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グランドツリー
伊勢地ともえ
しおりを挟む「な、なにをやっているんだ。谷城あやか!」
監視モニターを眺めながら叫ぶ少女の名は、伊勢地ともえ。手を震わせながら、男の家を物色する彼女に呆れている。
伊勢地ともえはと言うと、谷城あやかが侵入した家の主、脇田たけひろの写真に囲まれた部屋の中で叫んでいた。
伊勢地ともえもまた、脇田たけひろに想いを寄せる恋多き乙女である。
「どうしよう。殺しましょうか。いいえ、ダメですよともえさん、そんな物騒な言葉を使っては。私の口はたけひろ様のもの。悪い言葉には悪い人生です」
物々とものを言いながら監視モニターの周りを歩き回る。
「たけひろ様はGPSの情報によるとまだコンビニね。これは注意をする必要がありますわ」
監視マイクの音量を上げる。
「谷城あやか、今すぐそこから出なさい」
「な、だ、誰?」
モニターの先であたふたとする谷城あやかを、悪い笑顔で見つめる伊勢地ともえ。
「理由なんていらないです。貴方は今不法侵入をしているのですよ。早くそこから出てください。たけひろ様の家が汚れます。不潔です。さぁ早く」
「だってまだ撮影がおわってないんだにゃ。終わったら帰るから静かにしてて欲しいにゃ」
「たけひろ様は今、あ」
「なんにゃ」
「今すぐ隠れるか逃げてください。たけひろ様は今家に向かわれてます」
わざとらしく腕を掲げた谷城あやかに、反省の色は無さそうだった。
「味方なんだから敵なんだか分からないけど、今回は出直してやるにゃ。覗き魔さん」
モニターが粉々に砕け散る。伊勢地ともえの腕からは赤い液体が滲んだ。
「私は覗き魔ではありません。そうですよね、たけひろ様」
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