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第4章 世界戦争
64話 決着
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「────────まだだ!!」
気付いた頃には既に【竜王】は俺の目と鼻の先まで迫り、剣は俺の首を狩ろうと首筋に触れるところまで近付いていた。
〖escape〗
寸前のところで回避した。空間を移動し、【竜王】の背後に回る。【竜王】はまだ気付いていない。今だ!!
「〖counter attack〗」
左手が黒く光だす。その手を強く握り締め、【竜王】目掛けて殴る。
「ぁぁ」
【竜王】に大ダメージを与える。だけど決定打に欠ける。【守護者】はあくまでも世界を守る者。正当な理由無く殺せない。例え異世界からの侵略者だとしても。ならば
「≪竜化:黒≫」
体中を黒い靄に覆われる。その中で俺の体は変化していく。
黒い靄が晴れ変化が終わると、竜の姿になっていた。≪竜化:100%≫よりも小さい体長10m。だがその力は【守護者】には遠く及ばずとも【人間】の中では最強クラスだ。何せこの姿は【守護者の加護】の力を具現化した様なものだ。
「≪ブラックフィスト≫!!」
黒い靄を纏った拳で更に殴る。渾身の一撃だ。俺が放った拳を中心に【竜王】の体に亀裂が入る。綻び始めたのだ。
「すまない」
【竜王】は一言、その言葉を残して消滅した。
◆ ◆ ◆
その言葉は果たして誰に向けた言葉だったのか、それは定かでは無い。【天使】の力を使えば心ぐらい簡単に読めるのだがそうはしなかった。
敵対した俺への降伏の言葉だったのか、仇を討てなかった仲間への無念か、それとも最愛の人への謝罪か、それは分からない。本人だけが知っている。
と、感傷に浸りまるで物語の終わりのような雰囲気だがまだ終わらない。この【世界戦争】を終結させるには全ての【王】を倒す必要がある。【竜王】【鬼王】【破壊王】の3人である。その内【竜王】は俺が倒し、【破壊王】は既に倒されている。残るは【鬼王】だけだ。
◆ ◆ ◆
「ぉぉおおー!!」
「はぁぁああ!!」
弟の持つ大剣と私の長剣を左右から力いっぱい振り下ろす。その刃が向かう先、狙うは和装をした華奢な男だ。相手は丸腰。それに動く気配すら無い。そのまま私達の剣が男を斬る。
が、そうはならなかった。男が剣を受け止めたのだ。想定外の出来事。否、既に何十回も受け止められているので、まだ想定内。ここからが本番。剣を放し透かさず男の懐に潜り込む。弟も同じように行動し、まるで鏡合わせのように息ぴったりに動く。そして
「「≪双鬼・砲波≫」」
掌を男に向かって翳す。そしてスキルが発動し掌から衝撃波が放たれる。
「っ」
だが、掌を翳した先にはまだ男が居た。見たところ無傷だ。私達の攻撃が通用していない!!
「ァァー」
男は声を上げる。と、次の瞬間には吹っ飛ばされていた。背中に地面の冷たさを感じる。お腹が痛み、そこが攻撃されたのだと分かる。だけどその瞬間を捉えられなかった。動きが速すぎる。
体を起こし敵を見据える。和装をした男。武装はしておらず鍛えている風でもない。無害そうだ。でも額からは2本のツノが生えていた。そして話す言葉は人語ではない。呻き声とも取れる言葉にならない声だ。これがEXランクを超えるランク不明のモンスター『鬼王』だ。その力は凄まじくEXランクである私と弟の二人がかりでこの状況。それに、周りは見渡す限りの荒野。たった一体でここに街が有った事など微塵も感じさせない程の惨状にしたのだ。
もう勝ち目は無い。そう思った時、天から黒い光が降り注いだ。その光は『鬼王』に命中する。
「ァァァーーー!!」
『鬼王』は叫ぶ。光の中で藻掻き、苦しんでいるように見える。さっきまで全く攻撃の通用しなかった『鬼王』がダメージを受けている。
「かつて町だったこの場所を守る為。この世界の【人間】を守る為。お前を排除する」
突然声が聞こえてくる。恐らくこの黒い光を放った主だろう。でもどこから聞こえてくるか分からない。
「姉さん。上」
隣で横たわっていた弟が声の主を先に見つけたのか場所を教えてくれる。
「な!!」
弟の言う通り空を見上げると、そこには白い翼を持った少年が居た。その姿が神々しく映る。それはまさに天使のようだ。
気付いた頃には既に【竜王】は俺の目と鼻の先まで迫り、剣は俺の首を狩ろうと首筋に触れるところまで近付いていた。
〖escape〗
寸前のところで回避した。空間を移動し、【竜王】の背後に回る。【竜王】はまだ気付いていない。今だ!!
「〖counter attack〗」
左手が黒く光だす。その手を強く握り締め、【竜王】目掛けて殴る。
「ぁぁ」
【竜王】に大ダメージを与える。だけど決定打に欠ける。【守護者】はあくまでも世界を守る者。正当な理由無く殺せない。例え異世界からの侵略者だとしても。ならば
「≪竜化:黒≫」
体中を黒い靄に覆われる。その中で俺の体は変化していく。
黒い靄が晴れ変化が終わると、竜の姿になっていた。≪竜化:100%≫よりも小さい体長10m。だがその力は【守護者】には遠く及ばずとも【人間】の中では最強クラスだ。何せこの姿は【守護者の加護】の力を具現化した様なものだ。
「≪ブラックフィスト≫!!」
黒い靄を纏った拳で更に殴る。渾身の一撃だ。俺が放った拳を中心に【竜王】の体に亀裂が入る。綻び始めたのだ。
「すまない」
【竜王】は一言、その言葉を残して消滅した。
◆ ◆ ◆
その言葉は果たして誰に向けた言葉だったのか、それは定かでは無い。【天使】の力を使えば心ぐらい簡単に読めるのだがそうはしなかった。
敵対した俺への降伏の言葉だったのか、仇を討てなかった仲間への無念か、それとも最愛の人への謝罪か、それは分からない。本人だけが知っている。
と、感傷に浸りまるで物語の終わりのような雰囲気だがまだ終わらない。この【世界戦争】を終結させるには全ての【王】を倒す必要がある。【竜王】【鬼王】【破壊王】の3人である。その内【竜王】は俺が倒し、【破壊王】は既に倒されている。残るは【鬼王】だけだ。
◆ ◆ ◆
「ぉぉおおー!!」
「はぁぁああ!!」
弟の持つ大剣と私の長剣を左右から力いっぱい振り下ろす。その刃が向かう先、狙うは和装をした華奢な男だ。相手は丸腰。それに動く気配すら無い。そのまま私達の剣が男を斬る。
が、そうはならなかった。男が剣を受け止めたのだ。想定外の出来事。否、既に何十回も受け止められているので、まだ想定内。ここからが本番。剣を放し透かさず男の懐に潜り込む。弟も同じように行動し、まるで鏡合わせのように息ぴったりに動く。そして
「「≪双鬼・砲波≫」」
掌を男に向かって翳す。そしてスキルが発動し掌から衝撃波が放たれる。
「っ」
だが、掌を翳した先にはまだ男が居た。見たところ無傷だ。私達の攻撃が通用していない!!
「ァァー」
男は声を上げる。と、次の瞬間には吹っ飛ばされていた。背中に地面の冷たさを感じる。お腹が痛み、そこが攻撃されたのだと分かる。だけどその瞬間を捉えられなかった。動きが速すぎる。
体を起こし敵を見据える。和装をした男。武装はしておらず鍛えている風でもない。無害そうだ。でも額からは2本のツノが生えていた。そして話す言葉は人語ではない。呻き声とも取れる言葉にならない声だ。これがEXランクを超えるランク不明のモンスター『鬼王』だ。その力は凄まじくEXランクである私と弟の二人がかりでこの状況。それに、周りは見渡す限りの荒野。たった一体でここに街が有った事など微塵も感じさせない程の惨状にしたのだ。
もう勝ち目は無い。そう思った時、天から黒い光が降り注いだ。その光は『鬼王』に命中する。
「ァァァーーー!!」
『鬼王』は叫ぶ。光の中で藻掻き、苦しんでいるように見える。さっきまで全く攻撃の通用しなかった『鬼王』がダメージを受けている。
「かつて町だったこの場所を守る為。この世界の【人間】を守る為。お前を排除する」
突然声が聞こえてくる。恐らくこの黒い光を放った主だろう。でもどこから聞こえてくるか分からない。
「姉さん。上」
隣で横たわっていた弟が声の主を先に見つけたのか場所を教えてくれる。
「な!!」
弟の言う通り空を見上げると、そこには白い翼を持った少年が居た。その姿が神々しく映る。それはまさに天使のようだ。
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