【R18】上司の財務大臣と、部下である私の秘密の関係。【TL短編集】

Episode１ 上司の財務大臣と、部下である私の秘密の関係。〈メイノルド×シルケ〉

第３話【※】

　ごくりと息を呑めば、彼の大きな手が私のささやかな胸のふくらみを包み込む。

　そのまま絶妙な力加減で揉みこまれて、私の身体が跳ねる。時折彼の指が頂に触れるのも、気持ちよくてたまらない。

「んっ」

　自然と恥ずかしい声が漏れる。顔を横に向けて、声を上げないようにと唇を結ぶ。

　でも、声は抑えられても、息は抑えられない。熱を孕んだような息を零しつつ、私はメイノルドさまを見つめる。

　彼の目は、私を見つめている。確かな欲を孕んだ目が、私を射貫いている。

　恥ずかしいのに、嬉しくてたまらなかった。

「っはぁ、あっ」

　シュミーズの布越しに胸に触れられるのも心地い。けど、もっともっと触れてほしい。

　頭の中に邪な考えが浮かぶ。それは、メイノルドさまにはお見通しだったらしくて。私のシュミーズをまくり上げて、その肌に直接手を滑らせた。

　大きな手だと思う。私のものとは、全然違う。

「んっ、そこ、もっと……」

　彼の指が乳首に触れて、私の口からはたまらず快感を強請るような声が零れた。

　そんなはしたないことを口走る私は、メイノルドさまにどんな風に見えるのだろうか。

　何処か冷静な私は、そう思う。だけど、そんなものは彼の指に与えられる快楽に、塗りつぶされていく。

「ぁああっ、あんっ」

　私の要望を聞いてか、メイノルドさまが私の乳首をつまみ上げる。

　それだけで、身体中に強い快楽が走って。私の身体はさも当然のようにのけ反る。

「シルケは、本当に淫らだな」

　メイノルドさまがそう言葉を漏らす。

　……本当にこのお人は意地が悪い。

　私だって、元々は無垢だったのだ。それを、こんな風にしたのはほかでもないメイノルドさまなのに。

「ぁあっ、め、いのるど、さま、の……」
「私が、どうした？」
「あぁあっ！」

　彼の指が私の乳首を挟んで、ぐりぐりと刺激してくる。

　喉から喘ぎ声が零れて、それ以外言えなくなる。

「ひぅっ、あ、あんっ」
「私が、どうしたというんだ？」

　爪で乳首の先端を引っかいて、つまみ上げて。ぎゅっと刺激される。

　私の手が寝台に敷かれたシーツを握りしめる。しわになるとか、そういうことは考えられない。

「あ、あっ、だ、だめ、だめ……！」

　彼から与えられる快楽は、いつだって甘美だ。

　私のことをとろけさせる。原型をとどめないほどに、ドロドロに。めちゃめちゃにする。

　理性を飛ばして、彼と求めあうのはとても嬉しい。……このときだけは、彼も私も、上司と部下という関係を忘れられるから。

「ダメじゃない。……そもそも、強請ったのはシルケのほうだろう」

　確かに、それは間違いなくて。

　だから、反論することも出来ない。合わせ、彼の目にぎらぎらとした欲望がともるのが、嬉しい。お腹の奥がぎゅって疼く。

「あんっ、そ、じゃない……」
「だったら、なんだと言うんだ」

　メイノルドさまがそう問いかけてこられる。

　お腹の奥が疼くって。下にも触ってほしいって。脳内が主張して、思考回路がとろける。

「し、下も、触って……！　胸、ばっかり、いや……！」

　ぶんぶんと首を横に振ってそう訴えれば、メイノルドさまが「そうか」と呟かれた。

「許可も出たし、下に触れるぞ」

　彼が私の乳首から指を離す。その手は私の身体を滑って、秘所を隠す下穿きに移動する。

　焦らすように内ももを撫でられて、ぞくぞくっとしたものが身体に這いまわる。

「脱がせるぞ」

　一応とばかりにそう言われて、私はこくんと首を縦に振る。

　彼の動きに合わせて、腰を浮かせ、下穿きから脚を抜いた。秘所がひんやりとした空気に触れる。

　……なのに、私の身体は逆に火照り始めた。

（きっと、もう……）

　自分の身体なのだ。先ほどの愛撫で蜜壺が惚けているのは、よくわかってしまう。

　その証拠に、蜜壺はメイノルドさまの指を容易く呑み込む。

「相変わらず、驚くほどに濡れやすいな」
「んっ」

　蜜壺がメイノルドさまの中指を根元まで飲み込む。そのまま軽く膣壁を撫でられて、無意識のうちに腰を揺らしてしまう。

　しばらく慣らすように、メイノルドさまの指が動く。そのたびにくちゅくちゅという淫らな水音が耳に入って、いたたまれない。

「指、増やすぞ」

　そんな私のいたたまれなさなど知りもしないのだろう。彼は私の蜜壺に人差し指も差し込む。

　彼によって造り替えられた身体は、その指も容易く受け入れる。

（……ぁ、メイノルド、さまが）

　指とはいえ、彼の身体の一部が私のナカに埋まっている。

　たったそれだけで、なんだかぐっとくるものがある。

「本当に、シルケはこうされるのが好きだな。……じゃあ、動かすからな」

　前半の部分は否定したかった。私に触れるのがメイノルドさまだからだって、訂正したかった。

　でも、彼の指が私の返事を聞くよりも前に動き出すから。……なにも、言えない。

「ぁあっ！」

　彼の指が、花芯の丁度裏側を撫でる。そのたびにお腹の奥からとろりとした蜜が溢れて、彼の指を伝ってシーツを汚している。

　……容易に想像がつく。だって、何度も何度も身体を重ねたのだもの。情交の跡も、見たのは一度や二度じゃない。

「ここを押すと、本当にぎゅって締まるな」

　メイノルドさまの指が、花芯の裏側を重点的に弄る。

　そのたびに、蜜壺が彼の指を締め付ける。彼曰く、まるで食いちぎろうとしているかのようだということだった。

「あぁあっ、め、めいのるど、さまっ……！」

　襲い来る絶頂の予感に、必死に彼の名前を呼ぶ。はらはらと涙が私の目から溢れ出た。

「どうした？」
「くちづけ、口づけ、して……！」

　必死に訴えれば、彼の顔が私に近づいて来て――唇が重なる。

　それに合わせるかのようにぐっと強く感じる場所を押されて、私は身体を跳ねさせて絶頂する。

　嬌声は、出なかった。ほかでもないメイノルドさまに、唇を塞がれていたから。

「んっ、んっ」

　ぎゅうぎゅうって、蜜壺が締まってる。

　出て行こうとするメイノルドさまの指に、縋っているみたいだった。

「っはぁ、もうそろそろ、いいだろう。……もう、十分ほぐれただろうからな」

　けれど、メイノルドさまは容赦なく私の蜜壺から二本の指を引き抜く。その指が私の視界に入って、てらてらと濡れているのに気が付く。……淫靡だとしか、思えない。

　ごくりと息を呑んでいれば、メイノルドさまが素早く衣服を脱いでいく。

　上半身をさらけ出して、そのまま流れでスラックスと下穿きも脱ぎ捨てる。なんの恥じらいもなく、当然のように一糸まとわぬ姿になった彼の下肢には、相変わらず大きなモノがある。

（何度見ても、すごい……）

　あんなものが私のナカに埋まっているのかと思うと、人体って不思議だなぁと思う。

　ドキドキと心臓が激しく音を鳴らす中、メイノルドさまは私の視線に気が付かれたらしい。

　なんのためらいもなく「触るか？」と問いかけてこられた。

「……え」
「じっと見ていただろ。せっかくだし、少し触るといい」

　彼が私の手を取って、その熱杭を握らせる。何度か触れたことはあるけれど、握らされたのは初めてだった。

「……な、んといいますか」
「あぁ」
「大きい、ですね……」

　本当、こんなものが私のナカに埋まっているのか……と思ってしまう。

「当然だろう。先ほどまでのシルケの痴態を見ていると、誰だってこうなる」
「ちっ！」
「痴態は痴態だろう。自覚がないのか？」

　……間違いはない。かといって。そんなの、認められない。……それも、好きな人に対して。

「いつもいつも、私との行為の際は、とろけたような顔をしている。そんなに、いいのか？」
「……っ」

　頷けなかった。頷きたい気持ちは山々だった。

　しかし、やっぱり。

　――この関係を壊せない。

（私がいいと伝えたら、この関係は絶対に壊れてしまう……）

　それが、嫌というほどにわかる。……なので、誤魔化すように私は自ら脚を開いた。

「も、挿れて、ください」