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第1章 イマドキの高校生
7話~例年通りはいかない模様~
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「へえ、じゃあ雹太んちの母さん暫くいるんだ。」
「うん、いるみたい。蓮斗にも久々に会いたいーって言ってたから今度遊びに来てよ」
「あの、お二人。」
美しく咲き誇る桜の花びらが舞い落ちる様など見向きもしない二人による上記の会話は朝のホームルームが終え、すぐに始まった。
そこに遠慮がちに割って入るのは聖。
その手には『呪文学』と書かれた教科書。
「そろそろ教室を移動しませんか?」
ふと見ると教室に三人以外の影はない。
暫しの間の後、二人が慌てて鞄をひっくり返す。
そしてやっと見つけた教科書を手に、廊下へ、そして呪文学の教室へと走り出した。
「いいですか?呪文とはとても古い歴史があり…」
長々とした教員による前置きの中、蓮斗がそっと聖に顔を寄せた。
「…ありがとな、声掛けてくれて。危うく遅刻するとこだった。」
囁くような言葉をきちんと聞き取った聖はゆっくりと蓮斗を見て微笑した。
雹太もそれを見て聖笑いかける。
「さあ、ここからが本題です。」
眠気に支配されつつあった教室が、教員のその言葉ではっと目を覚ます。
彼女、栗山霞はふうっと一つため息を吐いた後、全体を見渡した。
「呪文学とは、魔法の中でもとても古く、神聖なものです。授業における私の言葉はきちんとメモし、覚えること。いいですね」
テキパキとした口調でそこまで言うとチョークを手に取り黒板へとそれを滑らせる。
「『攻撃』『防衛』『支援』『支配』」
書かれた文字を読み上げ、霞はまた全体を見渡した。
そしてクラス全体がそれをノートに写しているのを見、満足そうに笑う。
「呪文とは、大体がこの4つで分けられます。今日はこの4つの違いを勉強して貰います」
そこまで言い、縁のない眼鏡を左手の中指で持ち上げる。
そしてまた口を開いた。
「まずは『攻撃』ですが、言葉の通り、何かを傷つける魔法です。初歩的なものだと…『針』!」
霞が片手を挙げ、そう唱えると指先から無数の光が飛び、生徒一人一人の机に突き刺さる。
きらりと銀に輝くそれは、呪文通り『針』のようだった。
驚き声を上げる生徒や興奮した様子で机に刺さった針を掴む生徒を見て満足そうに笑う教員。
そしてその騒がしい教室で声を張り上げる。
「さあ、次は『防御』です。この中で力自慢の人はいますか?」
「あ、はい!」
机に刺さった針が自然と飛散する様子を暫し見ていた水色髪の彼、雹太が手を上げ立ち上がる。
平均より少し背の高い雹太をまじまじと見、霞は前に出るよう促す。
「『囲』。……さあ、坂崎くん。私を殴ってみて」
再びざわつく教室。
何か呪文を唱えたようであったが霞の周囲には何の変化もない。
「はーい、じゃ、いきまーす」
しかし雹太はというと、そんなことは気にせず指の関節をぱきぱきと鳴らす。
そして軽い口振りでそう言うと右手を大きく振りかぶりその拳を霞の胸辺りへ振り下ろした。
「っ、?」
しかしその拳は霞には届かず、10センチ程離れたところで止まっている。
まるで見えない壁にぶつかっているような感覚に雹太は目を見開いた。
霞はクラス全体へ目をやる。
「このように外部からの攻撃から身を守る呪文を『防御』と言います。…坂崎くん?ありがとう、もういいですよ」
「……悔しい」
呪文による壁を介した先にいる雹太の呟きはきちんと霞の耳に届く。
そしてその拳が、着実に自らへ近づいていることもきちんと目視することが出来た。
「そんな!魔法も使っていないのに…り、『払』!」
胸の前へ両手を組むと呪文を唱える。
ほぼ同時に雹太の拳が『囲』による壁を越えた。
直後、雹太の体が後方へ吹っ飛ぶ。
壁へ頭を強く打った雹太の視界は、そのまま暗転した。
「うん、いるみたい。蓮斗にも久々に会いたいーって言ってたから今度遊びに来てよ」
「あの、お二人。」
美しく咲き誇る桜の花びらが舞い落ちる様など見向きもしない二人による上記の会話は朝のホームルームが終え、すぐに始まった。
そこに遠慮がちに割って入るのは聖。
その手には『呪文学』と書かれた教科書。
「そろそろ教室を移動しませんか?」
ふと見ると教室に三人以外の影はない。
暫しの間の後、二人が慌てて鞄をひっくり返す。
そしてやっと見つけた教科書を手に、廊下へ、そして呪文学の教室へと走り出した。
「いいですか?呪文とはとても古い歴史があり…」
長々とした教員による前置きの中、蓮斗がそっと聖に顔を寄せた。
「…ありがとな、声掛けてくれて。危うく遅刻するとこだった。」
囁くような言葉をきちんと聞き取った聖はゆっくりと蓮斗を見て微笑した。
雹太もそれを見て聖笑いかける。
「さあ、ここからが本題です。」
眠気に支配されつつあった教室が、教員のその言葉ではっと目を覚ます。
彼女、栗山霞はふうっと一つため息を吐いた後、全体を見渡した。
「呪文学とは、魔法の中でもとても古く、神聖なものです。授業における私の言葉はきちんとメモし、覚えること。いいですね」
テキパキとした口調でそこまで言うとチョークを手に取り黒板へとそれを滑らせる。
「『攻撃』『防衛』『支援』『支配』」
書かれた文字を読み上げ、霞はまた全体を見渡した。
そしてクラス全体がそれをノートに写しているのを見、満足そうに笑う。
「呪文とは、大体がこの4つで分けられます。今日はこの4つの違いを勉強して貰います」
そこまで言い、縁のない眼鏡を左手の中指で持ち上げる。
そしてまた口を開いた。
「まずは『攻撃』ですが、言葉の通り、何かを傷つける魔法です。初歩的なものだと…『針』!」
霞が片手を挙げ、そう唱えると指先から無数の光が飛び、生徒一人一人の机に突き刺さる。
きらりと銀に輝くそれは、呪文通り『針』のようだった。
驚き声を上げる生徒や興奮した様子で机に刺さった針を掴む生徒を見て満足そうに笑う教員。
そしてその騒がしい教室で声を張り上げる。
「さあ、次は『防御』です。この中で力自慢の人はいますか?」
「あ、はい!」
机に刺さった針が自然と飛散する様子を暫し見ていた水色髪の彼、雹太が手を上げ立ち上がる。
平均より少し背の高い雹太をまじまじと見、霞は前に出るよう促す。
「『囲』。……さあ、坂崎くん。私を殴ってみて」
再びざわつく教室。
何か呪文を唱えたようであったが霞の周囲には何の変化もない。
「はーい、じゃ、いきまーす」
しかし雹太はというと、そんなことは気にせず指の関節をぱきぱきと鳴らす。
そして軽い口振りでそう言うと右手を大きく振りかぶりその拳を霞の胸辺りへ振り下ろした。
「っ、?」
しかしその拳は霞には届かず、10センチ程離れたところで止まっている。
まるで見えない壁にぶつかっているような感覚に雹太は目を見開いた。
霞はクラス全体へ目をやる。
「このように外部からの攻撃から身を守る呪文を『防御』と言います。…坂崎くん?ありがとう、もういいですよ」
「……悔しい」
呪文による壁を介した先にいる雹太の呟きはきちんと霞の耳に届く。
そしてその拳が、着実に自らへ近づいていることもきちんと目視することが出来た。
「そんな!魔法も使っていないのに…り、『払』!」
胸の前へ両手を組むと呪文を唱える。
ほぼ同時に雹太の拳が『囲』による壁を越えた。
直後、雹太の体が後方へ吹っ飛ぶ。
壁へ頭を強く打った雹太の視界は、そのまま暗転した。
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