33 / 66
二章〜世界文明の飛躍〜
32話「第一の遊戯『命の重さを知る』」
しおりを挟む——歩くたびに地面を削る音がする。
ソレは罪のよう絡みつき罰のように重くのしかかる。
逃がさない、と言わんばかりに複雑に巧妙に嫌らしく身動きを奪うのだ。
——歩くたびに荒い呼吸の音がする。
疲労が思考を鈍らせ、緊張が決断を遅らせる。
こっちだよ、と言わんばかりに甘美に妖艶に時には大胆に目を奪うのだ。
それでもまた一歩進み、見えない終わりを求め更に一歩進む——進むしかないのだ。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
「はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯」
漆黒の樹海を肩で息をしながら美香は突き進んでいた。
片方の肩で眠っている幸を担ぎ、悪いとは思っているが足を引きずりながら進んでいる。
「うっ、はぁ⋯⋯ふぅ⋯⋯」
強く打ち付けてしまった左腕が痛み口からは時折苦悶の声が漏れる。
どれだけこの苦痛を受けただろうか?
あとどれだけ苦痛を受けいれるのか?
そんな自問自答を繰り返しながら進んだ道を振り返る。
「はぁ、はぁ⋯⋯もう、大分⋯⋯見えなくなった⋯⋯かな」
美香が何を指標にしているかと言うとラウと出会った場所もあるが、そこを出た直後で遭遇した複数のトレントの死体⋯⋯の跡だ。
樹海に入る瞬間、それは一番警戒していたが心の何処かで一番油断していた瞬間だった。
そのタイミングで一気に仕掛けられたが驚いた拍子に運良く右手に持っていた魔道具を発砲し目の前にいたトレントを木っ端微塵に砕くことができたのだ。
「本当⋯⋯参っちゃう⋯⋯よね」
そう言って美香は前に振り返りまた一歩ずつ前進していくのだった。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
暫く進むと美香は眠っている幸に言葉をかけるようになった。
「あ、あと、どれくらい、あるかな⋯⋯?」
「⋯⋯」
当然だが返ってくる言葉がない。
「もう、半分は、歩いた、かな⋯⋯?」
「⋯⋯」
投げかける言葉の数が増えるにつれて返ってくる言葉への期待が薄らいでいく。
それでも、美香は言葉を投げ続けた。この寂しくも怖い時間に耐えられないと自覚しないために。
「そう言えば、だけど、結構、重い⋯⋯ね」
「⋯⋯」
「あ、いや、幸が、重い、って訳じゃ、ないよ?」
「⋯⋯」
「人間って、結構、重いんだな、って、思っただけ、だよ⋯⋯?」
「⋯⋯」
頭の中で寝ている時の自分を想像し、安眠を支えてくれているベットに注目する。
これだけ重く感じる一人の人間を壊れることもなく、文句を言うこともなく支えてくれていることに感服してしまう。
そんなどうでもいい事に思考を使い美香は必死に気を紛らわせようとするが——、
「現代の、技術って、すご——ッ!」
ボコリ、と僅かにだが足元に異変を感じ咄嗟に身を翻す。
そして一瞬遅れて美香が居た場所に一本の黒い木が勢いよく伸びたのだ。
「⋯⋯やっぱり」
そして休む暇なく足の裏に次の異変を感じる。
美香は歯を強く咬み足に力を入れ全力で飛び退く。避けた先にまた、また、また、と足の裏の感覚に集中し更に身を引き、捻り、転がる。
「一体、どれだけ、出てくるのよ!」
美香の口から出た悲鳴に近い叫びが届いたか、ようやくのことで地中からの攻撃が止んだ。
「お、終わった⋯⋯! なら、これでもくらえ!」
立ち並んだ黒いトレントは唐変木の様に緩慢な動きで美香を探す。
その隙を美香は逃さずに魔導具で木っ端微塵にしようと引き金を引いた。
「ゴホッ、ゴホッ⋯⋯ど、どう?」
大きな爆発と共に立ち上がる土煙。美香の顔面にも容赦なく襲い、咳き込んでしまうがそんなことはどうでもよかった。
期待する未来は先ほど見た光景。僅かに焦げて、窪んだ地面とその周囲に散らばる木片。しかし、
「⋯⋯うそ」
「ゴアァ⋯⋯」
「ウゴゴォォ⋯⋯」
「ガアァ⋯⋯」
煙が晴れた先にはその期待は叶っていなかった。
傷は付いている個体、焦げた個体がいるものの砕け散ったトレントはいない。先ほどまで戦っていたトレントとは一線を画す別の魔物であるかのようだ。
「なんで⋯⋯ど、どうしてよ!」
焦りが加速し、不安が芽吹く。
美香は引き金を引き続け連射するが——、
「——ッ! こ、こんな時に弾切れ!?」
魔道具から弾の発射音の代わりに空を切る音が響く。
美香の脳裏に浮かび上がるのは花畑で乱射した幸の姿。
「何で⋯⋯ああ、もう!」
ガシャッ、と勢い良く魔道具を投げつけ美香は身を翻し出口へと走る。
「何で⋯⋯どうして⋯⋯!」
何でこんな時に限って弾が切れるのか。
どうして急に倒せなくなっているのか。
何で、どうしての疑問が回らない頭の中で錯綜する。
「はぁ、はぁ⋯⋯いっ⋯⋯!」
そしてこんな時に、こんな時だからこそ全身の筋肉が悲鳴をあげる。
無理な動きと限界を迎えた体力がこれ以上の抵抗を妨げようとする。
「ゴアァ⋯⋯」
「ウゴゴアァ⋯⋯」
「アアァ⋯⋯」
首だけを動かし後ろを見ればゆっくりだが確実に美香達との距離を詰めてくる大量のトレントの姿があった。
「——ッ! 早く⋯⋯早く逃げないと!」
筋肉の悲鳴なんて聞いてられない。
疑問の答えなんて探してられない。
逃げなければ、逃げなければそれで終わってしまうのだから。
「早く、早く⋯⋯動いて、動いてよっ!」
魔道具を投げつけたことで空いた右手で太腿を殴りながら走る美香。
鈍い痛みが足を鞭打つ様に刺激し、トレントの大群に遅れない速度で進む。そして——、
「はぁ、はぁ⋯⋯あっ⋯⋯」
美香の視界の端に光が映った。
終わりを知らせる光が、出口を見せる光が、苦痛を解放する光が、美香の瞳に映ったのだ。
「もう少し⋯⋯あともう少し⋯⋯!」
だが——、
「ゴゴゴボボボアァ⋯⋯!」
一体のトレントが行く手を阻んでいた。
それが後ろから追いかけてきているトレントとは見た目も雰囲気も全く異なっていた。
赤く塗りつぶされた様な木皮、嗤う様に三日月の目と口の模様を彩った黒。全長も高く、今までの個体の倍ほどの高さと太さを有している。
そんな真っ赤なトレントは嘲笑うかの様に声をあげ、枝を広げ美香達の正面に立った。
「なに⋯⋯こいつ⋯⋯」
「ゴゴゴボボボアァ」
立っているその姿だけで美香は立ち竦んでしまう。限界を超えて使われた膝もここまできたら笑うしかできない。
「こんなの⋯⋯どうすればいいのよ⋯⋯」
自然と後ずさりしてしまう。しかし、後ろから迫り来る黒いトレント達の唸り声がそれを許さない。
進んでも死、戻っても死。
どうしようもないな、と思えてしまった美香は諦めてしまおうかと思ったその時——、
「ゴアァッ!?」
「ウゴゴアァッ!?」
「アアァァッ!」
「⋯⋯え?」
黒いトレント達の断末魔と大量の爆撃音が響き渡った。
呆けた表情で振り返った美香が目にしたのは、
「ようやく⋯⋯見つけた」
「ま、まり⋯⋯あ⋯⋯?」
どこか覚悟めいた物を背負った真里亞が執念の炎を燃やし美香の隣に立った。
「どうして⋯⋯ここに?」
「ここが出口だから。それ以外に理由がいんの?」
「⋯⋯」
荒々しい口調で責め立てるように言葉を発する真里亞。その勢いに美香は萎縮してしまい、口を閉ざしてしまう。
「⋯⋯アンタさぁ、何がしたいの?」
「⋯⋯え?」
荒々しい口調も、責め立てるような勢いも変わっていない真里亞が突然に美香に問うた。
その言葉には先ほどには無かった棘と苛立ちを垣間見せて。
「それって⋯⋯どういう⋯⋯」
「アタシはここから出たい。それだけ。寧ろそのためならアンタだって殺すし、香だって殺す」
「——ッ」
「アタシ生きたい。生きて生きて生き延びる。例えどんな非道だと知ってても絶対に生き残る。それだけ。でもアンタはさ⋯⋯何なの? 他人の命を背負ってまでして何がしたいの?」
「私が⋯⋯したいこと⋯⋯?」
真里亞に言われて対面する自身の願い。
香に謝りたい。
香に償いをしたい。
香の気持ちを聞きたい。
香に——
「⋯⋯香に⋯⋯会いたい」
自然と溢れた美香の願い。忘れかけ、諦めかけていたその願い。
別に許されなくたっていい。
別に罵られたって構わない。
別に嘘だろうと気にしない。
ただ忘れてはいけない、諦めてはいけない。最後まで足掻き、もがき続けないとそれは絶対に叶わない。
「⋯⋯アンタ達の友情ってやつ? には嫌気がするけどまぁ⋯⋯良いんじゃね?」
荒々しさを小さめに、その代わりに呆れを雰囲気で出しながら真里亞は美香から離れ、赤いトレントに向かっていった。
「まり——」
片手に持つ一丁の魔道具だけが見かけ上の唯一の装備品。
美香はあまりに無謀、あまりに無駄なその行動を止めようとするが、
「アンタは黙ってな。正直、出てこられると邪魔なんだよ」
その一言で真里亞は美香を一蹴し、赤いトレントの正面に立った。
さながら物語の主人公のように、猛然と立ち塞がる強大な敵を前に真里亞の覚悟は一寸も揺らがなかった。
「さぁて、アタシは生き残りたいんだ。そのために⋯⋯死ねやッ!」
その場で跳躍した真里亞。その高さは普通の人間をはるかに超え、トレントの頭上を取る。
トレントも機敏に真里亞の動きに追いつき視線を上に向けるが——、
「遅すぎんだろ」
真里亞の手には二丁の銃が握られていた。どちらも同じ機関銃型の魔道具。二つの凶悪な発明がトレントに向けられた。
「オラオラオラオラオラオラオラオラアァァッッ!」
雄叫びと共に引き金を一気に引き、雨のように小規模爆発を伴う弾丸が放たれる。
「ウゴゴゴアァッ!?」
美香の魔道具による爆撃は単発であったために致命傷に至らなかたが、ここまで連続した爆撃は流石の赤いトレントも余裕の声ではなく、何処か焦っている声に変わる。
「ゴアァッ!」
赤いトレントも負けじと強靭な腕を払い弾丸ごと真里亞を打ち払おうとするが、
「マヌケがっ!」
狙いを定めた真里亞の銃撃が振るわれるトレントの腕を正確に爆撃しその強腕が直撃する前に爆風で逃れる。
「な、何これ⋯⋯本当に人間なの!?」
その判断力と大胆さに美香は度肝を抜かれ、驚愕する。
始めのジャンプ力もだが爆風で攻撃を避けるなんて芸当は思いつきましない。
「アンタとは生きることへの執念が違うんだよっ!」
ダメ押しとばかりに落下しながら撃ち続ける爆撃。狙いは局所集中の足破壊。
「ウゴゴアッ!」
一番薄く、重心で重要な役割を担っている根を破壊されトレントのバランスが大きく崩れる。
「今だ! 逃げんぞ!」
真里亞の呼びかけで止まってしまっていた足を美香は再度無理矢理動かす。
トレントがバランスを取り戻す前にどうにか通り抜け、遅れて真里亞も横をすり抜ける。
「走しんな! 追いつかれっぞ!」
「う、うん!」
「ウゴゴアァッッ!」
赤いトレントが体制を整え、怒り狂った形相と怒声で美香と真里亞の後を追いかける。
速度は僅かにだがトレントが上回っており、その差は徐々に縮まる。
「チッ! しぶといデカブツめ!」
振り返りながら引き金を引き脚を止めようとするが、トレントはその速度を緩ませない。そして——、
「⋯⋯ま、間に合った」
トレントの剛腕が追いつく直前で美香は真紅の花畑に辿り着いた。
殿を務めていた真里亞もまた同時に入り込み、背中を追っていた赤いトレントは悔しそうに模様を歪め真紅の花畑に入ろうとしない。
「どうやら⋯⋯逃げ切ったみたいだな」
真里亞の口からも安堵の言葉が漏れる。額を拭っているその姿がどれだけ安心しているかが伺える。
「お、終わった⋯⋯やったよぉ⋯⋯」
死の危険から間一髪で逃げ切った美香は全身の力を抜きその場で座り込み、喜びと達成感の笑みを浮かべていた——これがまだ遊戯の始まりでしかないとも忘れて。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
ーーーーー
名前:枢木 真里亞
種族:人族
性別:女
Lv:33
HP:E
MP:E
技能:人型戦略兵器<2>、生命の躍動<->、身体強化<2>、
称号:生への執着する者、
ーーーーー
ーーーーー
人型戦略兵器<2>
等級:B
使用したことがある武器と認識する物全てをを再現することができる。
再現度や規格、精度は使用者の魔力と情報量、練度に依存する。
ーーーーー
ーーーーー
生命の躍動<->
等級:C
使用者に死の危険が迫れば迫るほど潜在的能力の上限を解放する。
ただし解放できる上限に限界があり、それ以上の解放は死に直結する。
ーーーーー
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる