イマドキ!

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第2章 イマドキの呼び出し

20話~師匠を探して~

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「…昨日より少し人数が減ったようだが、始めさせて貰う。」

放課後。
俺と雹太と竹上は昨日と同じように視聴覚室に来ていた。
朝から結局、榊は学校に来ていない。
その榊は勿論だが、視聴覚室に集まっているのは昨日の3分の2くらいに減っているようだ。
……といっても2クラス弱程度の人数はいるだろう。

「まず、昨日話した召喚によって呼び出される生物について簡単に説明する。それらは『魔物』などと呼ばれており魔力によって形成されている。魔物は大きく分けて3種。まず、この世界の動物、つまり鳥や馬、猫などの姿をした『魔獣まじゅう』。その名の通り龍の姿をした『魔龍まりゅう』。そして人の姿に近しい容姿の『魔民まみん』。」

つまり、昨日のユニコーンは魔獣、というわけか。
そういえば一角獣って言ってたっけか。
ちらりと横を見ると、律儀にもノートに今言われていることを書き写している竹上。
字はやや小さく綺麗だと思う。
そしてその奥を見ると中々お目にかかれない集中した様子の雹太。
召喚に対して本当に興味を持っていることがよく分かる。

「それから『扉言葉』だが……わが国、大和やまとでは四字熟語を使用することを推奨している。昨日の『高山流水』のようなものだな。自分の性格や目標、経験などにあった四字熟語を使用して貰いたい。」

うわ、目があった…!
生徒会の顧問であり生徒指導もしている天宮玲司…身長180cmの俺より背が高く目つきの悪いこの教員、俺は苦手だ。
俺はもう既に、耳のピアスホールについて注意を受けている。
別に拡張してるわけでもねえのに…。

「そして最後に。召喚を行うにあたり、お前達には召喚の行える上級生1人に弟子入りをしてもらう。そしてその師匠を見つけ次第、2人揃って私の所に来て貰いたい。魔導具を使って召喚に対する適性率を測定する。」

師弟について聞いて思い出した。
急に左頬が痛い。
片手をそっと頬に添える。
じんじんする気がする…!












「俺にはセンパイしかいないから…お願いします!」

「うーんと、その話とりあえず今じゃなくてもいいかな?」

主語なく話し出し目の前でぺこりと頭を下げる彼、雹太くんに申し訳ないがやや早口にそう告げた。
何故なら今、私は、学校内部で喫煙をしていた不良グループの1人を拘束しているところだからだ。
といっても既に白目を向いて気を失っており、腕を後ろ手に縛ってある。
あとは『藍鐘武嶺刃あいがねブレイバー』などという小っ恥ずかしい名前の不良グループの長がコレを回収してくれるのを待つだけではあるのだけれど。

「そんな、俺めっちゃ急ぎなんですけど!早く召喚したいし!」

あぁ、なるほど。
そういえば来月は召喚式か。
つーか雹太くんはほんとにフリーダム。
この…ロン毛の長身男子が縄で縛られて廊下の真ん中に転がっている状況を見てもなお、自分の用件を優先させるとは。
大物かバカか……多分後者だと思うけど。

「坂崎くん…1度出直そうよ。先輩…忙しそうだし…」

雹太くんの隣、やや大人しそうな小柄な彼がそう言った。
うんうん、常識人らしい。
黒髪を額の真ん中で分けている彼はどことなく知的にも見える。
そんな彼の言葉を聞き、雹太くんは何かに気がついたようにぽん、と手を叩いた。

「あ、そうだった。竹上くんも師匠探してるんです。凜音センパイ、いい人いませんか?」

「ちょ、僕の話聞いてた?今は先輩、手が離せないと思うし…後にしようよ」

どうやら常識人=竹上くんというらしい。
…多分このままだと雹太くんは引かないだろうな。
ちらりと名も知らない不良へ視線をやる。
完全に伸びきっており、暫くは起き上がらないだろう。

「…君は本当に自由だね。いいよ、雹太くんの師匠には私がなってあげる。」

「ほんとに!?やったあ!センパイありがとうございます!」

ぱあっと笑顔を浮かべる雹太くん。
あぁ、眩しい…その爽やかさというか弾ける感じというか…つい目を細めてしまう。

「竹上くん、だっけ?」

「あ、はい!」

目を細めたまま横にいた彼を視線を向ける。
途端、竹上くんはぴしりと背筋を伸ばし体ごとこちらを向いた。
…どっかで、見たことある気がする。

「君の師匠になる人を私も探してあげたいんだけど…生憎私は大変友達が少ない。だから、彼に頼むことにするよ。」

人気のない廊下。
竹上くんと雹太くんの奥からゆっくりと歩み寄ってきた男を指差しそう告げた。
ゆっくりと振り向く2人。
そこにいたのは『藍鐘武嶺刃』の現トップ。
雹太くんよりもずっと大きな身長にがっちりとした体格、スキンヘッド。
常にへの字に結ばれた彼の口が開く。
低く落ち着いたそれであるが空気をびりびりと震わせるような声がする。

「…舎弟を迎えに来た。」
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