ダンジョンマスターは魔王ではありません!?

静電気妖怪

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序章〜運命の一年前〜

3話「one for all one 3」

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 10分が経った。

 ーピーンポーンパーンポーン

『さて、約束の時間がやってきた。4人は壇上に上がってくれたまえ』

 零が率先して上がり、続いて響が堂々と続き、俺は何事もなくその後についた。
 そしてーー

「ね、ねえ。私本当に行かなきゃダメ?」
「え?香行ってくれないの?」
「行かなきゃ私たちが死んじゃうんだよ?」
「ここまできてそんなこと言わないでよ!」

 香は最後の抵抗のように友人たちに向かって言葉をかけて居た。

 しかし、それは全て無駄であるかのように否定されてトボトボと教壇に上がった。

『ふむ、では選ばれなかった他の生徒はこのまま解放しよう。そして、君たち4人は逝こうか』

 その言葉を最後に俺たちは光に包まれた。

 ◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️

 光が収まるとそこには白い空間が広がっていた。

 床の感触というより、立っている感覚はある。だが、前も後ろも右も左も見渡す限りに白色が広がっている。

 ただ、俺たち4人がポツンと存在しているだけだった。

『ようこそ』

 突然、先ほどまで聞いていた声が降ってきた。

『困惑する気持ちも分かるが先に話をさせてもらおう。まず君達には重要な役目を負ってもらう』
「役目⋯⋯?」
「「「⋯⋯」」」

 ちなみに聞き返したのは響だ。
 俺と零は黙って聞いている。香は少し目に光が灯っていないが多分聞いているだろう。

『そう。その役目はダンジョンマスターだ』
「ダンジョンマスター?」
「「「⋯⋯」」」

 もう一度言うが、聞き直したのは響きで俺たち3人は大人しく聞いている。

『これより1年後、地球に10のダンジョンと、天変地異が起きる。その10個の内の4つをそれぞれ君達に担当してもらいたい。その為に君達には種族転生も行ってもらう』
「そ、それってッ!」

 何度も言うが俺たち3人はーーん?

 声をあげたのは香だった。

「それって私達は⋯⋯死ぬってことですか?」
『実際一度死んでもらう。その後に別の種族になって生まれる。それを死ぬかどうかと捉えるかは君次第だ』
「なら!家族には!?お母さん、お父さんには会えないんですか!?帰れないんですか!?」

 香の悲痛な声が響き渡る。
 整った顔も涙と流すのを我慢しているのかグシャグシャになっている。

『ああ、君達は二度と元の日常を取り戻すことはできない。帰ることはできるが、受け入れてもらえないだろうな』
「そんな⋯⋯嘘だよ。う、ふっ、ひぐっ⋯⋯うわああああああああああああああああああぁぁ」

 もう戻ることができない、そのことを断言され香の我慢は限界に達し、大粒の涙が拭いきれず手から溢れ出ていった。

 響が香に寄り添い背中をさすっている。

 あれ程の行動力ーー爆はーー流石と言うか。

「私達に要求するのはそれだけ?」

 零は香ぼ様子には目もくれず声に話しかけた。

『細かく言えば幾つかあるが、大きく要求するのはそれだけだ』
「次。なぜ私達のクラスで行ったの?」
『何故⋯⋯か。何故かと言われると明確な答えはないね。強いて言うならそこに僕が惹かれたからかな』
「そう」
『他に聞きたいことはないかな?』
「あー、じゃあちょっといいか?」
『ん?なんだい?』
「さっき言ってた天変地異とかってなに?」

 先程、こいつは地球にダンジョンが現れ、天変地異が起きると言った。

 俺たちがダンジョンマスターになるならダンジョンは俺たちの家みたいなものだ。
 そして、その影響で天変地異が落ちるのか、はたまた逆なのか。

『そうだね。手短に言うと地球上の大陸が一箇所を中心に集結する。いや、元に戻ると言った方が正しいのかな?』
「元に戻る?」
『地球の歴史の中では大陸はある1つの大きな大陸が別れてできたんだよ。まあ、それは置いておいて、要は全部まとまるって認識でいいよ』
「海岸沿いとかはどうなるんだ?」
『無理にはくっつかないよ。間に湖が挟まったりするんじゃないかな』

 想像すると非科学的な話だが、現在進行形で非科学的な状況にいるから何とも言えない。

「ならもう1つ。ダンジョンが出現するまでの1年か、俺たちはどうなるんだ?」
『君達にはこちらの世界でダンジョン運営を学んでもらうよ』
「こちらの世界?」
『詳しいことは気にしなくていいよ。ただ、ダンジョンの使い方を知ってもらうためだけだから。その為にアドバイザーもつけておくから安心してくれ』

 こちらの世界?つまり異世界が存在するのか?
 だが、もし俺たちが異世界に飛んで、また戻ってくるのか?
 それとも何か別の理由?

『それじゃあ、時間も押してるしここら辺で解散しようか』
「いや、ちょっと待て。まだ聞きたいことが...」
『その質問は受け付けないよ。じゃあ、頑張ってね』

 声は俺の質問を聞き入れず、俺たちはまた光に包めれた。
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