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第二章
診察と医者と言うもの
しおりを挟む「ブラーシュアック様、お久しぶりですのぉ。」
そう声を掛けて来たのは、お屋敷で見たようなおじいさんだった。白色の髪の毛で柔らかそうな雰囲気がある。
「・・・これが例のお嬢様なのですね・・・。可愛いお嬢様こんにちは~。」
「こんにちは~。」
笑顔で挨拶を返し、ファリンスに運ばれるがままおじいさんと部屋へと入った。
「このベットに座ってくれる?」
「うん。」
ベッドの上に乗せられておじいさんが目の前に座る。
「お嬢様、お名前を教えてくれますかのぉ?」
「シャーロットです。」
「そうですかい、可愛らしい名前ですのぅ~。私の名前はショナー・コンラスと言い、ココ、王立総合病院一号棟総館長をやっておる。今日からシャーロット様の診察にをする事になったのですぞ~。私のことはショナーと呼んでくれませんかのう?」
なんか長い呪文みたいな所があったけれどとりあえず凄い人なのは分かった。診察をするって事は・・・
「おじいさんってお医者様だったの?」
「そうですぞ~。フォッフォッフォッ~」
やっぱりお医者様はフォッフォッフォッって笑うのね。あと、伸ばし棒が多い!覚えたわ!
そんな間違った常識を覚えてしまったシャーロットに気付かず、診察が始まった。
最初は足の診察からだった。痛くないかどうか沢山聞かれたけれど全く痛くないわ。おじいさん・・・ショナーさんは優しいし、あれのせいで痛みを感じなくなってしまったのだもの。
でもメリットしかないわ!痛いものが痛くないのよ。あの辛いのを感じなくて良いんだから幸せよね。私って最高に幸せ者ね!
ショナーさんと他愛のない話をしながら大人しくしていると診察が終わったらしい。
ファリンスと何かを話しているがあまり聞こえない。目を閉じて聴覚だけに集中する。
「これは入院すべきです。」
「入院か・・・だが、シャーロットは・・・」
「入院すべきです、ブラーシュアック様。歩けなくなっても本当に可笑しくありませんぞ。食事もこちら側で管理し、必ずの安全を保証致します。ですから・・・是非とも入院をお願い致します。でなければ長く苦しむ事になるかも知れません。」
「・・・分かった、一番大切なのはシャーロットだ。シャーロットに確認をとって良いか?もしシャーロットが嫌だと言ったら──────」
「良いよ~!」
バッと二人がこちらを向く。
驚いて居るようで目を見開いている。なんの事だか、理解していない様なのでもう一度言う。
「良いよ、私、入院出来るよ~!」
「・・・き、聞こえて、いたのか・・・?」
「うん!」
驚きを隠せないファリンスに気付く事は無く、嘘偽りなく元気に言う。
「二人だけで話して居るんだもの。気になってしまったのよ。だから・・・ついつい耳を澄ませて聞いて、しまった、の。・・・私、駄目、だった?」
話ながらファリンスを見ると固まっている事に気付いて、悪い事をしてしまったのかと思う。恐る恐る聞くとショナーさんが笑った。
「フォッフォッフォッ~、シャーロット様は凄いですのぉ~!ワシら、驚きで声も出ませんぞ!」
「本当にシャーロットは凄いな。偉い子だ。」
私の予想とは異なり、二人とも褒めてくれた。たくさん入院の説明をされて・・・それはもうめっちゃたくさん。本当に良いのか?、とファリンスがたくさん言う。
けれど私の答えは変わらず、良いよ~、のままだった。そして初めての入院生活が始まった。
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