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第4章 世界戦争
49話 海人
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僕はその日、黒い服の人達に連れていかれた。偉い人が乗る様な大きな車に乗って1時間程。着いたのは大きなビルだった。そのビルに入るとエレベーターで10階まで登る。そうして辿り着いた部屋に入ると
「良く来てくれましたね岩永 海人さん」
お爺さんがいた。
その部屋はとても豪華で、まるで校長室の様だった。
「さぁ疲れたでしょう。ここで寛いでいって下さい」
お爺さんはそう言って奥の方を指す。そこには机の上に沢山のお菓子と沢山のジュースがあった。まるでパーティーの様に沢山。
僕は言われるがまま椅子に座りお菓子を食べる。だけど2、3個食べた所で気付く。お礼を言ってない。
「お菓子、ありがとうございます」
「いえいえ、おもてなしですから。これくらいは当然です」
当然らしい。僕は今食べた分ですら買うのが大変なのに。大人買いという奴か。大人って凄い。
「今日は海人さんにお話があってお呼びしました」
「お話?」
一体何の話なんだろう。そう言えればお父さんもお母さんも頑張ってこいと言っていた。どこに行くかも何をするのかも聞いていないけど。
「海人さん。貴方は『クリエイトオンライン』でEXランクにまで登り詰められました。その力を見込んで頼みがあります。我々に協力して貰えませんか」
「うん?」
◆ ◆ ◆
今思えばもっと良く古木さんの話を聞くべきだった。だけど僕はあの時、ただお願いされるのが嬉しくて良く考えずに返事をしてしまった。断るべきだったのに。だってお願いされたのはモンスターとの戦い、生き物との殺し合いだから。
「≪水竜・槍水激≫」
槍の形をした水を作り出しモンスター目掛けて放つ。その槍はモンスターの腹を突き刺しモンスターを倒す。
でも僕は戦えている。戦いになっている。僕には圧倒的な力があるから。一方的な攻撃で傷痕を遺さずに済んでいる。怯えず、恐怖せず、戦う事が出来ている。
だけど全員がそうでは無い。
「≪ウィンドアロー≫」
鋭く尖った風がモンスター目掛けて放たれる。攻撃は命中するもダメージは掠り傷程度。
「っ!≪ウィンドアロー≫」
再び風の矢が放たれるが殆どダメージは無い。遂には青年の目の前にまでモンスターが接近しその大きな手に捕まろうとしていた。
「はぁぁぁ!」
だけど青年は捕まらなかった。だって僕が頭突きでそれを阻止したから。
「≪水竜・砲水激≫」
勢い良く放たれた水はモンスターに命中しお腹のど真ん中に風穴を開ける。
モンスターはそのまま地上に落下する。だけど途中で消えた。でも疑問に思う事は無い。支援班の人達が収納系のスキルで回収してくれたのだ。そのまま地上に落ちて街に被害が出ない様に。
「ギャァァァァァァーーーーーー!!」
思わず耳を塞ぎたくなる様な轟音。もはや攻撃と言っても良いそれはモンスターの咆哮だった。そして、轟音なのも頷けた。
何しろそのモンスターは空一面に広がる黒い渦のほぼ全てを使って現れたのだ。
≪鑑定≫スキルでそのモンスターを視ればEXランク。種族はギガントドラゴン、名前はセバス。そして『竜王の眷属』だった。
○○の眷属と云う称号はこれまでに何回か確認されていて、そのどれもが通常のモンスターより強い。
モンスターとの戦いが始まってまだ1時間程だ。
「良く来てくれましたね岩永 海人さん」
お爺さんがいた。
その部屋はとても豪華で、まるで校長室の様だった。
「さぁ疲れたでしょう。ここで寛いでいって下さい」
お爺さんはそう言って奥の方を指す。そこには机の上に沢山のお菓子と沢山のジュースがあった。まるでパーティーの様に沢山。
僕は言われるがまま椅子に座りお菓子を食べる。だけど2、3個食べた所で気付く。お礼を言ってない。
「お菓子、ありがとうございます」
「いえいえ、おもてなしですから。これくらいは当然です」
当然らしい。僕は今食べた分ですら買うのが大変なのに。大人買いという奴か。大人って凄い。
「今日は海人さんにお話があってお呼びしました」
「お話?」
一体何の話なんだろう。そう言えればお父さんもお母さんも頑張ってこいと言っていた。どこに行くかも何をするのかも聞いていないけど。
「海人さん。貴方は『クリエイトオンライン』でEXランクにまで登り詰められました。その力を見込んで頼みがあります。我々に協力して貰えませんか」
「うん?」
◆ ◆ ◆
今思えばもっと良く古木さんの話を聞くべきだった。だけど僕はあの時、ただお願いされるのが嬉しくて良く考えずに返事をしてしまった。断るべきだったのに。だってお願いされたのはモンスターとの戦い、生き物との殺し合いだから。
「≪水竜・槍水激≫」
槍の形をした水を作り出しモンスター目掛けて放つ。その槍はモンスターの腹を突き刺しモンスターを倒す。
でも僕は戦えている。戦いになっている。僕には圧倒的な力があるから。一方的な攻撃で傷痕を遺さずに済んでいる。怯えず、恐怖せず、戦う事が出来ている。
だけど全員がそうでは無い。
「≪ウィンドアロー≫」
鋭く尖った風がモンスター目掛けて放たれる。攻撃は命中するもダメージは掠り傷程度。
「っ!≪ウィンドアロー≫」
再び風の矢が放たれるが殆どダメージは無い。遂には青年の目の前にまでモンスターが接近しその大きな手に捕まろうとしていた。
「はぁぁぁ!」
だけど青年は捕まらなかった。だって僕が頭突きでそれを阻止したから。
「≪水竜・砲水激≫」
勢い良く放たれた水はモンスターに命中しお腹のど真ん中に風穴を開ける。
モンスターはそのまま地上に落下する。だけど途中で消えた。でも疑問に思う事は無い。支援班の人達が収納系のスキルで回収してくれたのだ。そのまま地上に落ちて街に被害が出ない様に。
「ギャァァァァァァーーーーーー!!」
思わず耳を塞ぎたくなる様な轟音。もはや攻撃と言っても良いそれはモンスターの咆哮だった。そして、轟音なのも頷けた。
何しろそのモンスターは空一面に広がる黒い渦のほぼ全てを使って現れたのだ。
≪鑑定≫スキルでそのモンスターを視ればEXランク。種族はギガントドラゴン、名前はセバス。そして『竜王の眷属』だった。
○○の眷属と云う称号はこれまでに何回か確認されていて、そのどれもが通常のモンスターより強い。
モンスターとの戦いが始まってまだ1時間程だ。
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