ダンジョンマスターは魔王ではありません!?

静電気妖怪

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1章〜異世界の地に立つ者達〜

43話「平穏と窮地の表裏5」

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(おーい)

 レイジの頭の中に声が響いた。

「だ、誰だッ!」
(ワイやワイ)

 レイジは周囲を見渡したが何者かの存在は確認できなかって。
 そして、ふと持っている剣へ視線を向けた。

(お、気がついたか?)
「まさか⋯⋯」
(そんまさかや)
「お兄ちゃん誰と会話してるの?」

 剣に向かい話しかけているレイジを見てゼーレが心配そうに聞いて来た。

「ゼーレは聞こえないのか?」
「何が?」
(残念やけど、ワイの声は持っている人物にしか聞こえへんのや)
「そうなのか?」
「?」

 益々、ゼーレは心配の眼差しをレイジに向けた。

「お兄ちゃん? もしかしてそんなにハクレイちゃんのこと怒っちゃった?」
「そ、そんな!? 今話題戻しちゃダメっす!」
「あ、いや、そうじゃないんだ」
「?」
「この剣、会話できるみたいなんだ」
「会話できる?あ、もしかして付喪神かな?」
(あー惜しい、残念や! ワイは妖刀や)
「妖刀らしいぞ。そんで、持ってる奴としか話せないらしい」
「へー、妖刀かー」

 剣を妖刀と知ったゼーレは何かを思い返しながら曖昧に答えた。

「何か詳しく知ってるのか?」
「妖刀は一振り一振り個体差が大きい、ってことくらいかな」
(ワイを使うんならあんまり動かなくて、大人しいヤツが使った方がええで)
「動かない? 大人しい?」
(ま、聞くより使ってみる方が早いわ。他の魔物達を端に退けて振ってみ)

 レイジ言われた通り目ゼーレ達を壁際に避難させた。

「じゃあ、行くぞ」
(いつでもええで)
「フッ」

 レイジは息を吐くと同時に妖刀を振った。
 するとーー

「うおっ!」

 ーー妖刀の刃が一つ一つ外れ鞭の様に伸び地面を抉った。
 地面をえぐった先端はレイジの手首に合わせ動きを変え、まるで意思があるかの様に飛び回り役目を終えると全ての刃が手元に戻り、元の形状に戻っていた。

(ま、こんなところやな)
「お前、蛇腹剣っていうやつか?」
(お、そんな感じや。ま、ワイがいるからある程度なら操作できるから難しくないで)
「なるほどな」

 レイジが妖刀の説明を聞き、先ほどの動きに納得した。
 現にーー

「何がなるほどっすかッ!」

 ーー移動していなかったハクレイには一度も当たっていなかったのだから。

「ん?どうした?」
「何がどうしたっすか! 自分に当たりそうだったんすよ?!」
「先に避難しろって言っただろ?」
「自分まだ避難してないっすよ!?」
「そんなの知るか。ま、いいお仕置きになったかな」
「な!? ⋯⋯やっぱこのお兄さん鬼畜っす!」
「⋯⋯ほう、まだ足りなかったか?」

 レイジはを感じながら妖刀を構え、笑顔をハクレイに向けた。

「にゃ!? 冗談っす! 口が滑っただけっす! だ、だからーー」
「まだ使い始めたばっかだからな⋯⋯うん、もう少し試し切りするか」
「いいいやあああああぁああぁっっっっす!」

 その後、最下層にはハクレイの絶叫と慟哭が木霊した。

「やっぱり、お兄様は攻めがいいんですねぇ」
「貴方様⋯⋯私、頑張りますね!」
「⋯⋯まざ、り⋯⋯たい、な」
「面白そうな子達が来てくれてよかった、よかったー」

 その光景を四者四様に気持ちを零しながら見守っていた。
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