ツンデレでごめんなさい!〜素直になれない僕〜

誰かのおとしもの

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第一章

・・・信じたい

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 なんやかんやあって・・・何とか鍛錬を出来るまでに身体は戻った?かな?まぁ毎日特製ポーション飲んでるからどうか分からないし、飲まないと思った様に動けないくらいなんだ。飲むと日常生活を送れるので安心。流石、母上とカレアが作ったポーションなだけある。

 でも少し出来なくなった事も。

 最初は食事の時だった。普通に食べてたらスプーンを落としてしまったんだ。たまたまかと思ったがその後も度々落とす様になってしまって。不意にポトって落ちるんだ。

 カランカランと音を立てて落ちるのを何度見た事か。次いでに反射神経も落ちてるから掴めないし、手から力が抜ける時が分からないし・・・。

 回復の兆しが見えないので父上達が研究中だ。大丈夫と言ったのに任せてと言われたので無理矢理断る事も出来ず、結局お願いしてしまった。

 本当に沢山やってくれている、けど・・・申し訳ない。僕のせいで自分達の自由時間を減らすしかないのだから。

 僕は、ポーションを飲んだ。


 そして今日は鍛錬をする。ベンは泣きべそをかいて居るが今から打ち合いだ。因みに以前のレイピアで打ち合い。あれは、壊れちゃったからね。

 君も使われて嬉しい事だろう。レイピアをひゅんひゅんと振ると空を切る。・・・大丈夫、きっと平気さ。なんかやっちゃっても笑えるよ。食器じゃないから落としたりしないし。


「い、行きますよ・・・?」

「あぁ・・・」


 ベンの振り筋は本当に良いな、なんて呑気に考えながらキンキンと軽々打って無理は禁物。じゃないとまた監禁されるか───らあっ!

 スルッとレイピアが手から落ちた。ヤバい、こんなんで鍛錬中止になるのは絶対に嫌だ。久しぶりの鍛錬が・・・!


「ライト様!だ、大丈夫ですか?!」

「チッ・・・いつものじゃ無いから落ちた。」


 いい加減にしろ、と言って落ちてしまったレイピアを取る。普通に顔をあげると、騎士団のみんなが僕を見ていた。

 おい、と声を掛ければみんな練習をし始めた。って!緊張した~・・・本当に怖かった。僕何かやった?やって無いよね?

 そんなに見ないでよ、恥ずかしいんだけど!


「あ゙ぁ!ライト様!今日はもう終わりです!」

「は?ちょ、ベイン!!!」


 何故か強制的に部屋に戻されて、あれよあれよと逃げない様に手錠生活が再開。コレが噂の『ふらぐかいしゅう』ってヤツだろう。


「あ、ベン、そう言え・・・ば・・・」

「?どうしたんですか?」

「・・・新しく入団した人は居る?」

「居ない、ですけど・・・?」


 そうか、ありがとうと返事をすると、不思議そうな顔をして部屋を出ていった。ベンは馬鹿だな。ブレスレットはめて無いから魔法使えるのだが?

 開放魔法を唱えて手錠を外す。

 僕は・・・トイレに駆け込む。良かった間に合った、大丈夫。


「おぇ・・・う・・・ごぼッ・・・う、うぅ、ゔ!」

 止まらない。ベンが帰って来る前に全てを終わらせ無ければイケナイのに。ぜーぜーと息のする音が部屋に響く。

 バレたらイケナイ。絶対にダメ。

 早く、早く、早く出せ。

 口の中に指を入れる。ごぽっと沢山出てくる。コレで終わり。証拠を全て消して大丈夫。ベッドに行って手錠を付けて完璧。何かも完璧。

 なんか、疲れちゃった。逃げ出す気力がない。

 僕は、大丈夫?

 きっと、大丈夫。こうやってすぐ吐く様になったけど、たまに手からモノが落ちるけど、────のこと─────けど、良く、────を──────けど・・・。


 あれ?なん───

「ライト様がベッドに寝っ転がってるぅ!自主的に、寝てる!!!俺・・・めっちゃ嬉しいです・・・!しくしく・・・」

「ベン・・・最近泣き過ぎじゃない?」

「ライト様のせいですよぉ!」


 ぷくぷくと頬っぺたを膨らませて涙目で怒ってくる。全然怖くもなんともないのだ。僕は将来が心配で心配で仕方がないよ・・・。

 疲れたから知らぬ間に寝っ転がって居たみたい。それだけで泣いてしまう従者をどうしてやろうか。勿論お仕置きだよねぇ?

 よし、おちょくってやろう!


「ベン、イリナードとはどうなの?」

「ん、ほぇえ!?きききき急に、ど、どどどどうしたんでですかぁ?ららららライト様?べべべべべっっつに~、イ、イリリナードがどうとかこうとか別に、なな、何も考えて無いですし~?!」


 動揺しすぎて凄い面白くなって居るベン。からかったら止まらないよね。もっとからかってあげた、い?

 あれ、あれ、あれ・・・?


「んーと、えっ・・・と、えっと・・・。几帳面で、優しくて背が高くて・・・赤の髪の毛をしている人・・・。忘れちゃったな~・・・。さ、最初から二文字目まで、教えて?」

「え、え、えぇ?イリ・・・?」

「そう呼べば喜ぶんじゃない?」


 ベンは真っ赤になって、ぎゃああああと叫んで壁に頭をぶつけている。ちょっとうるさいなと思ったけど、元気だし面白いから良いと言う事にした。

 君は泣いているより、笑っている方が良い。その方が・・・

 うん。

 きっと僕は・・・大丈夫。

 ・・・大丈夫だって信じたい。


 
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