11 / 14
第二章
診察と医者と言うもの
「ブラーシュアック様、お久しぶりですのぉ。」
そう声を掛けて来たのは、お屋敷で見たようなおじいさんだった。白色の髪の毛で柔らかそうな雰囲気がある。
「・・・これが例のお嬢様なのですね・・・。可愛いお嬢様こんにちは~。」
「こんにちは~。」
笑顔で挨拶を返し、ファリンスに運ばれるがままおじいさんと部屋へと入った。
「このベットに座ってくれる?」
「うん。」
ベッドの上に乗せられておじいさんが目の前に座る。
「お嬢様、お名前を教えてくれますかのぉ?」
「シャーロットです。」
「そうですかい、可愛らしい名前ですのぅ~。私の名前はショナー・コンラスと言い、ココ、王立総合病院一号棟総館長をやっておる。今日からシャーロット様の診察にをする事になったのですぞ~。私のことはショナーと呼んでくれませんかのう?」
なんか長い呪文みたいな所があったけれどとりあえず凄い人なのは分かった。診察をするって事は・・・
「おじいさんってお医者様だったの?」
「そうですぞ~。フォッフォッフォッ~」
やっぱりお医者様はフォッフォッフォッって笑うのね。あと、伸ばし棒が多い!覚えたわ!
そんな間違った常識を覚えてしまったシャーロットに気付かず、診察が始まった。
最初は足の診察からだった。痛くないかどうか沢山聞かれたけれど全く痛くないわ。おじいさん・・・ショナーさんは優しいし、あれのせいで痛みを感じなくなってしまったのだもの。
でもメリットしかないわ!痛いものが痛くないのよ。あの辛いのを感じなくて良いんだから幸せよね。私って最高に幸せ者ね!
ショナーさんと他愛のない話をしながら大人しくしていると診察が終わったらしい。
ファリンスと何かを話しているがあまり聞こえない。目を閉じて聴覚だけに集中する。
「これは入院すべきです。」
「入院か・・・だが、シャーロットは・・・」
「入院すべきです、ブラーシュアック様。歩けなくなっても本当に可笑しくありませんぞ。食事もこちら側で管理し、必ずの安全を保証致します。ですから・・・是非とも入院をお願い致します。でなければ長く苦しむ事になるかも知れません。」
「・・・分かった、一番大切なのはシャーロットだ。シャーロットに確認をとって良いか?もしシャーロットが嫌だと言ったら──────」
「良いよ~!」
バッと二人がこちらを向く。
驚いて居るようで目を見開いている。なんの事だか、理解していない様なのでもう一度言う。
「良いよ、私、入院出来るよ~!」
「・・・き、聞こえて、いたのか・・・?」
「うん!」
驚きを隠せないファリンスに気付く事は無く、嘘偽りなく元気に言う。
「二人だけで話して居るんだもの。気になってしまったのよ。だから・・・ついつい耳を澄ませて聞いて、しまった、の。・・・私、駄目、だった?」
話ながらファリンスを見ると固まっている事に気付いて、悪い事をしてしまったのかと思う。恐る恐る聞くとショナーさんが笑った。
「フォッフォッフォッ~、シャーロット様は凄いですのぉ~!ワシら、驚きで声も出ませんぞ!」
「本当にシャーロットは凄いな。偉い子だ。」
私の予想とは異なり、二人とも褒めてくれた。たくさん入院の説明をされて・・・それはもうめっちゃたくさん。本当に良いのか?、とファリンスがたくさん言う。
けれど私の答えは変わらず、良いよ~、のままだった。そして初めての入院生活が始まった。
あなたにおすすめの小説
好きな人が嬢を身請けするのが辛くて逃げたら捕まりました~黒服の私は執着騎士に囲われる~
こじまき
恋愛
騎士が集う高級酒場「夜香楼」で女性黒服として働くソフィアは、客である寡黙な騎士ゼインに恋していた。けれど彼が指名するのはいつも人気花嬢イサナで、身請けも近いと予想されていた。
ソフィアは、叶わない想いにと嫉妬に耐えきれず、衝動的に店を去る。
もう二度と会うことはないはずだったのに、身請けした嬢と幸せに暮らしているはずの彼が追ってきて――
「お前への愛は焼き印のように刻まれていて、もう消えない」
――失恋したと思い込んで逃げた黒服が、執着系騎士様に捕まって囲われる話。
※小説家になろうにも投稿しています
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
「妹の方が可愛い」と不倫夫に捨てられた私。どうぞ借金まみれの実家ごと引き取って。私が肩代わりしていた負債、すべてお二人に引き継いでおきました
唯崎りいち
恋愛
「お前より妹の方が可愛い」
不倫した夫は私を追い出し、略奪した妹と笑った。
どうぞ、その「可愛い妹」と地獄までお幸せに。
私が肩代わりしていた実家と店の多額の借金、すべてお二人に引き継いでおきましたから。
「財布」を失った元夫と、逃げ場を失った妹。
身の丈に合わない贅沢を望んだ寄生虫たちの、惨めな末路を特等席で眺めさせていただきます。
姉の引き立て役の私は
ぴぴみ
恋愛
アリアには完璧な姉がいる。姉は美人で頭も良くてみんなに好かれてる。
「どうしたら、お姉様のようになれるの?」
「ならなくていいのよ。あなたは、そのままでいいの」
姉は優しい。でもあるとき気づいて─