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第4章 世界戦争
50話 イレギュラー
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ここはガーディアン本部、司令塔。日本、アメリカ、イギリスに現れた大量のモンスターとの戦いを中継している。これまでに無い数のモンスターとの戦いに司令塔も緊縛した空気だ。
だけどその空気を悪い意味で変化させる出来事が起こった。それはアメリカで戦っていたソフィア達からだ。
「至急応援を頼む。残存兵は私を含めて残り4人。街も壊滅状態。このままでは全滅してしまう!」
その言葉通り、アメリカから送られてくる映像では、街が破壊され人々が逃げ惑い、モンスターで溢れ返っていた。
◆ ◆ ◆
「はぁ。つまんねぇな。ちょっとはやると思ったが所詮は【人間】か」
それは人の姿をしていた。
それは言葉を使っていた。
それは人を殺した。
それは街を壊した。
それは正にモンスターだった。
「≪騎士道流【奥義】美しき最強の剣≫」
私と同じ大きさの大剣を目一杯の力で振り下ろす。だけど、それは私の剣に触れずに受け止めていた。
「そんなへなちょこの剣で俺を傷つけられるかよ!」
「な!」
私の剣が消滅し始めた。先端から跡形もなく消える。
直ぐ様後退するが剣は既に半分以上無くなっていた。
「はぁ。飽きた。≪ブルーレイ≫」
青く輝く光が私目掛けて放たれる。その光は何回も見た。当たれば人も建物も関係無く消滅させる。
避けなければ。そう思うより速くその光はやって来る。
だけどその光は私に当たらなかった。誰かの手が私の前に差し出され、光はその手に当たったのだ。だけどその手は消滅しなかった。
「全くどうして儂がこんな事を」
私を庇ってくれた人が呟く。その人は10人中10人が振り返る様な絶世の美女だった。燃える様な赤髪と豪華な和服が美しさを際立たせている。
「な!」
思わず美女に見惚れていると、それはいつの間にか美女の背後に現れ、首を狙った蹴りを放っていた。しかし、その攻撃はそれの足を掴む事で防いでいた。
一瞬の攻防。何も見え無かった。気付けばこの状況になっていた。次元が違い過ぎる。
「ちっ」
それは舌打ちをする。美女がそれの足を握り締め、それの足を潰したのだ。それは僅かに顔を歪め、青い光となって消える。その直後少し離れた所に現れる。
「へぇー。その力、同業か」
「貴様何が可笑しい」
それは笑っていた。足を潰された筈なのに。そう思いそれの足を見れば何とも無かった。見ていられない程に潰れた足が治っていた。
「ははは。だってよ【破壊者】同士の戦いだぜ。面白く無い訳無いじゃん」
「ふん。雑魚が。貴様と儂を同列に見るな」
「言ってろ。破壊だ、破壊!」
美女とそれは本格的に戦い始める。
だけどその様子は目で追えなかった。
◆ ◆ ◆
画面に映るのはソフィア。それに途切れ途切れに20歳くらいの女性と18歳くらいの少年が映る。少年は人類を、この世界を滅ぼそうと戦っている。対して女性の方はその少年を止める為に、滅する為に戦っている。
それにしても、と思う。彼が現れる可能性も想定してはいたが、まさか本当に現れるとは思ってもみなかった。彼女に声を掛けてはみたものの、結局彼女の出番無く終わる物と思っていた。だからこの戦いは想定内であり想定外だ。
そもそも彼を送り込むのはルール上は黒に近いグレーだ。それでも送り込んできたとなると余程の理由があるのか、それとも………。
起きたものは仕方が無い。それよりも……
「ギャァァァァァァーーーーーー!!」
スピーカーから聞こえてくるモンスターの叫び声。それは巨大な竜の雄叫びだった。これから全ての人間を駆逐しようと意気込む叫びだ。
だけどその空気を悪い意味で変化させる出来事が起こった。それはアメリカで戦っていたソフィア達からだ。
「至急応援を頼む。残存兵は私を含めて残り4人。街も壊滅状態。このままでは全滅してしまう!」
その言葉通り、アメリカから送られてくる映像では、街が破壊され人々が逃げ惑い、モンスターで溢れ返っていた。
◆ ◆ ◆
「はぁ。つまんねぇな。ちょっとはやると思ったが所詮は【人間】か」
それは人の姿をしていた。
それは言葉を使っていた。
それは人を殺した。
それは街を壊した。
それは正にモンスターだった。
「≪騎士道流【奥義】美しき最強の剣≫」
私と同じ大きさの大剣を目一杯の力で振り下ろす。だけど、それは私の剣に触れずに受け止めていた。
「そんなへなちょこの剣で俺を傷つけられるかよ!」
「な!」
私の剣が消滅し始めた。先端から跡形もなく消える。
直ぐ様後退するが剣は既に半分以上無くなっていた。
「はぁ。飽きた。≪ブルーレイ≫」
青く輝く光が私目掛けて放たれる。その光は何回も見た。当たれば人も建物も関係無く消滅させる。
避けなければ。そう思うより速くその光はやって来る。
だけどその光は私に当たらなかった。誰かの手が私の前に差し出され、光はその手に当たったのだ。だけどその手は消滅しなかった。
「全くどうして儂がこんな事を」
私を庇ってくれた人が呟く。その人は10人中10人が振り返る様な絶世の美女だった。燃える様な赤髪と豪華な和服が美しさを際立たせている。
「な!」
思わず美女に見惚れていると、それはいつの間にか美女の背後に現れ、首を狙った蹴りを放っていた。しかし、その攻撃はそれの足を掴む事で防いでいた。
一瞬の攻防。何も見え無かった。気付けばこの状況になっていた。次元が違い過ぎる。
「ちっ」
それは舌打ちをする。美女がそれの足を握り締め、それの足を潰したのだ。それは僅かに顔を歪め、青い光となって消える。その直後少し離れた所に現れる。
「へぇー。その力、同業か」
「貴様何が可笑しい」
それは笑っていた。足を潰された筈なのに。そう思いそれの足を見れば何とも無かった。見ていられない程に潰れた足が治っていた。
「ははは。だってよ【破壊者】同士の戦いだぜ。面白く無い訳無いじゃん」
「ふん。雑魚が。貴様と儂を同列に見るな」
「言ってろ。破壊だ、破壊!」
美女とそれは本格的に戦い始める。
だけどその様子は目で追えなかった。
◆ ◆ ◆
画面に映るのはソフィア。それに途切れ途切れに20歳くらいの女性と18歳くらいの少年が映る。少年は人類を、この世界を滅ぼそうと戦っている。対して女性の方はその少年を止める為に、滅する為に戦っている。
それにしても、と思う。彼が現れる可能性も想定してはいたが、まさか本当に現れるとは思ってもみなかった。彼女に声を掛けてはみたものの、結局彼女の出番無く終わる物と思っていた。だからこの戦いは想定内であり想定外だ。
そもそも彼を送り込むのはルール上は黒に近いグレーだ。それでも送り込んできたとなると余程の理由があるのか、それとも………。
起きたものは仕方が無い。それよりも……
「ギャァァァァァァーーーーーー!!」
スピーカーから聞こえてくるモンスターの叫び声。それは巨大な竜の雄叫びだった。これから全ての人間を駆逐しようと意気込む叫びだ。
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