20 / 24
第2章 イマドキの呼び出し
20話~師匠を探して~
しおりを挟む
「…昨日より少し人数が減ったようだが、始めさせて貰う。」
放課後。
俺と雹太と竹上は昨日と同じように視聴覚室に来ていた。
朝から結局、榊は学校に来ていない。
その榊は勿論だが、視聴覚室に集まっているのは昨日の3分の2くらいに減っているようだ。
……といっても2クラス弱程度の人数はいるだろう。
「まず、昨日話した召喚によって呼び出される生物について簡単に説明する。それらは『魔物』などと呼ばれており魔力によって形成されている。魔物は大きく分けて3種。まず、この世界の動物、つまり鳥や馬、猫などの姿をした『魔獣』。その名の通り龍の姿をした『魔龍』。そして人の姿に近しい容姿の『魔民』。」
つまり、昨日のユニコーンは魔獣、というわけか。
そういえば一角獣って言ってたっけか。
ちらりと横を見ると、律儀にもノートに今言われていることを書き写している竹上。
字はやや小さく綺麗だと思う。
そしてその奥を見ると中々お目にかかれない集中した様子の雹太。
召喚に対して本当に興味を持っていることがよく分かる。
「それから『扉言葉』だが……わが国、大和では四字熟語を使用することを推奨している。昨日の『高山流水』のようなものだな。自分の性格や目標、経験などにあった四字熟語を使用して貰いたい。」
うわ、目があった…!
生徒会の顧問であり生徒指導もしている天宮玲司…身長180cmの俺より背が高く目つきの悪いこの教員、俺は苦手だ。
俺はもう既に、耳のピアスホールについて注意を受けている。
別に拡張してるわけでもねえのに…。
「そして最後に。召喚を行うにあたり、お前達には召喚の行える上級生1人に弟子入りをしてもらう。そしてその師匠を見つけ次第、2人揃って私の所に来て貰いたい。魔導具を使って召喚に対する適性率を測定する。」
師弟について聞いて思い出した。
急に左頬が痛い。
片手をそっと頬に添える。
じんじんする気がする…!
※
「俺にはセンパイしかいないから…お願いします!」
「うーんと、その話とりあえず今じゃなくてもいいかな?」
主語なく話し出し目の前でぺこりと頭を下げる彼、雹太くんに申し訳ないがやや早口にそう告げた。
何故なら今、私は、学校内部で喫煙をしていた不良グループの1人を拘束しているところだからだ。
といっても既に白目を向いて気を失っており、腕を後ろ手に縛ってある。
あとは『藍鐘武嶺刃』などという小っ恥ずかしい名前の不良グループの長がコレを回収してくれるのを待つだけではあるのだけれど。
「そんな、俺めっちゃ急ぎなんですけど!早く召喚したいし!」
あぁ、なるほど。
そういえば来月は召喚式か。
つーか雹太くんはほんとにフリーダム。
この…ロン毛の長身男子が縄で縛られて廊下の真ん中に転がっている状況を見てもなお、自分の用件を優先させるとは。
大物かバカか……多分後者だと思うけど。
「坂崎くん…1度出直そうよ。先輩…忙しそうだし…」
雹太くんの隣、やや大人しそうな小柄な彼がそう言った。
うんうん、常識人らしい。
黒髪を額の真ん中で分けている彼はどことなく知的にも見える。
そんな彼の言葉を聞き、雹太くんは何かに気がついたようにぽん、と手を叩いた。
「あ、そうだった。竹上くんも師匠探してるんです。凜音センパイ、いい人いませんか?」
「ちょ、僕の話聞いてた?今は先輩、手が離せないと思うし…後にしようよ」
どうやら常識人=竹上くんというらしい。
…多分このままだと雹太くんは引かないだろうな。
ちらりと名も知らない不良へ視線をやる。
完全に伸びきっており、暫くは起き上がらないだろう。
「…君は本当に自由だね。いいよ、雹太くんの師匠には私がなってあげる。」
「ほんとに!?やったあ!センパイありがとうございます!」
ぱあっと笑顔を浮かべる雹太くん。
あぁ、眩しい…その爽やかさというか弾ける感じというか…つい目を細めてしまう。
「竹上くん、だっけ?」
「あ、はい!」
目を細めたまま横にいた彼を視線を向ける。
途端、竹上くんはぴしりと背筋を伸ばし体ごとこちらを向いた。
…どっかで、見たことある気がする。
「君の師匠になる人を私も探してあげたいんだけど…生憎私は大変友達が少ない。だから、彼に頼むことにするよ。」
人気のない廊下。
竹上くんと雹太くんの奥からゆっくりと歩み寄ってきた男を指差しそう告げた。
ゆっくりと振り向く2人。
そこにいたのは『藍鐘武嶺刃』の現トップ。
雹太くんよりもずっと大きな身長にがっちりとした体格、スキンヘッド。
常にへの字に結ばれた彼の口が開く。
低く落ち着いたそれであるが空気をびりびりと震わせるような声がする。
「…舎弟を迎えに来た。」
放課後。
俺と雹太と竹上は昨日と同じように視聴覚室に来ていた。
朝から結局、榊は学校に来ていない。
その榊は勿論だが、視聴覚室に集まっているのは昨日の3分の2くらいに減っているようだ。
……といっても2クラス弱程度の人数はいるだろう。
「まず、昨日話した召喚によって呼び出される生物について簡単に説明する。それらは『魔物』などと呼ばれており魔力によって形成されている。魔物は大きく分けて3種。まず、この世界の動物、つまり鳥や馬、猫などの姿をした『魔獣』。その名の通り龍の姿をした『魔龍』。そして人の姿に近しい容姿の『魔民』。」
つまり、昨日のユニコーンは魔獣、というわけか。
そういえば一角獣って言ってたっけか。
ちらりと横を見ると、律儀にもノートに今言われていることを書き写している竹上。
字はやや小さく綺麗だと思う。
そしてその奥を見ると中々お目にかかれない集中した様子の雹太。
召喚に対して本当に興味を持っていることがよく分かる。
「それから『扉言葉』だが……わが国、大和では四字熟語を使用することを推奨している。昨日の『高山流水』のようなものだな。自分の性格や目標、経験などにあった四字熟語を使用して貰いたい。」
うわ、目があった…!
生徒会の顧問であり生徒指導もしている天宮玲司…身長180cmの俺より背が高く目つきの悪いこの教員、俺は苦手だ。
俺はもう既に、耳のピアスホールについて注意を受けている。
別に拡張してるわけでもねえのに…。
「そして最後に。召喚を行うにあたり、お前達には召喚の行える上級生1人に弟子入りをしてもらう。そしてその師匠を見つけ次第、2人揃って私の所に来て貰いたい。魔導具を使って召喚に対する適性率を測定する。」
師弟について聞いて思い出した。
急に左頬が痛い。
片手をそっと頬に添える。
じんじんする気がする…!
※
「俺にはセンパイしかいないから…お願いします!」
「うーんと、その話とりあえず今じゃなくてもいいかな?」
主語なく話し出し目の前でぺこりと頭を下げる彼、雹太くんに申し訳ないがやや早口にそう告げた。
何故なら今、私は、学校内部で喫煙をしていた不良グループの1人を拘束しているところだからだ。
といっても既に白目を向いて気を失っており、腕を後ろ手に縛ってある。
あとは『藍鐘武嶺刃』などという小っ恥ずかしい名前の不良グループの長がコレを回収してくれるのを待つだけではあるのだけれど。
「そんな、俺めっちゃ急ぎなんですけど!早く召喚したいし!」
あぁ、なるほど。
そういえば来月は召喚式か。
つーか雹太くんはほんとにフリーダム。
この…ロン毛の長身男子が縄で縛られて廊下の真ん中に転がっている状況を見てもなお、自分の用件を優先させるとは。
大物かバカか……多分後者だと思うけど。
「坂崎くん…1度出直そうよ。先輩…忙しそうだし…」
雹太くんの隣、やや大人しそうな小柄な彼がそう言った。
うんうん、常識人らしい。
黒髪を額の真ん中で分けている彼はどことなく知的にも見える。
そんな彼の言葉を聞き、雹太くんは何かに気がついたようにぽん、と手を叩いた。
「あ、そうだった。竹上くんも師匠探してるんです。凜音センパイ、いい人いませんか?」
「ちょ、僕の話聞いてた?今は先輩、手が離せないと思うし…後にしようよ」
どうやら常識人=竹上くんというらしい。
…多分このままだと雹太くんは引かないだろうな。
ちらりと名も知らない不良へ視線をやる。
完全に伸びきっており、暫くは起き上がらないだろう。
「…君は本当に自由だね。いいよ、雹太くんの師匠には私がなってあげる。」
「ほんとに!?やったあ!センパイありがとうございます!」
ぱあっと笑顔を浮かべる雹太くん。
あぁ、眩しい…その爽やかさというか弾ける感じというか…つい目を細めてしまう。
「竹上くん、だっけ?」
「あ、はい!」
目を細めたまま横にいた彼を視線を向ける。
途端、竹上くんはぴしりと背筋を伸ばし体ごとこちらを向いた。
…どっかで、見たことある気がする。
「君の師匠になる人を私も探してあげたいんだけど…生憎私は大変友達が少ない。だから、彼に頼むことにするよ。」
人気のない廊下。
竹上くんと雹太くんの奥からゆっくりと歩み寄ってきた男を指差しそう告げた。
ゆっくりと振り向く2人。
そこにいたのは『藍鐘武嶺刃』の現トップ。
雹太くんよりもずっと大きな身長にがっちりとした体格、スキンヘッド。
常にへの字に結ばれた彼の口が開く。
低く落ち着いたそれであるが空気をびりびりと震わせるような声がする。
「…舎弟を迎えに来た。」
0
あなたにおすすめの小説
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ペットになった
ノーウェザー
ファンタジー
ペットになってしまった『クロ』。
言葉も常識も通用しない世界。
それでも、特に不便は感じない。
あの場所に戻るくらいなら、別にどんな場所でも良かったから。
「クロ」
笑いながらオレの名前を呼ぶこの人がいる限り、オレは・・・ーーーー・・・。
※視点コロコロ
※更新ノロノロ
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる