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第4章 世界戦争
46話 批判と称賛
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「注射反対!暴力反対!」
それだけ聞くと子供の反抗みたいだが、実際はいい大人達が集まったデモ隊の言葉である。
彼らの意見はこうだ。
何が入っているか分からない、人体に悪影響があるかもしれない『注射』なんて『反対』。人の理に外れた力だ。倫理的に駄目だ。何より人を傷つける『暴力』になる。だから『反対』。
そんな感じ。気持ちは分かる。いきなり凄い力が手に入ると言われても信じれないし、そんな力を自分達に向けられたらと思うのも当たり前だ。だけどそうでもしなければ人類はモンスターに滅ぼされてしまう。少なくとも俺やガーディアンのメンバーはそう思っているのだ。
「来たか」
デモ隊の進行方向、その目前に黒い渦が発生する。そこから現れたのはホブゴブリンだ。普通のゴブリンよりも大きく体長3mはある。
「な、なんだよ」
「文句でもあるのか」
デモ隊は突如現れたホブゴブリンに驚くが逃げもせず寧ろ立ち向かおうとしている。Dランクとはいえ何の力も持っていない彼らでは勝ち目が無い。
「≪スパーク≫」
「ギャァァァ!」
ホブゴブリンに触れ雷を流し込む。数秒経つと悲鳴が止んだ。
「キャーー!」
「こ、殺したぞ!」
「人殺し!」
目の前でモンスターを倒す所を見たデモ隊の人達は驚き、俺に恐れ慄く。
『こちら司令塔。竜也さん応答して下さい』
「こちら竜也。B地点クリア」
『了解。次はS地点の応援に向かって下さい』
「了解」
現在、モンスターの発生場所を特定出来るガーディアンの司令塔と連携を取りモンスター退治を行っている。次で20件目だ。さっさとホブゴブリンを≪アイテムボックス≫に収納するとその場を飛び去る。
◆ ◆ ◆
「ギャァァァァァァ」
S地点では水蛇とガーディアンの戦闘員数人が戦っていた。どうやらかなり苦戦しているようだ。水蛇はAランク。対して戦闘員は殆どがDランクで隊長らしき人がCランクだ。これは苦戦して当然だ。
「大丈夫か」
「竜也さん。来てくださったんですか」
「はい。後は俺がやるんで下がって」
「おお。聞いたか!皆下がれ!」
隊長の指示で戦闘員が全員下がる。と、同時に攻撃を開始する。
「≪竜化:50%≫≪サンダーフィスト≫」
「ギャァァァ」
水蛇は雷に苦しみ水中に潜る。そう、ここは水上。しかも太平洋のど真ん中である。
「≪サンダークロー≫」
鋭い爪を突き立て水蛇を捕まえ逃がさない様にする。しかし水中では水蛇の方が有利。水中に引き込まれ、既に腕が水に浸かっている。
「だったら≪竜化:100%≫」
ドラゴンの姿になり水蛇を掴む。すると易々と引っ張り上げる事が出来た。体格差がありすぎるのだ。俺は30mもあるのに対して水蛇はたった5m、両手で掴めばほぼ全身を拘束する事が出来るのだ。
「≪スパーク≫」
元々雷が弱点な上に身動きが出来ない状態で全身に雷を浴び、暴れ狂う水蛇。だが、その暴走も数秒も経てば止んだ。
「こちら竜也。S地点クリア」
『了解。次はE地点に向かって下さい』
「了解」
水蛇を≪アイテムボックス≫に入れると次の現場に向かった。
◆ ◆ ◆
「フフフ、フフフ。遂に、遂に、全ての準備が整ったわ」
私が手塩にかけて育てた兵隊達を視る。皆血気盛んね。中でも一番やる気に満ち溢れているのは【竜王】かしら。王様らしく沢山の竜に指示を出し準備を進めている。その目には人間の殲滅だけが映っているのでしょう。
「さぁ始めましょう。【世界戦争】を」
それだけ聞くと子供の反抗みたいだが、実際はいい大人達が集まったデモ隊の言葉である。
彼らの意見はこうだ。
何が入っているか分からない、人体に悪影響があるかもしれない『注射』なんて『反対』。人の理に外れた力だ。倫理的に駄目だ。何より人を傷つける『暴力』になる。だから『反対』。
そんな感じ。気持ちは分かる。いきなり凄い力が手に入ると言われても信じれないし、そんな力を自分達に向けられたらと思うのも当たり前だ。だけどそうでもしなければ人類はモンスターに滅ぼされてしまう。少なくとも俺やガーディアンのメンバーはそう思っているのだ。
「来たか」
デモ隊の進行方向、その目前に黒い渦が発生する。そこから現れたのはホブゴブリンだ。普通のゴブリンよりも大きく体長3mはある。
「な、なんだよ」
「文句でもあるのか」
デモ隊は突如現れたホブゴブリンに驚くが逃げもせず寧ろ立ち向かおうとしている。Dランクとはいえ何の力も持っていない彼らでは勝ち目が無い。
「≪スパーク≫」
「ギャァァァ!」
ホブゴブリンに触れ雷を流し込む。数秒経つと悲鳴が止んだ。
「キャーー!」
「こ、殺したぞ!」
「人殺し!」
目の前でモンスターを倒す所を見たデモ隊の人達は驚き、俺に恐れ慄く。
『こちら司令塔。竜也さん応答して下さい』
「こちら竜也。B地点クリア」
『了解。次はS地点の応援に向かって下さい』
「了解」
現在、モンスターの発生場所を特定出来るガーディアンの司令塔と連携を取りモンスター退治を行っている。次で20件目だ。さっさとホブゴブリンを≪アイテムボックス≫に収納するとその場を飛び去る。
◆ ◆ ◆
「ギャァァァァァァ」
S地点では水蛇とガーディアンの戦闘員数人が戦っていた。どうやらかなり苦戦しているようだ。水蛇はAランク。対して戦闘員は殆どがDランクで隊長らしき人がCランクだ。これは苦戦して当然だ。
「大丈夫か」
「竜也さん。来てくださったんですか」
「はい。後は俺がやるんで下がって」
「おお。聞いたか!皆下がれ!」
隊長の指示で戦闘員が全員下がる。と、同時に攻撃を開始する。
「≪竜化:50%≫≪サンダーフィスト≫」
「ギャァァァ」
水蛇は雷に苦しみ水中に潜る。そう、ここは水上。しかも太平洋のど真ん中である。
「≪サンダークロー≫」
鋭い爪を突き立て水蛇を捕まえ逃がさない様にする。しかし水中では水蛇の方が有利。水中に引き込まれ、既に腕が水に浸かっている。
「だったら≪竜化:100%≫」
ドラゴンの姿になり水蛇を掴む。すると易々と引っ張り上げる事が出来た。体格差がありすぎるのだ。俺は30mもあるのに対して水蛇はたった5m、両手で掴めばほぼ全身を拘束する事が出来るのだ。
「≪スパーク≫」
元々雷が弱点な上に身動きが出来ない状態で全身に雷を浴び、暴れ狂う水蛇。だが、その暴走も数秒も経てば止んだ。
「こちら竜也。S地点クリア」
『了解。次はE地点に向かって下さい』
「了解」
水蛇を≪アイテムボックス≫に入れると次の現場に向かった。
◆ ◆ ◆
「フフフ、フフフ。遂に、遂に、全ての準備が整ったわ」
私が手塩にかけて育てた兵隊達を視る。皆血気盛んね。中でも一番やる気に満ち溢れているのは【竜王】かしら。王様らしく沢山の竜に指示を出し準備を進めている。その目には人間の殲滅だけが映っているのでしょう。
「さぁ始めましょう。【世界戦争】を」
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