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第1章 イマドキの高校生
6話~純粋な氷~
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「それで俺が風紀委員で、蓮斗が図書委員なんだよー!」
「ぷっ、蓮斗くんが図書とかウケる」
「だよねえ!」
ここは坂崎家。
一人息子の雹太と母親の泉深。
久々の団欒に雹太は今日の出来事を嬉々として話す。
蓮斗と同じクラスになったこと、榊聖という友人ができた事。
泉深も優しげに目を細めて話を傾聴する。
「あ、ところでさ。俺、寮の申し込みしてないけど、いいの?」
一頻り笑い、ふと思い出した寮の存在。
雹太の通う藍鐘高校には寮がある。
まだ新しく、個室の多いそれに雹太は申し込みを行っていない。
職業柄、なかなか家にいることのない母親である泉深。
そんな母を持つ雹太は自分は寮に入るのだと春休み中に思っていたが、そんなことも今の今まですっかり忘れていた。
「んー、取り敢えず、あと何ヶ月かは家にいるつもりだから、大丈夫。」
その話題になった途端、表情の曇る泉深。
雹太はその様子に不思議に思い首を傾げた後、にやりと笑う。
「あ、もしかしてー…クビになった?」
「なっ、」
雹太の言葉に泉深は大きく目を見開いた。
その後ゆるりと顔を左右に振る。
「違う。…ずっと、寂しい思いさせてごめんね。」
眉尻が申し訳なさそうに下げられる。
泉深のその言葉は、そのまま彼女の心からの思い。
それを聞いた雹太は暫し、じいっと泉深を見つめていた。
しかし、ふっとその母と同じ青い目が細められる。
「とかなんとか言って、今更辞める気も無いくせに!いいんだよ、俺は母さんがこうやって、たまに帰って来てくれるだけで大丈夫!」
けらけらと笑う一人息子に泉深も薄く笑ってみせる。
幼くして父を失った雹太を残し、各地を転々とする自身。
決して褒められる母親ではない自分を、こうして送り出してくれる彼。
出来るならば、仕事を辞め、家で二人で暮らしたい。
しかしそれは出来ない。
泉深には、何としてもやり遂げなければならないことがある。
それを成すには今の職を失う訳にはいかない。
「…ありがとう、雹太」
雹太は笑って頷く。
その笑顔は今は亡き夫を彷彿とさせるような、爽やかで眩しい笑みだった。
「ぷっ、蓮斗くんが図書とかウケる」
「だよねえ!」
ここは坂崎家。
一人息子の雹太と母親の泉深。
久々の団欒に雹太は今日の出来事を嬉々として話す。
蓮斗と同じクラスになったこと、榊聖という友人ができた事。
泉深も優しげに目を細めて話を傾聴する。
「あ、ところでさ。俺、寮の申し込みしてないけど、いいの?」
一頻り笑い、ふと思い出した寮の存在。
雹太の通う藍鐘高校には寮がある。
まだ新しく、個室の多いそれに雹太は申し込みを行っていない。
職業柄、なかなか家にいることのない母親である泉深。
そんな母を持つ雹太は自分は寮に入るのだと春休み中に思っていたが、そんなことも今の今まですっかり忘れていた。
「んー、取り敢えず、あと何ヶ月かは家にいるつもりだから、大丈夫。」
その話題になった途端、表情の曇る泉深。
雹太はその様子に不思議に思い首を傾げた後、にやりと笑う。
「あ、もしかしてー…クビになった?」
「なっ、」
雹太の言葉に泉深は大きく目を見開いた。
その後ゆるりと顔を左右に振る。
「違う。…ずっと、寂しい思いさせてごめんね。」
眉尻が申し訳なさそうに下げられる。
泉深のその言葉は、そのまま彼女の心からの思い。
それを聞いた雹太は暫し、じいっと泉深を見つめていた。
しかし、ふっとその母と同じ青い目が細められる。
「とかなんとか言って、今更辞める気も無いくせに!いいんだよ、俺は母さんがこうやって、たまに帰って来てくれるだけで大丈夫!」
けらけらと笑う一人息子に泉深も薄く笑ってみせる。
幼くして父を失った雹太を残し、各地を転々とする自身。
決して褒められる母親ではない自分を、こうして送り出してくれる彼。
出来るならば、仕事を辞め、家で二人で暮らしたい。
しかしそれは出来ない。
泉深には、何としてもやり遂げなければならないことがある。
それを成すには今の職を失う訳にはいかない。
「…ありがとう、雹太」
雹太は笑って頷く。
その笑顔は今は亡き夫を彷彿とさせるような、爽やかで眩しい笑みだった。
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