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商店街の飲食店は、知ってる知らないに関わらず、警察の手入れで、店が潰れているのに、ミヤを放っておくのか?

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 「暴力団と知ってる知らないに関わらず飲食店は警察の手入れで、倒産している。手入れしたけど、いや、暴力団関係者ではなかったと言われても、店は潰れている。客も警察の手入れにあった店には近づかない。非番の警視庁の方、ミヤを放っておくのですか?」

 「まあ、事情聴取の間は店は閉店してますから、まあ、なんといいましょうか、その後は、警察は感知していません。まあ、もごもご」

 オレは一気にまくし立てた。


 「腰抜け警視庁!!一般の店主は、捕まえ事情聴取するのに、ミヤは、知らんプリかい!!ブッチャケろ!!どう思ってるんだ!!警察は!!」

 非番の警視庁の方は、ムカッとした表情で、声を落として言った。どうやらテレビカメラを気にしているみたいだ。

 「まあ、ミヤ君の場合は、一件だけですから、今のところ……。初めの詐欺団は、暴力団排除条例にあてはまらないので。事情聴取は、ちょっと」

 「警察の意見ではなく、あなたの意見をお聞かせ下さい」

 非番の警視庁の方は、客席後方の大きな扉をチラッと見た。

 「ブッチャケます。警察は忙しいのです。麻薬じゃないのだから、無理です。個人的には、追いかけたいのですが、やはり雑誌記者並みには、追えないので」

  
 「ななななんと!!じゃ、庶民は、警ハラそのものか!!神様、この非番警察に成敗を!!」

 上手の白塗りの神様、大きく頭の上でマルを作った。

 オレは潔く負けを認め、上手奥に行き、バケツの水をかぶった。

 「失礼しました。私が間違っていたようで。ありがとうございました」

 オレは非番の彼に、客席に戻るように促した。客席から、パラパラ拍手が起こった。その拍手が、オレに向けられたのか、ブッチャケた非番さんに向けられたのか分からなかったが、ちょっとスッキリした。

 「続いて非番の税務署の方、ブッチャケられないのなら、退場を。ブッチャケてもらえるのなら、舞台へどうぞ」

 非番の税務署の方は、非番の警視庁の方に対抗して引き下がることは、出来ないだろう。案の定彼は、舞台に向かって歩きだした。
 
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