えっ!?俺が神様になるの? チートで異世界修行物語。

偵察部隊  元リーコン

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2章 少年期 1部シーバムの大森林編

3話 ベッド

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マジッククリエイションで家を作る魔法を作成する事を思い付いたタケルは早速材料を集める為に周囲の木を斬り倒した。数十本斬り倒した所で、アイテムボックスに仕舞った。

「よし、まずはセーフゾーンからかな。」

マジッククリエイション開始

魔法名【セーフゾーン】

[効果]
使用者の魔力により異空間に安全な空間を作り上げる。
登録した者であれば何時でも出入り出来る。
任意のオブジェクトを設置可能。
主が居なくても存在し出入り可能、死亡時は消滅、空間に設置した物は放出される。
以降省略

マジッククリエイション 完了

「よし、こんなもんか。【セーフゾーン】発動。」

タケルがセーフゾーンを発動させると、修行の時に使っていた異空間の時と似た扉が出現した。

「よし、成功かな。ちょっと確認してきますね。」

タケルが扉を通り中に入ると、そこは修行用の異空間と違い、それほど広くは無かった、と言っても体育館程の広さが有る、境目はぼんやりとしており、進もうとしてもそこから先へは進めない、何も無く、ぶつかるわけでも無く、戻されるわけでも無く、ただそれ以上進めないのだ。周囲は明るく、タケルがイメージすると女神の小屋から見た風景が広がった。明るさも変えられるようだ。

「よし、良い感じだ、修行じゃないから十分だな、このまま家も作ってしまおう。」

マジッククリエイション 開始

魔法名【メイクハウス】

任意の材料で家をつくれる。
一度作ったものはそのまま残る。
何度でも作り直しが出来る。

マジッククリエイション 完了

「よし、っとその前に。」

タケルはアイテムボックスから斬り倒した木を取り出し並べ立て。

「んん~。どうするかな、材料も多目に用意したし、何度でもつくれるから取り敢えず、やっぱこれかな。【メイクハウス】発動。おお!」

タケルが【メイクハウス】を発動すると、並べて置いてあった木が光って消えて、タケルが指定した場所に、ボウっと家の姿が浮かんだ、そして徐々にはっきりと姿を表し、やがて完全にイメージした家が現れた。そしてスッと音もせずに家が設置去れた。

「これは便利過ぎるな。これだけでもチート全開だよ、ハハハッ。」

タケルはスキルに続きマジッククリエイションのチート具合に思わず笑った。

「さて、サビオさんとアルミスを呼びに行くか。」

タケルは扉を通ってサビオとアルミスを呼びに出た。

「お待たせしました。このままでも入れますが、先に登録しましょう。」

そう言って扉の前に二人を立たせた。

「まずはこの扉に付いている石に手を置いて下さい、いつでも出入り出来るように登録しますので魔力を流して下さい。」

まずはサビオが石に手を添えて魔力を流し込んだ。すると石が光り、そして光りは光球となってサビオの方にゆっくりと向かってきた、サビオが手をかざすと光はひとつの鍵に変わり、サビオの手に収まった。
 次にアルミスも石に魔力を注ぎ鍵を手に入れた。

「これで準備完了です。その鍵は魔力で出来ていて、登録した人しか使えません、使わない時は消しておけます、使いたい時に鍵をイメージすれば現れます、次に鍵に魔力を注げば扉が出現しますので、そのまま扉の中に入れます。説明はこんなもんかな。」

「ほっほっほ。こりゃ安全だの。」

「そうですね。それではご案内致します。どうぞ。」

タケルは扉をあけ、軽くお辞儀をして、手で二人を中へと促した。
 中に入った二人は思わず声を上げた。

「こ、ここは女神の小屋?」
「ほほ、転移魔法かの?」

「違いますよ、驚きました?」

扉を通り中に入ったサビオとアルミスは驚いた、何故ならそこは先日まで居た女神の小屋の景色が広がっていたからである。二人とも女神の小屋に戻って来たのかと思ってしまうほどであった。そして驚いている二人にタケルが説明し始めた。

「あそこに転移魔法で戻れれば良いんですけど、あそこは結界で覆われてますからね。ここはあそこをイメージして作ったんですよ、因みに・・・」

タケルが新たにイメージすると、そこは湖の畔へと景色が変わった。

「こんな感じでイメージで景色を変える事が出来るんですよ。さ、次は小屋に入って下さい。」

タケルは二人に小屋の中に入って貰った、やはり二人は驚いていた、中の作りは小屋と殆ど一緒である、扉が沢山並んだ廊下は数を減らしてサビオとアルミスの部屋の分だけである。食材箱は無いが、キッチンは同じ作りで再現した。

「ほほ、これは凄いの。内部まで再現されておるんだの」

「そうなんです、お風呂も再現しましたよ。町に着くまではここで寝泊まりすれば良いと思います。あ、布団なんかは暫く寝袋になると思いますが、材料が手に入り次第作るのでそれまでの我慢です。」

「タケル様、何が必要ですか?」

アルミスはベッドで寝られると分かり、どんな材料が有れば良いのかが気になるようだ。

「んん~。鳥の羽と、綿、もしくは魔物が出す糸とか、布団に仕えそうな物をとにかく集めてみるしかないかな。」

「タケル様、では探しに行きましょう!」

アルミスは早く布団を作りたいようでタケルの手を取り森へ戻って行った。

「ほっほっほ。やはり飽きないの。」

サビオは髭を触りながら笑ってゆっくりと二人の後を追った。

「アルミス、探しに来たのは良いけど、闇雲に探しても見付からないよ。」

「タケル様、この付近は様々な魔物が居ります、その中に死肉を食らい森の掃除屋と言われる魔物が居て、そいつの体は硬い表皮に覆われて居るんですが、その表皮の下はフカフカの毛が詰まって居るんです。地竜程では無いですがかなり強いのでその毛は高級品なのです。」

アルミスが素材に適した魔物の特徴をスラスラと述べた、余程ベッドが恋しいようだ。

「そうなんだ、でもどうやって探すの?」

「タケル様、ドラゴンの肉を出してそれで誘き寄せましょう。」

「えっ、ドラゴンの肉で?」

タケルはあんなに旨いドラゴンの肉を魔物を誘き寄せる為の餌にするのを少し躊躇った。

「ほっほっほ。タケル殿、ここら辺なら地竜にすぐ出会えるからの、また狩れば良いんだの。」

遅れてやって来たサビオが髭を触りながら笑ってそう言った。

「そうなんですか、じゃあそうしますか。」

タケルはドラゴンの肉がまた手に入ると聞き、ドラゴンの肉を餌にする事に同意して、アイテムボックスから取り出し地面に置いた。

「これで良いかな?あとは待ち伏せをすれば良いのかな?」

ドラゴンの死体を置いたタケルが二人に訊ねる。

「そうですね、タケル様。幸いここなら木の上で待ち伏せも出来ますし、何処から来ても大丈夫ですからね。」

アルミスの提案で木に上ろうとすると、サビオが口を開いた。

「ほほ、タケル殿このままで何時間も待たなくてはならんかもしれないからの、ちと魔法で匂いを拡散させる必要があるの、ワシはちょっと細工してから上るかの。」

アルミスがジャンプしてトンットンッと数回木の幹を蹴り木の枝の上に立った、タケルは一本の木の枝を見つめると、瞬間移動で移動し、アルミスの正面の木の枝の上に立った。
 サビオはドラゴンの死体の近くに行くと、人差し指を上に向けクルクルと回し始めた。するとドラゴンの体から血が集まり、霧散していった。臭いを強くするために風に血を混ぜたようだ。臭いを拡散させ終わったサビオも瞬間移動で枝の上に移動した。

サビオにより臭いの強さを増した風は周囲に拡散し、かなり広範囲にまで広がった。そしてある魔物がその臭いを感じ取り、鼻をクンクンとさせている。その魔物の表皮は固く、まるで岩のようでジッとしていると岩と見間違えてしまう程だ、魔物が臭いを辿り移動し始めると、まるで岩が独りでに動いているようであった。

次第に拡散された臭いに反応する個体が増えていき、次々に移動を始めていた。木の上からドラゴンの死体を見つめる三人にも気配を感じる事が出来る程に近付いてきた。
 三人は気配を消して魔物が姿を現すのを待っていると、一匹、また一匹と岩のような魔物がいたる所から集まってきて瞬く間にドラゴンの死体は岩に覆い尽くされてしまった。

「あれがロックウールハウンドか、図鑑に載ってたな、本当に岩みたいだ。」

足元に広がる光景を見てタケルがつぶやいた。
 三人は目を、お互いに目を合わせコクリと頷くとまずサビオはウィンドカッターを幾つも出現させ、ロックウールハウンドに向けて放った、タケルはウォーターバレットを放ち、アルミスは斬撃を飛ばした。
 サビオのウィンドカッターはロックウールハウンドの首を正確に切り落とし、タケルのウォーターバレットは頭を撃ち抜き、アルミスの斬撃も首を切り落とし、いくつかの個体は頭が半分になっていた。ロックウールハウンドの群れは何が起こったのか理解すること無く、全て狩られて
 岩のような硬い表皮に覆われたロックウールハウンド、その硬い表皮のしたの柔らかい毛を手に入れるには、極力身体を傷付けずに狩る必要がある、ダメージを与えれば与えるほど中の毛が硬い表皮に吸収されていってしまうからだ。それをタケル、サビオ、アルミスの三人はいとも簡単に、しかも瞬く間に済ませたのである、しかもその数は67匹、討伐難易度から考えるととんでもない数であった。

「よし、こんなもんかな。全部回収しちゃおう。」

三人は木から降りて生き残りが居ないか確認し、タケルが全てのロックウールハウンドを回収した。

「なかなかの収穫でしたね。」

タケルが言うと、サビオが難しい顔をして口を開いた。

「タケル殿、失念しておったが、あの数のロックウールハウンドを一体づつ解体するのかの?」

「あっそうですよね。どうしますか。」

布団の素材となるロックウールハウンドを大量に狩ったはいいが、解体の事までは三人共考えていなかったようだ。
 三人でどうするか考えていると、アルミスがタケルに問いかけて来た。

「あの、タケル様。魔法で解体出来ませんか?」

タケルとサビオはハッとして、顔をして見合わせた。

「アルミス、やっぱり天才だよ。そうだよ、魔法が有るじゃないか!アルミスありがとう、大好きだよ!」

タケルはマジッククリエイションで解体魔法を作れば良いとアルミスの、言葉で気付き、興奮してアルミスに大好きと言ってしまった。
 やはりアルミスは顔を赤くしてフリーズ寸前であった。

「あっ。」

タケルは自分がうっかり口走った事に気付き、サビオと目を合わせ苦笑いをして誤魔化した。

「じ、じゃあ早速作るよ。」

マジッククリエイション 開始

魔法名【素材解体】

[効果]

動物、魔物、植物を素材毎に解体する。
素材がアイテムボックス、マジックポーチの中でも解体出来る。
解体の度合いは調整可能。

マジッククリエイション 完了

「ついでにもう1つ作るか。」

マジッククリエイション 開始

魔法名 【メイクアイテム】

[効果]

錬成魔法の一種、素材を元により複雑なアイテムを作成する事が出来る。

[制限]
熟練者の手作業により作成した物より劣る。

マジッククリエイション 完了

「お?何か制限が付いたな。まあそれでも十分だな。」

タケルは狩った獲物の解体する魔法と、素材を加工する魔法を作った。多少制限は付いてしまったものの、それでも十分に活用出来るのでタケルは満足であった。

「じゃあ、一旦セーフゾーンに行きましょう。」

そう言ってタケルは鍵を使い扉を出現させ、中へと入って行き、サビオとアルミスも後に続いた。

「じゃあ、【素材解体】実行指定ロックウールハウンド。ウール取り出しっと。おお、凄い早さで素材に別れて行く。」

タケルはステータスのインベントリに表示されている素材の数字が次々に切り替わり、数字が増えていくのを確認して少し興奮していた。

「ほっほっほ。タケル殿、順調なようだの。」

タケルの様子を見てサビオが髭を触りながら笑っていた。

「よし、全部解体終わりました。」

「ほほ。もう終わったのかの、凄いもんだの。」

「そうですね~。本当に便利な魔法だと思います。では一旦ウールだけ出しますね。」

そう言ってタケルはリビングにウール一体分だけ取り出した。全部を出すと部屋から溢れてしまう恐れがあったからだ、1体分の量を確認すると、タケルは全部で10体分のウールを並べた、非常に細い毛でフカフカしている、触ると暖かかった。

「よし、これでっと、【メイクアイテム】発動してっと。んんん~。」

タケルは【メイクアイテム】を発動してウールを加工し始めた。といっても手をかざすだけで殆ど何もしていないが、素材であるウールは淡く光り、ウネウネと動き徐々に布団を形作っていく、厚めの敷き布団を作りマットのようにした、次に掛け布団と毛布を作って3人分のセットが完成した。

「よし!出来た!布まで作れちゃうなんて我ながらズルい魔法だと思いましたよ。」

「ほっほっほ。確かにそうだの。しかし便利だから構わんの。ほっほっほ。」

サビオは布団をアイテムボックスに仕舞いながら笑っていた。

「タケル様、ありがとうございます、大事に使います。」

アルミスは余程嬉しかったのか、布団を抱え頬擦りしている。そしてそのまま部屋へと入って行った。
 タケルも自分の分を一旦アイテムボックスに仕舞い、自室に戻りベッドの上で出し布団に潜り込んだ、寝心地は非常に良くタケルはすぐに寝息を立てて眠りに付いた。
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