イマドキ!

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第1章 イマドキの高校生

10話~緑の癒し系~

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雹太が思っていたよりも元気なのを確認し、俺は一人図書室へ向かう。
小学校、中学校込みでほぼ行ったことのない図書室に。
古臭い埃の匂いが微かに鼻腔を擽り俺はひとつ、くしゃみをする。
もう集まっていた数人の視線が俺に集まった。
…そしてすぐに逸らされる。

「君、名前は?」

「……蘇芳、です」

静かな室内が一瞬どよめく。
しかし聞いてきた教員は何も言わず緩い笑みの後、ひとつの椅子を指さした。

「なら1年1組だね。そこにどうぞ」

言われた通りの席へ。
その隣には既に一人座っていた。
確か…入学してすぐに榊と一緒に風間先生から質問されてた…

「…えっと、蘇芳、くん?」

「あ、あぁ…えーと…竹…」

竹上真一たけがみしんいち、っていいます。同じ図書委員なんだね。…よろしくね?」

座っていても分かるくらい華奢な体。
白い肌によく栄える黒い艶のある髪はセンター分けにされている。
目は緑色で少し垂れていて優しげな面持ちだ。
まったく、顔だけで不良扱いを受ける俺には羨ましい。
声も少し高めで聞き取りやすい。

「竹上、か。蘇芳蓮斗だ。よろしくな。」

そんな一言に笑顔が返される。
ついこちらの顔も緩んでしまう。

「…全員集まったかしら。じゃあ、始めましょうか」

不意に、先程名前を聞いてきた教員が口を開く。
周りを見ると、気付かないうちに多く人数が集まっていた。
彼女の言う通り全員集まっているらしい。

「私は真木紫まきゆかり。よろしくね、皆。」

名前の通りの紫色の長い髪はふわふわと緩くカールしている。
赤い縁の眼鏡の奥は黒い目…今気づいたが目の下にはくっきりとしたクマがある。
よく見えないが…瞳孔開いてんじゃねえかな、アレ。

「さて…私はまどろっこしいことが嫌いなの。それから時間の無駄遣いも。だからサクッと行くよ?…活動内容は至って簡単。放課後45分間図書室に来て、貸出と返却、本棚の整理。以上。」

物凄くテキパキと、サクッとした説明。
…いや、分かんなくはないけど。伝わりはするけど。

「で、その当番は2人で1組。当番表を配るからきちんと目を通して…不都合があれば当人同士の話し合いで入れ替えるのは良いけれど確実に2人で1組は守ること。はい 、今日のお仕事終わりー!解散!」

「…風間先生といい真木先生といい……」

解散を言い残し颯爽と図書室を去る紫髪の先生の後ろ姿をぽかんと見つめていると竹上が溜め息混じりにそう呟いた。
まったくその通り。
上級生はというと慣れているのかプリントを受け取りさっさと帰っていく。

「…俺達も、帰るか?」

「ん…そうだね…蘇芳君の家はどの辺り?」

「俺は町内の商店街を過ぎたとこ。竹上は?」

翠星町すいせいちょうだよ。駅も商店街の先だから…一緒にいいかな?」

荷物を纏め鞄を肩に担ぎながらお互いの家を確認し合う。
翠星町は此処、藍鐘町の隣町。
電車で20分ってところか。

「あぁ。帰ろう。一緒に。」

想像通り背の低い竹上を見下ろしそう返事をする。
優しげな笑顔が返される。
……なんか雹太といる時よりも安心するんですけど。












(蘇芳くんと一緒に歩くと人が避けてくれるね)

(…そうか?)

(うん!背が高いからかな)

(………十中八九、顔のせいだと思うけどな)
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