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グランドツリー
谷城あやか
しおりを挟む屋根裏部屋のフラフープは円である。円には力が宿りやすく、谷城あやかはそれを利用した。
赤と黒の幼いフラフープの円に虹色が広がる。煌めき、淀み、混ざり合う。
「絶対許してやる」
捕まり登った屋根裏は冷たかった。ここには彼氏の気が満ちにくいため、いとも簡単に彼女の侵入を許す。
「なるほど、ハンガーラックを片付けたようですね。鳥居を作ることで部屋を分断した、ときましたか」
彼氏は模様替えに励んでいた。自分なきこの家の空気を作り変えるため、若しくは仕事からくるストレスを風水によって改善しようとしたか。
「いずれにせよ、配置を覚えておくことは必須だにゃ」
端末の映像記録装置を使いながら、谷城あやかは隅々まで観察していく。しかし彼女は知らなかった。
一連の動きを事細かに記録する別の端末が、彼女の動きを追っているということに。
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