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食事とトイレを済ませて、またベッドの住人になったミラルカ。
『トイレが…トイレがツラい…!アレは現代日本女性には耐えられない……』
仮にもこの世界に生まれて六年は経過しているし、現在までの記憶もしっかりある。
母と住んでいた離れの家はポットントイレだった。 だが、さっきは体力が回復してないからと、トイレにさえ行かせてもらえなかったのだ。そして替わりに用意されたのは…OMARUだった。
『トイレが水洗じゃないのは知ってた。でも おまるは無いわぁ……』
遠い目をしたミラルカは体力を最優先で回復させることを目標にしたのだった。
ミラルカの寝支度が済みやっと部屋から人がいなくなった。
身体は重くだるいが、日中ほとんど寝ていたのでまったく眠くない。
眠れないベッドの中でミラルカは自分を取りまく状況を整理しようと思った。
だが、わかることは母親と自分がかなり冷遇されていた事くらいだ。
運ばれてくる食事が一日一食だったこともあるし、部屋の掃除なんて母がしていた。
洗濯も自分達でやっていたし、ドレスもアクセサリーも見たことがない。
城で行われていただろう宴にも、母親はたぶん一度も出た事が無いと思われる。
生まれてから城内に入った事があったろうか?一回来た記憶があるように思うが定かではない。
とにかく母親と二人だけで、ひっそりと離れの家で暮らしていたのだった。
これだけいないのも同然の生活だったのに、わざわざ殺す意味がわからない。
然もあんな中途半端な毒殺。食べて直ぐに毒物とわかる味。
確かに即効性はあったし、わずかな量でも効いたのだから強力ではあったが。本当に息の根を止めたいなら、もっと適正なものがあったと思う。
まあ そのおかげで自分だけ生き残ってしまったのは良かったのか、悪かったのか。
『むぅ…情報が少なすぎる…。父の事を聞こうにも、お母様はもういないし…。私達が要らないなら、もっと早く処分するなり 僻地に捨てるなりしてたと思うのよね。敢えて王宮に置いていたのは なんでかな?…そういえば……』
死にかけて幽体離脱(あれは間違いなく幽体離脱だと思う)してた時、王様と誰かが話してたのを思い出した。
ーーーー「余の血を引いておりながら、無能とはの。やはり母親が平民ではいかんな」
「しかし、御髪は王家の血を受け継いだお色。王女様には 魔術が使えなくても、そのお子様には魔術の才が現れるかも知れませぬ。昨今、強力な力を持つ者が少のうなっておりますゆえ。このまま儚くさせるのはもったいのうございます」
「ふむ。子を成せる歳になったら、有力な種馬を何人かあてがうか。使える者が産まれれば儲け物……それが有益な使い道かもしれん」ーーーー
『とか、なんとか…無能って魔術が使えない人の蔑称よね』
六歳までのこの世界での知識と記憶を総動員して考える。
そういえばこの世界には魔法が存在してたのを思い出した。
以前 騎士達が訓練していたのを見かけた事があった。騎士達は火やら水やらを出して攻撃していた。
『魔法か…母様が使ってるのは見た事ないな。あと侍女さん達はーーあ、そういえばランプに火種無いのに火が点いてた、あれは魔法だった。魔法が使える人と使えない人がいる。…で使えない人は無能って事か』
ではなぜ自分は無能と判断されたのだろう?
ミラルカは首を傾げる。
『私、魔法が使えると思うんだけど』
自分は昨夜 確かに吸いのみを浮かせたのだから。
『トイレが…トイレがツラい…!アレは現代日本女性には耐えられない……』
仮にもこの世界に生まれて六年は経過しているし、現在までの記憶もしっかりある。
母と住んでいた離れの家はポットントイレだった。 だが、さっきは体力が回復してないからと、トイレにさえ行かせてもらえなかったのだ。そして替わりに用意されたのは…OMARUだった。
『トイレが水洗じゃないのは知ってた。でも おまるは無いわぁ……』
遠い目をしたミラルカは体力を最優先で回復させることを目標にしたのだった。
ミラルカの寝支度が済みやっと部屋から人がいなくなった。
身体は重くだるいが、日中ほとんど寝ていたのでまったく眠くない。
眠れないベッドの中でミラルカは自分を取りまく状況を整理しようと思った。
だが、わかることは母親と自分がかなり冷遇されていた事くらいだ。
運ばれてくる食事が一日一食だったこともあるし、部屋の掃除なんて母がしていた。
洗濯も自分達でやっていたし、ドレスもアクセサリーも見たことがない。
城で行われていただろう宴にも、母親はたぶん一度も出た事が無いと思われる。
生まれてから城内に入った事があったろうか?一回来た記憶があるように思うが定かではない。
とにかく母親と二人だけで、ひっそりと離れの家で暮らしていたのだった。
これだけいないのも同然の生活だったのに、わざわざ殺す意味がわからない。
然もあんな中途半端な毒殺。食べて直ぐに毒物とわかる味。
確かに即効性はあったし、わずかな量でも効いたのだから強力ではあったが。本当に息の根を止めたいなら、もっと適正なものがあったと思う。
まあ そのおかげで自分だけ生き残ってしまったのは良かったのか、悪かったのか。
『むぅ…情報が少なすぎる…。父の事を聞こうにも、お母様はもういないし…。私達が要らないなら、もっと早く処分するなり 僻地に捨てるなりしてたと思うのよね。敢えて王宮に置いていたのは なんでかな?…そういえば……』
死にかけて幽体離脱(あれは間違いなく幽体離脱だと思う)してた時、王様と誰かが話してたのを思い出した。
ーーーー「余の血を引いておりながら、無能とはの。やはり母親が平民ではいかんな」
「しかし、御髪は王家の血を受け継いだお色。王女様には 魔術が使えなくても、そのお子様には魔術の才が現れるかも知れませぬ。昨今、強力な力を持つ者が少のうなっておりますゆえ。このまま儚くさせるのはもったいのうございます」
「ふむ。子を成せる歳になったら、有力な種馬を何人かあてがうか。使える者が産まれれば儲け物……それが有益な使い道かもしれん」ーーーー
『とか、なんとか…無能って魔術が使えない人の蔑称よね』
六歳までのこの世界での知識と記憶を総動員して考える。
そういえばこの世界には魔法が存在してたのを思い出した。
以前 騎士達が訓練していたのを見かけた事があった。騎士達は火やら水やらを出して攻撃していた。
『魔法か…母様が使ってるのは見た事ないな。あと侍女さん達はーーあ、そういえばランプに火種無いのに火が点いてた、あれは魔法だった。魔法が使える人と使えない人がいる。…で使えない人は無能って事か』
ではなぜ自分は無能と判断されたのだろう?
ミラルカは首を傾げる。
『私、魔法が使えると思うんだけど』
自分は昨夜 確かに吸いのみを浮かせたのだから。
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