29 / 106
1章〜異世界の地に立つ者達〜
29話「侵入者4」
しおりを挟む
レイスとガレスのほぼ同時の踏み込み、そして、同時の切り込みが衝突した。
「中々速ぇじゃねえか!」
「⋯⋯つよ、い?」
レイスとガレスの攻防は広場内を縦横無尽に飛び回り行われた。
「な!?アイツ、レイスの速度についていくだと?!」
レイジはガレスの速度に驚愕するも、その間で更なる攻防が始まった。
「(フン)!!!」
「ハアァァ!」
ファントムの影の槍とリリナの蒼炎の槍が衝突した。
「今回の相手は骨がありそうね」
「(ジー)」
威力はほぼ互角。
勝負の決め手は手数の量となった。
「じゃあ、次は倍で行きましょう」
そう言ってリリナは先ほどの攻防ので出した蒼炎の槍の2倍の数を生み出した。
「(フン)!」
ファントムも同様に同じ数を生み出す。
そして、生み出された槍は再度広場内でぶつかり、轟音と砂を撒き散らした。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
「どうやら、2人とも手が空かないようね」
「ええ、ですから貴方の相手は私が勤めさせていただきますわ」
「女型の魔物⋯⋯」
「その呼び方は少々気に入りませんね」
「別に、気に入らなくても構わないよ。だってーー」
ローブの言葉が途切れた。
そして、次の瞬間ーー
「君達はここで死ぬのだから」
ーーローブはパンドラの死角である背後に移動し腕を振り下ろしている状態でいた。
そして、振り下ろしている手にはナイフが握られている。
「な!?」
声をあげたのは誰であろうか。
突然に移動したローブを見て驚いたレイジではなかった。
一瞬にして背後を取られ、攻撃に転じられたパンドラでもなかった。
そう、声をあげたのはーー
「ーーな、何故?」
ーー振り下ろしたナイフを根元から折られたローブ姿の人物だった。
完全に死角をとり、完璧なタイミングでナイフを振り下ろした。
しかし、結果はナイフ折れ、パンドラ本人に傷は一つもなかった。
「あら?そのナイフ安物ですわね?」
「ッ!」
再度ローブは消え、パンドラとある程度離れた場所に唐突に現れた。
「⋯⋯一体何をした?」
「それでしたら私も聞きたいですわ。貴方の技能スキルを」
「答える義理はない」
「でしたら、私もお答えするのは控えさせていただきますわ」
「ッチ、どうなってるのよ今回は⋯⋯」
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
レイジは思考していた。
何故、ダンジョンの構造が知られていたのか。
出来上がってから外からの侵入は今回が初めてだ。
にも関わらず、相手は最短ルートで踏破した。
何故、相手はレイジ達の情報を詳しく知っているのか。
あまりよく聞こえなかったが、相手はレイジがダンジョンマスターだと断言していた。
他にも、レイスやファントムの戦闘スタイルを知り、的確に選抜してきている。
何故、相手はパンドラを知らないのか。
パンドラの種族から物理攻撃が効かない、そんなインパクトの高い情報を知らない。
現に、今もフードの人物はナイフで戦闘を行なっている。
何故?
疑問を呈し、想像を膨らませ、予想する。しかしーー
「はぁ」
ーー答え合わせができない以上、万が一に備えることしか今はできなかった。
諦め半分のレイジは戦況を確認する。
どの戦いも不安な場面が少ない。寧ろ押している、と言ってもいいくらいだ。
確かに驚く部分は多かったが、マルコシアス戦での成長に慣れ始めると状況は安定していった。
「あのローブを尋問でもできれば分かりそうなんだがな」
全ての中心にいるのはローブの人物。
質問すれば素直に答えてくれそうな気配はない。
故に、レイジは深いため息をついた。
レイジ自身、パンドラの戦闘に参戦したいが戦闘経験、戦闘技能が少ないため行けば足手まといになるのは明白だった。
「はぁ、なんか口の中すげえ甘いし。どうするかな⋯⋯」
レイジはそう呟いて甘味を感じながらも、改めて戦況を見守った。
「中々速ぇじゃねえか!」
「⋯⋯つよ、い?」
レイスとガレスの攻防は広場内を縦横無尽に飛び回り行われた。
「な!?アイツ、レイスの速度についていくだと?!」
レイジはガレスの速度に驚愕するも、その間で更なる攻防が始まった。
「(フン)!!!」
「ハアァァ!」
ファントムの影の槍とリリナの蒼炎の槍が衝突した。
「今回の相手は骨がありそうね」
「(ジー)」
威力はほぼ互角。
勝負の決め手は手数の量となった。
「じゃあ、次は倍で行きましょう」
そう言ってリリナは先ほどの攻防ので出した蒼炎の槍の2倍の数を生み出した。
「(フン)!」
ファントムも同様に同じ数を生み出す。
そして、生み出された槍は再度広場内でぶつかり、轟音と砂を撒き散らした。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
「どうやら、2人とも手が空かないようね」
「ええ、ですから貴方の相手は私が勤めさせていただきますわ」
「女型の魔物⋯⋯」
「その呼び方は少々気に入りませんね」
「別に、気に入らなくても構わないよ。だってーー」
ローブの言葉が途切れた。
そして、次の瞬間ーー
「君達はここで死ぬのだから」
ーーローブはパンドラの死角である背後に移動し腕を振り下ろしている状態でいた。
そして、振り下ろしている手にはナイフが握られている。
「な!?」
声をあげたのは誰であろうか。
突然に移動したローブを見て驚いたレイジではなかった。
一瞬にして背後を取られ、攻撃に転じられたパンドラでもなかった。
そう、声をあげたのはーー
「ーーな、何故?」
ーー振り下ろしたナイフを根元から折られたローブ姿の人物だった。
完全に死角をとり、完璧なタイミングでナイフを振り下ろした。
しかし、結果はナイフ折れ、パンドラ本人に傷は一つもなかった。
「あら?そのナイフ安物ですわね?」
「ッ!」
再度ローブは消え、パンドラとある程度離れた場所に唐突に現れた。
「⋯⋯一体何をした?」
「それでしたら私も聞きたいですわ。貴方の技能スキルを」
「答える義理はない」
「でしたら、私もお答えするのは控えさせていただきますわ」
「ッチ、どうなってるのよ今回は⋯⋯」
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
レイジは思考していた。
何故、ダンジョンの構造が知られていたのか。
出来上がってから外からの侵入は今回が初めてだ。
にも関わらず、相手は最短ルートで踏破した。
何故、相手はレイジ達の情報を詳しく知っているのか。
あまりよく聞こえなかったが、相手はレイジがダンジョンマスターだと断言していた。
他にも、レイスやファントムの戦闘スタイルを知り、的確に選抜してきている。
何故、相手はパンドラを知らないのか。
パンドラの種族から物理攻撃が効かない、そんなインパクトの高い情報を知らない。
現に、今もフードの人物はナイフで戦闘を行なっている。
何故?
疑問を呈し、想像を膨らませ、予想する。しかしーー
「はぁ」
ーー答え合わせができない以上、万が一に備えることしか今はできなかった。
諦め半分のレイジは戦況を確認する。
どの戦いも不安な場面が少ない。寧ろ押している、と言ってもいいくらいだ。
確かに驚く部分は多かったが、マルコシアス戦での成長に慣れ始めると状況は安定していった。
「あのローブを尋問でもできれば分かりそうなんだがな」
全ての中心にいるのはローブの人物。
質問すれば素直に答えてくれそうな気配はない。
故に、レイジは深いため息をついた。
レイジ自身、パンドラの戦闘に参戦したいが戦闘経験、戦闘技能が少ないため行けば足手まといになるのは明白だった。
「はぁ、なんか口の中すげえ甘いし。どうするかな⋯⋯」
レイジはそう呟いて甘味を感じながらも、改めて戦況を見守った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
雷王、大いに懊悩す~ラスボス魔王、使命を果たして元の世界に戻りたくない異世界転移チート勇者によって全力で延命させられるの巻~
朽縄咲良
ファンタジー
――「要するに、アンタには死なれちゃ困るんだよ。俺が、この異世界で幸せな一生を送って、天寿を全うするまで、な」
魔族を統べる魔王イラ・ギャレマスは、自身の城へと攻め込んできた“伝説の四勇士”の三人、ジェレミィア・ファミィ・エラルティスを、その圧倒的な力を以て圧倒する。
残るは、黒髪黒目の冴えない男――シュータ・ナカムラのみ。
だが……シュータは、魔法陣で三人の仲間を魔王城の遥か彼方へと吹っ飛ばし、ただひとりで魔王と対峙する。
――そして、二十分後。
不様に大理石の床に這いつくばっていたのは、魔王ギャレマスの方だった。
シュータの繰り出す圧倒的なチート攻撃の前に為す術もないギャレマスは、自身の敗北と迫りくる死を覚悟するが、そんな彼に対し、シュータは不敵な笑みを浮かべながら、意外な提案を持ちかけるのだった――。
「なぁ、魔王。ここはひとつ、手を組もうぜ……!」
『地上最強の生物』だが、めっぽうお人好しで、バカが付くくらいに娘の事を溺愛している中年オヤj……ナイスミドル(忖度)の魔王が、反則級のチートマシマシ異世界転移勇者をはじめとした周囲の者たちに翻弄されまくるコメディファンタジー、ここに開幕!
哀れな魔王の、明日はどっちだ……?
(表紙イラストは、ペケさんから戴きました)
*小説家になろう・ノベルアッププラスにも、同作品を掲載しております。
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる