能力実験者になったので思う存分趣味(注おもらし)に注ぎ込みたいと思います

砂糖味醂

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3話 心の声、聞いてみよう

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心の声を聞けるようになった。
これは使わない手はない。
ということで、今日使おうかと。
今日の体育の時間は、跳び箱。
男女別の時間であるため狙いやすいのだ。
ということで、どうせなら体育完璧な人に。
桃山茜さん。
体育の成績はいつでも五。
賞もとったことがなん度も。
さあ、一時間目だ。

茜さんはトイレを済ませてきたらしく、ゲージは少ない。
しかし、標準より小さいみたいで、すぐ満たせそうだ。
私は、跳び箱を順番に飛ぶ列に並ぶ。
そこでちょっとずつ送って行く。
心の声こい! 三分の一くらいになったところで、声が聞こえてきた。
(何で......トイレ済ませてきたのに。ちょっとトイレ行きたいかも.....)
ひょえー!すごい!声が聞こえるよ!
私はしばらく待ってみた。
(我慢はできそうだけど.....どうしよう)
茜さんは普通に跳び箱を飛んでいく。
私は半分よりちょっと多いくらいに送り込んだ。
(本当にトイレ行きたい......我慢できないかも。あと20分とか......)
茜さんは足踏みをして我慢している。
私はそこからもっと出力を上げる。
もう4分の3入ったか。
みんなに見えないところで片手で押さえてる。
(我慢しなきゃ......でもほんとにできないかもっ。お漏らしなんて絶対嫌。先生に言った方が)
まずいっ。
と私が思った時。
「桃山さん、お手本みしてあげて」
「え、はい」
(なんでっ......ほんと漏れそうなのにっ)
本当なら両手で押さえないといけないくらいの量が溜まっている。
ナイス先生である。
あかねさんはいつもと変わって辿々しく飛ぶと、跳び箱の上に着地してしまった。
足を広げた状態で、座っている。
(あっ!)
大きな声がして、小さな音が聞こえる。
シッ
(やだっちょっとでちゃったよ。もう動いたら、でちゃうぅ)
それでも顔に出さずにゆっくりと跳び箱を降りて行く。
「あれ? もう一回やろうか」
先生ー!(先生ー!)
二人の心の声が重なった。違う意味で。
あかねさんはちょっと涙目でぴょんと飛ぶ。
しかしさっきと同じように失敗。
(あっ、もうだめっ まってでちゃ)
その想い虚しく。
シュワァァー
跳び箱にシミが広がっていき、茜さんは顔を赤くする。
(うそ。中学生なのに......恥ずかしい......)
あかねさんはその場で崩れてしまった。
友達が駆け寄り保健室に連れて行った。

心の声の能力、素晴らしいっ!
次はどうしようかな。楽しみだ。
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