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2章〜光は明日を照らし、鬼は大地を踏みしめ、影は過去を喰らう〜
49話「這い寄る影、蠢く破滅、その先に3」
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ー異世界某所ー
トレードマークの様な青い髪に、見た目からは似つかわしくない大きな鎌を背負った姉のブラウ。
ブラウとは違い赤い髪に、こちらも外見からはかけ離れている大きな棍棒を背負った妹のロート。
鬼姉妹と謳われ、恐れられている姉妹は都市の門の前に来た。
そして、門の前には既に人組の男女の姿があった。
「あー! ラル姉!」
ロートは二人の内の一人の元へ駆け寄った。
ラル姉、そう呼ばれた女性は薄い金髪を長く伸ばし、少しキツめの碧眼。顔以外の全身に白銀の鎧を着込み、腰には一振りの西洋剣が携えている。
「久しぶりだな、ロート」
「うん! 久しぶり!」
「お久しぶりです、ラルカさん」
「ああ、ブラウも久しぶりだな」
少女達が再会を喜んでいると先に待っていた男が遠慮がちに声をかけた。
その男はボサボサの黒髪に黒目、無精髭を生やした中年男性。ローブを羽織り、ローブの下には黒の長袖で長ズボン、黒色の皮を装備している。
「お嬢さん達、再会を喜ぶのはいいが先に自己紹介からでいいかい? 俺の名前は マーダ だ。今回はよろしく頼むよ」
「これは済まなかった。私はこの都市の騎士団の副団長を務める ラルカ・フェリウス だ」
「ほう、噂には聞いていたが本当に女性が副団長に就いたのか。巷で聞く話には眉を顰(ひそ)めていたがあながち外れてはいないようだな」
「あまり過大評価してくれるな。私がこの座に就いたのは偶々だ」
お世辞を軽く受け流すラルカ。しかし、その堂々たる振る舞いからは他の人々達とは違うものを感じさせられる。
「偶々、ねぇ。で、そちらのお嬢さん達は?」
「私は ロート だよ!」
「私は ブラウ・ヴァオレット。この子の姉です」
「ロートちゃんにブラウちゃんね。君達『鬼姉妹』は有名だよ、俺が覚えるほどにね」
「⋯⋯あなたも大概でしょう?ーー這い寄る影さん」
ブラウの発言にこの場の空気が一変した。
マーダはにこやかな表情をしているがどこか暗さが帯び、ラルカは先ほどまで和やかだった雰囲気は消え去り鋭い眼光でマーダを射抜いている。
「⋯⋯あらら。なんだ、俺のことはご存知か」
殺伐とした雰囲気を和ませようとマーダはおちゃらけた雰囲気で両手を軽くあげおどけた態度を取った。
しかし、次の瞬間ーー
「フッ!」
ーーラルカが腰の西洋剣を抜き、マーダの首元へ振り抜いた。
「おっと」
マーダはその剣筋を見切り半歩後方へ下がることでラルカの一閃を躱した。
「⋯⋯私の剣を躱すか」
「おいおい、いきなり何すんだよ」
「当然だ!暗殺ギルドの幹部這い寄る影!我々騎士団が貴様を切らないわけがない!」
「⋯ったく、だから嫌だったんだよお堅い騎士団様と組むのは。大体、ブラウちゃんはどうして俺の身元を知ってのかね?」
「はぁ、申し訳ありません。私はギルドマスターの方から知らされていたにです。てっきりラルカさんも知ってるものだと思っていました」
「な、何!? 団長はそのような事一言も言っていなかったぞ」
「⋯⋯こうなることがわかってたんだろうな」
「そのようですね」
「にしても純粋無垢の正義は伊達じゃないな⋯⋯色んな意味で」
「む!その呼ばれ方はあまり好きではないーーって、そんなことはどうでもよい!貴様をここでーー」
「切るってか?だが、団長さんからは俺と協力するように司令が出てるんじゃないのか?」
「ーーむ!⋯⋯むむむ」
マーダの発言にラルカの行動が止まる。
今ここでマーダに斬りかかることは簡単だが、命令を放棄することになる上にこれから向かうとあるダンジョンへの戦力を消費することになる。
自身の剣とマーダを交互に見ながらラルカは逡巡した。
「⋯⋯いくら緊急であっても暗殺ギルドの力を借りることに納得はできない。だが、貴様の動きを見て今殺し合うのは得策ではない」
「俺も同意見だ。一応依頼を受けた身だからな」
「はぁ、納得はしないが妥協はする必要がありそうだな」
とりあえずは、とラルカは抜いていた剣を鞘に収めることにした。マーダもまた争い事にならずに済んだことで安心から一息ついた。
「では、行きましょうか」
纏(まと)まった様子を見たブラウが声をかけてきたが同時にあることに気がついた。
「⋯⋯あら?ロートがいません?」
「む、そう言えばいないな。普段なら騒ぎ立て割って入ってくるぐらいなのに」
「ええ。どこ行ったのでしょう⋯⋯」
ブラウとラルカが周囲を見ていると一足先に気がついたマーダが指を差した。
二人はマーダが指さした方を見ると手に幾つもの食べ物を抱えたロートが歩いて帰ってきていた。
「あ、終わった?」
「⋯⋯それは?」
「これ? ラル姉の話が長くなるなー、って思ったから買って来た」
「はぁ、あまりに静かだったのはそういう訳でしたか」
「で、もう行ける?」
「ええ、行きますよ」
「ロートちゃん、悪かったな」
「すまない」
「いいよいいよ。じゃあーー行こっか!」
ロートの掛け声を先頭に四人は目的地である、とあるダンジョンへ向かった。
トレードマークの様な青い髪に、見た目からは似つかわしくない大きな鎌を背負った姉のブラウ。
ブラウとは違い赤い髪に、こちらも外見からはかけ離れている大きな棍棒を背負った妹のロート。
鬼姉妹と謳われ、恐れられている姉妹は都市の門の前に来た。
そして、門の前には既に人組の男女の姿があった。
「あー! ラル姉!」
ロートは二人の内の一人の元へ駆け寄った。
ラル姉、そう呼ばれた女性は薄い金髪を長く伸ばし、少しキツめの碧眼。顔以外の全身に白銀の鎧を着込み、腰には一振りの西洋剣が携えている。
「久しぶりだな、ロート」
「うん! 久しぶり!」
「お久しぶりです、ラルカさん」
「ああ、ブラウも久しぶりだな」
少女達が再会を喜んでいると先に待っていた男が遠慮がちに声をかけた。
その男はボサボサの黒髪に黒目、無精髭を生やした中年男性。ローブを羽織り、ローブの下には黒の長袖で長ズボン、黒色の皮を装備している。
「お嬢さん達、再会を喜ぶのはいいが先に自己紹介からでいいかい? 俺の名前は マーダ だ。今回はよろしく頼むよ」
「これは済まなかった。私はこの都市の騎士団の副団長を務める ラルカ・フェリウス だ」
「ほう、噂には聞いていたが本当に女性が副団長に就いたのか。巷で聞く話には眉を顰(ひそ)めていたがあながち外れてはいないようだな」
「あまり過大評価してくれるな。私がこの座に就いたのは偶々だ」
お世辞を軽く受け流すラルカ。しかし、その堂々たる振る舞いからは他の人々達とは違うものを感じさせられる。
「偶々、ねぇ。で、そちらのお嬢さん達は?」
「私は ロート だよ!」
「私は ブラウ・ヴァオレット。この子の姉です」
「ロートちゃんにブラウちゃんね。君達『鬼姉妹』は有名だよ、俺が覚えるほどにね」
「⋯⋯あなたも大概でしょう?ーー這い寄る影さん」
ブラウの発言にこの場の空気が一変した。
マーダはにこやかな表情をしているがどこか暗さが帯び、ラルカは先ほどまで和やかだった雰囲気は消え去り鋭い眼光でマーダを射抜いている。
「⋯⋯あらら。なんだ、俺のことはご存知か」
殺伐とした雰囲気を和ませようとマーダはおちゃらけた雰囲気で両手を軽くあげおどけた態度を取った。
しかし、次の瞬間ーー
「フッ!」
ーーラルカが腰の西洋剣を抜き、マーダの首元へ振り抜いた。
「おっと」
マーダはその剣筋を見切り半歩後方へ下がることでラルカの一閃を躱した。
「⋯⋯私の剣を躱すか」
「おいおい、いきなり何すんだよ」
「当然だ!暗殺ギルドの幹部這い寄る影!我々騎士団が貴様を切らないわけがない!」
「⋯ったく、だから嫌だったんだよお堅い騎士団様と組むのは。大体、ブラウちゃんはどうして俺の身元を知ってのかね?」
「はぁ、申し訳ありません。私はギルドマスターの方から知らされていたにです。てっきりラルカさんも知ってるものだと思っていました」
「な、何!? 団長はそのような事一言も言っていなかったぞ」
「⋯⋯こうなることがわかってたんだろうな」
「そのようですね」
「にしても純粋無垢の正義は伊達じゃないな⋯⋯色んな意味で」
「む!その呼ばれ方はあまり好きではないーーって、そんなことはどうでもよい!貴様をここでーー」
「切るってか?だが、団長さんからは俺と協力するように司令が出てるんじゃないのか?」
「ーーむ!⋯⋯むむむ」
マーダの発言にラルカの行動が止まる。
今ここでマーダに斬りかかることは簡単だが、命令を放棄することになる上にこれから向かうとあるダンジョンへの戦力を消費することになる。
自身の剣とマーダを交互に見ながらラルカは逡巡した。
「⋯⋯いくら緊急であっても暗殺ギルドの力を借りることに納得はできない。だが、貴様の動きを見て今殺し合うのは得策ではない」
「俺も同意見だ。一応依頼を受けた身だからな」
「はぁ、納得はしないが妥協はする必要がありそうだな」
とりあえずは、とラルカは抜いていた剣を鞘に収めることにした。マーダもまた争い事にならずに済んだことで安心から一息ついた。
「では、行きましょうか」
纏(まと)まった様子を見たブラウが声をかけてきたが同時にあることに気がついた。
「⋯⋯あら?ロートがいません?」
「む、そう言えばいないな。普段なら騒ぎ立て割って入ってくるぐらいなのに」
「ええ。どこ行ったのでしょう⋯⋯」
ブラウとラルカが周囲を見ていると一足先に気がついたマーダが指を差した。
二人はマーダが指さした方を見ると手に幾つもの食べ物を抱えたロートが歩いて帰ってきていた。
「あ、終わった?」
「⋯⋯それは?」
「これ? ラル姉の話が長くなるなー、って思ったから買って来た」
「はぁ、あまりに静かだったのはそういう訳でしたか」
「で、もう行ける?」
「ええ、行きますよ」
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