカンタラにコーヒーは直撃した。
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