32 / 156
【第1章】婚約・結婚式編
32話 完成に必要なもの
しおりを挟む
「それでは、デモンストレーションを開始させていただきます」
ジークが引き連れて戻ってきた隊員たちは、皆手にリディアが依頼した監視用装置を持っていた。リディアの防御用の魔道具を作った職人が、一番魔力の供給効率が良くなるような形に作り上げたらしいそれは、カメラの役割をする部分であろう、丸い水晶のような部分がメインになっているものと、魔力感知用であろう不思議な形の石が台座に載っているものの二種類ある。
「よろしいですか?」
「ああ」
「ええ」
キースとリディアが頷くのを見て、ジークは風魔法を使う団員に指示を出した。彼が魔法を込めると、淡く光りながら装置たちが浮き始めた。魔法陣の中にいるリディアとミラには届かないが、結構強い風が吹いているらしい。ジークとキース、そして団員たちの髪や服が風に吹かれている。
「これでどのくらい持つんだ?」
「大体一時間程度です。それを過ぎたら一度下ろして、もう一度魔力を注入し直す必要があります」
「そうか……」
リディアが正に今悩んでいる問題と同様、この世界には電池のような、エネルギーを保管して置ける道具が極端に少ない。つまり、装置が飛んでいられる時間もそう長くは続かないということだ。これでも改良を重ね、当初は十分程度しか持たなかったものを長くしていった結果らしい。
「試しに俺がやってみたらどうだろう」
「……公爵様がですか?」
「ああ」
ジークが指示をして、監視装置を一度地面に下ろさせる。ふたたび強い風が吹いた。確かにキースは普通の人間より魔力量も大きいから、キースが力を込めれば通常より長い時間持たせられるかもしれない。でも——
「……恐らく長くは持つようになると思います。ですが、そうなると操作をこちらで行えなくなってしまいますので……」
そう。あの装置は電池式ではない、つまり現状、魔力を供給し続けるような形になる代わりに、制御する権限も、魔力の供給源である魔法使いが持っていることになるのだ。電化製品をコンセントに挿しているような状態とでも言おうか。常に接続されている状態なのである。
「そうか……」
「どうするのがいいのかしら……」
リディアは必死に考えを巡らせた。プロペラや翼のようなものをつけて、もっと効率を上げたらよいのか。それとも……。前世のドローンのことを思い出す。あれのコントロールに使っていたのは——
「……リモコン?」
「リ……何だ?」
リディアの呟きに、キースとジークの視線が一気に集まった。考えがまとまらないままの呟きだったので、リディアはハッと焦りながら顔の前で手を振る。
「えっと……違うの、なんていうか……外部から接続して、操作をするための道具があればいいのかなって……最初にそこにキース様が魔法を込めて、その後誰かに渡したら良いでしょう?」
リモコンの説明って、これで良いんだろうか? 前世だとブルートゥースとか、赤外線とか、そんな接続方法を使っていた気がするけれど、リディアにはそれがどういう仕組みなんだかはよくわからない。彼女の説明を聞いたジークは「なるほど……」と顎に手を当ててしばらく考える。
「魔法の吸収率が良い素材を使って——……だとしても接続はどうやって……? いや、陣を書けばどうにか……」
ブツブツ呟きながら、ジークは団員に指示を出し、地面に書いた魔法陣の上に装置を一つ置いた。その後、部屋に戻ってきた団員から巻物のようなものを受け取り、そこにもう一つ陣を書く。両方を書き終えると、ジークは二つの陣それぞれの真ん中に見慣れないマークを入れた。
「うーん……理論上はこれでいけるはずなんですが……公爵様、試しに魔力を込めていただいてもよろしいですか?」
「ああ、わかった」
キースがジークから巻物のようなものを受け取って、そこに魔力を吹き込むと、陣が緑色に光り出す。それは手元の巻物上のものだけではなく、装置の下の床に書かれた物にもだ。「ありがとうございます」と巻物を再び受け取ったジークが起動のための呪文を唱えると、魔法陣が浮き出て、装置の術式と共鳴し始める。ぶわりと風が吹いて、装置が思いきり浮き上がった。
「よし! 成功——」
と思いきや。
「あ——」
装置は制御を失った。込める力が強すぎたようで、どこまでも高く上がり、天井に思いきりぶつかる。かと思えば、急に光が消えて、動力を失い墜落してきた。落ちてくるのは当然というように、リディアの上だ。
「リディア!」
魔法陣の中にいるとはいえ、何があるかはわからない。リディアが防御魔法を展開すると同時に、キースが動き出し、手をかざすとそこから氷の矢が放たれた。すごい勢いで空に放たれたそれが、装置を追撃する。重たい音を立てて床へと転がった装置は、水晶にヒビが入り、もう使えなさそうだった。
「大丈夫か!?」
「え、ええ……」
キースは慌てて謝っているジークに魔法陣を解かせ、リディアのもとに駆け寄ってきた。リディアとしては頭上に物が落ちてくるのなんて日常茶飯事なので、むしろキースの魔法の方に驚いていたのだが、キースはそんなことは知らない。同じく近付いてきたジークに「魔法陣もあったし、大丈夫よ」と微笑み、キースにも「大丈夫だから」と答えた。
「すまない、俺が魔力量を測り違えたせいで……」
「いえ、気にしなくていいわ。あなたのせいじゃないもの」
そう。これはリディアの運命のせいなのだ。リディアが安心させるようキースの手を握ると、キースはようやく「そうか……」と落ち着いたようだった。
「それにしても、上手くいきそうね、これ」
「え? ああ、はい……そうですね。これを原案にいくつか改良を重ねれば……」
リディアが動じず監視システムのことを話し始めたので、ジークも驚いたようだったが、上手くいくための算段は立ちそうだと教えてくれた。今はテストのために巻物を使っているが、本番はもっと魔力吸収量の高い素材を使えば、もっと長く持つ可能性もあるらしい。
「またいくつかテストをしてみます。危ないのでリディア様はもうお戻りになられてください。お時間頂いてありがとうございました」
とても助かりました、と深々頭を下げ、ジークはリディアを部屋の外まで見送った。
「公爵様にはまだお付き合いいただきますよ」
閉まっていくドアの中では、ジークのそんな声が聞こえていた。
ジークが引き連れて戻ってきた隊員たちは、皆手にリディアが依頼した監視用装置を持っていた。リディアの防御用の魔道具を作った職人が、一番魔力の供給効率が良くなるような形に作り上げたらしいそれは、カメラの役割をする部分であろう、丸い水晶のような部分がメインになっているものと、魔力感知用であろう不思議な形の石が台座に載っているものの二種類ある。
「よろしいですか?」
「ああ」
「ええ」
キースとリディアが頷くのを見て、ジークは風魔法を使う団員に指示を出した。彼が魔法を込めると、淡く光りながら装置たちが浮き始めた。魔法陣の中にいるリディアとミラには届かないが、結構強い風が吹いているらしい。ジークとキース、そして団員たちの髪や服が風に吹かれている。
「これでどのくらい持つんだ?」
「大体一時間程度です。それを過ぎたら一度下ろして、もう一度魔力を注入し直す必要があります」
「そうか……」
リディアが正に今悩んでいる問題と同様、この世界には電池のような、エネルギーを保管して置ける道具が極端に少ない。つまり、装置が飛んでいられる時間もそう長くは続かないということだ。これでも改良を重ね、当初は十分程度しか持たなかったものを長くしていった結果らしい。
「試しに俺がやってみたらどうだろう」
「……公爵様がですか?」
「ああ」
ジークが指示をして、監視装置を一度地面に下ろさせる。ふたたび強い風が吹いた。確かにキースは普通の人間より魔力量も大きいから、キースが力を込めれば通常より長い時間持たせられるかもしれない。でも——
「……恐らく長くは持つようになると思います。ですが、そうなると操作をこちらで行えなくなってしまいますので……」
そう。あの装置は電池式ではない、つまり現状、魔力を供給し続けるような形になる代わりに、制御する権限も、魔力の供給源である魔法使いが持っていることになるのだ。電化製品をコンセントに挿しているような状態とでも言おうか。常に接続されている状態なのである。
「そうか……」
「どうするのがいいのかしら……」
リディアは必死に考えを巡らせた。プロペラや翼のようなものをつけて、もっと効率を上げたらよいのか。それとも……。前世のドローンのことを思い出す。あれのコントロールに使っていたのは——
「……リモコン?」
「リ……何だ?」
リディアの呟きに、キースとジークの視線が一気に集まった。考えがまとまらないままの呟きだったので、リディアはハッと焦りながら顔の前で手を振る。
「えっと……違うの、なんていうか……外部から接続して、操作をするための道具があればいいのかなって……最初にそこにキース様が魔法を込めて、その後誰かに渡したら良いでしょう?」
リモコンの説明って、これで良いんだろうか? 前世だとブルートゥースとか、赤外線とか、そんな接続方法を使っていた気がするけれど、リディアにはそれがどういう仕組みなんだかはよくわからない。彼女の説明を聞いたジークは「なるほど……」と顎に手を当ててしばらく考える。
「魔法の吸収率が良い素材を使って——……だとしても接続はどうやって……? いや、陣を書けばどうにか……」
ブツブツ呟きながら、ジークは団員に指示を出し、地面に書いた魔法陣の上に装置を一つ置いた。その後、部屋に戻ってきた団員から巻物のようなものを受け取り、そこにもう一つ陣を書く。両方を書き終えると、ジークは二つの陣それぞれの真ん中に見慣れないマークを入れた。
「うーん……理論上はこれでいけるはずなんですが……公爵様、試しに魔力を込めていただいてもよろしいですか?」
「ああ、わかった」
キースがジークから巻物のようなものを受け取って、そこに魔力を吹き込むと、陣が緑色に光り出す。それは手元の巻物上のものだけではなく、装置の下の床に書かれた物にもだ。「ありがとうございます」と巻物を再び受け取ったジークが起動のための呪文を唱えると、魔法陣が浮き出て、装置の術式と共鳴し始める。ぶわりと風が吹いて、装置が思いきり浮き上がった。
「よし! 成功——」
と思いきや。
「あ——」
装置は制御を失った。込める力が強すぎたようで、どこまでも高く上がり、天井に思いきりぶつかる。かと思えば、急に光が消えて、動力を失い墜落してきた。落ちてくるのは当然というように、リディアの上だ。
「リディア!」
魔法陣の中にいるとはいえ、何があるかはわからない。リディアが防御魔法を展開すると同時に、キースが動き出し、手をかざすとそこから氷の矢が放たれた。すごい勢いで空に放たれたそれが、装置を追撃する。重たい音を立てて床へと転がった装置は、水晶にヒビが入り、もう使えなさそうだった。
「大丈夫か!?」
「え、ええ……」
キースは慌てて謝っているジークに魔法陣を解かせ、リディアのもとに駆け寄ってきた。リディアとしては頭上に物が落ちてくるのなんて日常茶飯事なので、むしろキースの魔法の方に驚いていたのだが、キースはそんなことは知らない。同じく近付いてきたジークに「魔法陣もあったし、大丈夫よ」と微笑み、キースにも「大丈夫だから」と答えた。
「すまない、俺が魔力量を測り違えたせいで……」
「いえ、気にしなくていいわ。あなたのせいじゃないもの」
そう。これはリディアの運命のせいなのだ。リディアが安心させるようキースの手を握ると、キースはようやく「そうか……」と落ち着いたようだった。
「それにしても、上手くいきそうね、これ」
「え? ああ、はい……そうですね。これを原案にいくつか改良を重ねれば……」
リディアが動じず監視システムのことを話し始めたので、ジークも驚いたようだったが、上手くいくための算段は立ちそうだと教えてくれた。今はテストのために巻物を使っているが、本番はもっと魔力吸収量の高い素材を使えば、もっと長く持つ可能性もあるらしい。
「またいくつかテストをしてみます。危ないのでリディア様はもうお戻りになられてください。お時間頂いてありがとうございました」
とても助かりました、と深々頭を下げ、ジークはリディアを部屋の外まで見送った。
「公爵様にはまだお付き合いいただきますよ」
閉まっていくドアの中では、ジークのそんな声が聞こえていた。
234
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
旦那様、離婚してくださいませ!
ましろ
恋愛
ローズが結婚して3年目の結婚記念日、旦那様が事故に遭い5年間の記憶を失ってしまったらしい。
まぁ、大変ですわね。でも利き手が無事でよかったわ!こちらにサインを。
離婚届?なぜ?!大慌てする旦那様。
今更何をいっているのかしら。そうね、記憶がないんだったわ。
夫婦関係は冷めきっていた。3歳年上のキリアンは婚約時代から無口で冷たかったが、結婚したら変わるはずと期待した。しかし、初夜に言われたのは「お前を抱くのは無理だ」の一言。理由を聞いても黙って部屋を出ていってしまった。
それでもいつかは打ち解けられると期待し、様々な努力をし続けたがまったく実を結ばなかった。
お義母様には跡継ぎはまだか、石女かと嫌味を言われ、社交会でも旦那様に冷たくされる可哀想な妻と面白可笑しく噂され蔑まれる日々。なぜ私はこんな扱いを受けなくてはいけないの?耐えに耐えて3年。やっと白い結婚が成立して離婚できる!と喜んでいたのに……
なんでもいいから旦那様、離婚してくださいませ!
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
目覚めたら魔法の国で、令嬢の中の人でした
エス
恋愛
転生JK×イケメン公爵様の異世界スローラブ
女子高生・高野みつきは、ある日突然、異世界のお嬢様シャルロットになっていた。
過保護すぎる伯爵パパに泣かれ、無愛想なイケメン公爵レオンといきなりお見合いさせられ……あれよあれよとレオンの婚約者に。
公爵家のクセ強ファミリーに囲まれて、能天気王太子リオに振り回されながらも、みつきは少しずつ異世界での居場所を見つけていく。
けれど心の奥では、「本当にシャルロットとして生きていいのか」と悩む日々。そんな彼女の夢に現れた“本物のシャルロット”が、みつきに大切なメッセージを託す──。
これは、異世界でシャルロットとして生きることを託された1人の少女の、葛藤と成長の物語。
イケメン公爵様とのラブも……気づけばちゃんと育ってます(たぶん)
※他サイトに投稿していたものを、改稿しています。
※他サイトにも投稿しています。
前世と今世の幸せ
夕香里
恋愛
【商業化予定のため、時期未定ですが引き下げ予定があります。詳しくは近況ボードをご確認ください】
幼い頃から皇帝アルバートの「皇后」になるために妃教育を受けてきたリーティア。
しかし聖女が発見されたことでリーティアは皇后ではなく、皇妃として皇帝に嫁ぐ。
皇帝は皇妃を冷遇し、皇后を愛した。
そのうちにリーティアは病でこの世を去ってしまう。
この世を去った後に訳あってもう一度同じ人生を繰り返すことになった彼女は思う。
「今世は幸せになりたい」と
※小説家になろう様にも投稿しています
【完結】成り上がり令嬢暴走日記!
笹乃笹世
恋愛
異世界転生キタコレー!
と、テンションアゲアゲのリアーヌだったが、なんとその世界は乙女ゲームの舞台となった世界だった⁉︎
えっあの『ギフト』⁉︎
えっ物語のスタートは来年⁉︎
……ってことはつまり、攻略対象たちと同じ学園ライフを送れる……⁉︎
これも全て、ある日突然、貴族になってくれた両親のおかげねっ!
ーー……でもあのゲームに『リアーヌ・ボスハウト』なんてキャラが出てた記憶ないから……きっとキャラデザも無いようなモブ令嬢なんだろうな……
これは、ある日突然、貴族の仲間入りを果たしてしまった元日本人が、大好きなゲームの世界で元日本人かつ庶民ムーブをぶちかまし、知らず知らずのうちに周りの人間も巻き込んで騒動を起こしていく物語であるーー
果たしてリアーヌはこの世界で幸せになれるのか?
周りの人間たちは無事でいられるのかーー⁉︎
孤独な公女~私は死んだことにしてください
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【私のことは、もう忘れて下さい】
メイドから生まれた公女、サフィニア・エストマン。
冷遇され続けた彼女に、突然婚約の命が下る。
相手は伯爵家の三男――それは、家から追い出すための婚約だった。
それでも彼に恋をした。
侍女であり幼馴染のヘスティアを連れて交流を重ねるうち、サフィニアは気づいてしまう。
婚約者の瞳が向いていたのは、自分では無かった。
自分さえ、いなくなれば2人は結ばれる。
だから彼女は、消えることを選んだ。
偽装死を遂げ、名も身分も捨てて旅に出た。
そしてサフィニアの新しい人生が幕を開ける――
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる