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第4章 世界戦争
65話 世界防衛戦争・終了
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「〖self defense attack〗」
【鬼王】に目一杯の黒い光を浴びせる。どのみち【守護者】の権限限界で勝手に力がセーブされる。殺す気でやろう。
「ァァー」
【鬼王】は呻き声を上げ、その場から動けないでいる。
辺りはまっさらな荒野。その大地に立つのは、この惨状を作り出した【鬼王】。そしてその悪鬼を倒そうとして破れた2人の戦士だけ。
「さて。どうしたもんか」
今のままでは止めを刺せない。かと言って≪竜化:黒≫に変身するまでのタイムラグで【鬼王】は黒い光から抜け出してしまう。そして攻撃されてゲームオーバ。
なら、
「『鬼姫』『鉄鬼』まだ動けるか!?」
地上に降り2人の戦士に声をかける。
鬼姫はその名の通り鬼の姫である。紫を基調とした和服に透き通る様な水色の長髪。美女である。しかし普通の人間とは違い額にはツノが2本生えている。だが、戦いの中で折れたのか左のツノは根元から殆どが失くなっていた。そして、1mを超える刀を持っていた。対して鉄鬼は鉄の鎧で全身を覆っている。兜の左右からは各々2本のツノが出ている。それに身長は優に2mは超える。巨漢だ。その見た目からは鬼を連想させる。手に持つ大剣の大きさは鉄鬼とほぼ変わり無い。
敵も鬼なら見方も鬼である。殆どの人間は事前に知らないと見間違えるだろうな。俺は【守護者】だから簡単に見分けられるけども。
「なんとか。だけど『ドラゴンマスター』。これ程の力を持っていたのか」
「あぁ。色々あってな」
鉄鬼は俺の力に感心している様だった。だけど借り物の力だから素直に喜べないんだよな。
とにかく
「2人とも協力してくれ。俺が合図するから2人は最大攻撃を「待て待て」」
俺が説明をする中、鉄鬼が説明を中断させる。
「お前の攻撃で鬼王は苦しんでる。このまま攻撃を続ければいずれは倒せるんじゃないのか?」
「それは無理だ。俺の攻撃は決定打にならない。この状態を保つので精一杯だ」
「………。分かった、やってみよう。姉さん」
「ん?ぁあ。えぇ、やりましょう」
暫く逡巡したが決心し、鉄鬼も鬼姫も協力してくれる様だ。
◆ ◆ ◆
『ドラゴンマスター』の提案を受け、俺と姉さんは必殺スキルを発動するべく力を貯める。
「≪身体強化≫≪超身体強化≫≪筋力増強≫≪怪力≫≪剛力≫≪剣術・最大≫≪剣技・最高≫≪必中≫≪絶対必中≫≪鬼の力≫≪鬼の加護≫」
補助スキルで自身の力を高める。
姉さんの方は、手に持った長剣で自身の角を斬る。
「≪鬼姫・角笛狂奏乱舞≫」
角の先を口に咥え、息を吐く。するとただの角から鮮やかな音色が奏でられ、周囲に強力な波動が広がる。あのスキルは自身の力を10倍にする。しかも、先ほどの戦いで既に1回発動させている。これで姉さんは10倍の10倍で100倍まで力が増幅されたことになる。
あとは『ドラゴンマスター』の合図を待つだけ。
「......」
「......」
「......」
「今だ!!」
その合図で俺と姉さんは『鬼王』に向けて走り出す。その距離20m。それを僅か0.1ミリ秒で駆け抜ける。黒い光は消え、『鬼王』は痛みから解放される。だけどまだ理解できていないのか動きが鈍い。今がチャンスだ。俺も姉さんも『鬼王』に向かって剣を振るう。
「≪双鬼・双斬結命≫」
俺の大剣が『鬼王』の胴体を、姉さんの長剣が首を斬る。あっさりと胴体が2つに分断され、さらに首が飛んでいく。
今まで何をしても無傷だった『鬼王』を斬ることができた。まるで豆腐でも切るようで、実感が無い。だけど、これで戦いは終わったんだ。
【鬼王】に目一杯の黒い光を浴びせる。どのみち【守護者】の権限限界で勝手に力がセーブされる。殺す気でやろう。
「ァァー」
【鬼王】は呻き声を上げ、その場から動けないでいる。
辺りはまっさらな荒野。その大地に立つのは、この惨状を作り出した【鬼王】。そしてその悪鬼を倒そうとして破れた2人の戦士だけ。
「さて。どうしたもんか」
今のままでは止めを刺せない。かと言って≪竜化:黒≫に変身するまでのタイムラグで【鬼王】は黒い光から抜け出してしまう。そして攻撃されてゲームオーバ。
なら、
「『鬼姫』『鉄鬼』まだ動けるか!?」
地上に降り2人の戦士に声をかける。
鬼姫はその名の通り鬼の姫である。紫を基調とした和服に透き通る様な水色の長髪。美女である。しかし普通の人間とは違い額にはツノが2本生えている。だが、戦いの中で折れたのか左のツノは根元から殆どが失くなっていた。そして、1mを超える刀を持っていた。対して鉄鬼は鉄の鎧で全身を覆っている。兜の左右からは各々2本のツノが出ている。それに身長は優に2mは超える。巨漢だ。その見た目からは鬼を連想させる。手に持つ大剣の大きさは鉄鬼とほぼ変わり無い。
敵も鬼なら見方も鬼である。殆どの人間は事前に知らないと見間違えるだろうな。俺は【守護者】だから簡単に見分けられるけども。
「なんとか。だけど『ドラゴンマスター』。これ程の力を持っていたのか」
「あぁ。色々あってな」
鉄鬼は俺の力に感心している様だった。だけど借り物の力だから素直に喜べないんだよな。
とにかく
「2人とも協力してくれ。俺が合図するから2人は最大攻撃を「待て待て」」
俺が説明をする中、鉄鬼が説明を中断させる。
「お前の攻撃で鬼王は苦しんでる。このまま攻撃を続ければいずれは倒せるんじゃないのか?」
「それは無理だ。俺の攻撃は決定打にならない。この状態を保つので精一杯だ」
「………。分かった、やってみよう。姉さん」
「ん?ぁあ。えぇ、やりましょう」
暫く逡巡したが決心し、鉄鬼も鬼姫も協力してくれる様だ。
◆ ◆ ◆
『ドラゴンマスター』の提案を受け、俺と姉さんは必殺スキルを発動するべく力を貯める。
「≪身体強化≫≪超身体強化≫≪筋力増強≫≪怪力≫≪剛力≫≪剣術・最大≫≪剣技・最高≫≪必中≫≪絶対必中≫≪鬼の力≫≪鬼の加護≫」
補助スキルで自身の力を高める。
姉さんの方は、手に持った長剣で自身の角を斬る。
「≪鬼姫・角笛狂奏乱舞≫」
角の先を口に咥え、息を吐く。するとただの角から鮮やかな音色が奏でられ、周囲に強力な波動が広がる。あのスキルは自身の力を10倍にする。しかも、先ほどの戦いで既に1回発動させている。これで姉さんは10倍の10倍で100倍まで力が増幅されたことになる。
あとは『ドラゴンマスター』の合図を待つだけ。
「......」
「......」
「......」
「今だ!!」
その合図で俺と姉さんは『鬼王』に向けて走り出す。その距離20m。それを僅か0.1ミリ秒で駆け抜ける。黒い光は消え、『鬼王』は痛みから解放される。だけどまだ理解できていないのか動きが鈍い。今がチャンスだ。俺も姉さんも『鬼王』に向かって剣を振るう。
「≪双鬼・双斬結命≫」
俺の大剣が『鬼王』の胴体を、姉さんの長剣が首を斬る。あっさりと胴体が2つに分断され、さらに首が飛んでいく。
今まで何をしても無傷だった『鬼王』を斬ることができた。まるで豆腐でも切るようで、実感が無い。だけど、これで戦いは終わったんだ。
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